「高等学校政治経済/政治/保守と革新、右翼と左翼」の版間の差分

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右翼・左翼の特徴について加筆。
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|権利を優先||権利と義務||義務を優先
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|個人を尊重する||個人と社会の関係||国家や共同体を尊重する
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|国家に対して批判的・懐疑的||国家に対する態度||国家への忠誠を優先
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|否定的||軍事力の強化||肯定的
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|多様性や変化を認める||家族や郷土に対して||旧来のものをする
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|侵略戦争または[[w:帝国主義|帝国主義]]戦争||太平洋戦争について(日本)||自国の防衛戦争またはアジアの解放戦争
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====左翼====
左翼は、なるべく平和的に話し合うことで解決しよう、という立場である。そして、軍事力を最小限とする(または撤廃する)ことでこちらから攻め込まないことをアピールする一方、軍事力以外の力や手段で交渉を有利に進めようとする。そして、「軍事力に頼らない安全保障政策こそが、戦争を回避するのだ」という立場である。
 
つまり、右翼と左翼は、安全保障に関しての政策が、反対どうしの立場である。
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===民族観===
====右翼====
右翼の場合、自国の民族の伝統や歴史を重視し、それらを守っていこうという立場である。そして、個人は民族的な文化と伝統によって育まれ、価値観や人生観も民族の独自のものが作られていることを重視する考え方をもつ。そのため、一人一人の個性よりも、民族や国民が持つ大まかな特徴をとらえようと重視する。
 
こうし民族観は民族自決・植民地からの独立運動をうながていった一方、自民族が他民族に対して<ruby>優越<rt>ゆうえつ</rt></ruby>すると考える極端な思想もある作り出した
====左翼====
左翼の場合、ナショナリズムが戦争につながっていったことに対する反省から、自国の民族を中心に考えるよりも互いに尊重しようという立場をとることが多い。また、民族もまた変化するものであり、個人個人によってごとの差があることを重視するため、「Aという民族はBである」というような[[w:ステレオタイプ|ステレオタイプ]]な民族観には自民族のものも含めて否定的である。
 
== 「保守」と「革新」 ==
日本では、第二次大戦後、自民党のような政策が、「保守」(ほしゅ)な政策と言われた。いっぽう、社会党のような政策が「革新」(かくしん)な政策と言われた。
 
{| class="wikitable" style="text-align:center;"
じっさいには、日本での「保守」「革新」とは、言葉通りの内容とは違い、自民党の政策ならば「保守」と呼ばれた。いっぽう、反・自民の立場や、あるいは日本社会党や日本共産党の主張する政策ならば「革新」と呼ばれていた。
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!革新!!理念・政策!!保守
 
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じっさいには自民党の政権下でも、多くの法案を改正してたりするので、「保守」とは、けっして言葉どおりの意味ではない。また、社会党や共産党なども、国会で法案の改正案を提示することもあるので、「革新」は文字通りの意味ではない。
|社会主義または社会民主主義||政治理念||自由主義(特に欧州)
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|所得の再分配を重視。<br />企業の経済活動への制限に積極的。<br />大きな政府を志向する。||経済政策||自由経済を推進。<br />企業の経済活動への制限に消極的。<br />小さな政府を志向する。
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|労働者・都市生活者・移民||主な支持層||農民(特に日本)・資産家・中間層
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|労働組合・市民団体||主な支持基盤||医師会などの業界団体・財界
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|社会民主党(日本社会党)(日)<br />日本共産党(日)<br />労働党(英)<br />社会民主党(独)||政党||自由民主党(日)<br />保守党(英)<br />キリスト教民主同盟(独)<br />共和党(米)
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日本では、第二次大戦後、自民党のような政策が、「保守」(ほしゅ)な政策と言われた。いっぽう、社会党のような政策が「革新」(かくしん)な政策と言われた。これは、日本においては資本主義や天皇制についての態度が原因の一つとなっている。つまり、資本主義の経済体制と天皇制を維持するという意味で「保守」であり、資本主義と天皇制に批判的で、転換を求めるという意味で「革新」と呼ばれてきた。
なお、日本では、一般に「右翼」思想は「保守」に含まれる。
 
いっぽうそのため、日本では、一般に「右翼」思想は「保守」に含まれ、「左翼」思想は「革新」に含まれる。
 
また、第二次大戦後、冷戦が始まり、アメリカ寄りの立場が「右翼」「保守」とされ、いっぽうソ連寄りの立場が「左翼」「革新」とされた。