「高等学校商業 経済活動と法/担保」の版間の差分

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先取特権
譲渡担保
119 行
 
== 根抵当 ==
 
 
== 譲渡担保 ==
抵当権では、所有権は債務者(借り主)のままだった。しかし、所有権を債権者に移すのが、譲渡担保である。
譲渡担保では、目的物そのものは引き渡さないので、債務者は目的物を使い続けられる。仕事で使う機械や設備、土地などを、引き渡さないで済むので、債務者は仕事を続けられる。
 
法律では譲渡担保については規定が無いが、取引き慣行として譲渡担保が認められている。また、判例でも、譲渡担保は認められている。
 
* 例
たとえば、債権者Aが債務者Bに100万円を貸してたとしよう。
そして、譲渡担保として、Bの所有してた設備を、債権者Aの所有権に移したとしよう。
 
所有権だけが移るので、目的物(例の場合では「設備」)は、債務者Bが占有しているままである。
 
もし債務(借入金など)が弁済されれば、所有権はもとの持ち主に戻る。
つまり、債務が弁済されれば、AからBに所有権は戻る。弁済しおわってから、所有権がもどるので、同時履行の関係には無い。
 
(例、おわり)
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なお、債務者が弁済しおわるまでのあいだ、債権者が債務者から「賃料」などとして利息分を取る場合も多い。(検定教科書にある例。)
たとい債務者が弁済できなくても、とくに競売にかけたりはしないのが一般的である。(※ 参考文献: 山野目 章夫『民法 総則・物権』、有斐閣、第5版、196ページ)
 
動産・不動産のどちらでも、譲渡担保の対象にできる。