「高等学校化学I/化学結合」の版間の差分

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電気陰性度
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さて、AとBの結合した分子 AB の結合エネルギー E<sub>AB</sub> は一般に、AAとBBの平均の結合エネルギーよりも、さらに結合エネルギーが高い。
: <math> \Delta E{\rm _{AB} } = E{\rm _{AB} } - \sqrt{ E {\rm _{AA} } E{\rm _{BB} } } </math>
これは、原子Aと原子Bとの極性の差により、イオン結合のエネルギーが含まれているからである。(※ 上の式は高校範囲外なので覚えなくてよい。)
 
なら、このイオン結合のエネルギーをもとに、各原子の極性の度合いを実験的に測定できるだろう、と化学者ポーリングなどは考えた。そして、その極性は、2原子のそれぞれの原子の電気陰性度 <math> \chi_A</math> <math>\chi_B </math> の差 <math> \chi_A - \chi_B </math>によって生じると設定した。(※ 上の式は高校範囲外なので覚えなくてよい。)
 
つまり、同じ原子どうしの結合なら電気陰性度に差は生じず、
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となり、よって分極は生じない事になり、実験結果ともあう。
 
そしてポーリングなどは、フッ素 F の電気陰性度をとりあえず約4.0であると設定して、さまざまな原子どうし結合エネルギーの差の実測値をもと設定電気陰性度あうように比例定数k計算し掛け式をつくって、
 
: <math> \Delta E{\rm _{AB} } = k( \chi_A - \chi_B )^2 </math>
 
そして、この式をもとに、さまざまな原子どうしの結合エネルギーの差の実測値をもとに電気陰性度を計算した。(※ 上の式は高校範囲外なので覚えなくてよい。)
 
このようにして、'''電気陰性度'''(でんきいんせいど、electronegativity)の相対値が算出された。電気陰性度はもともと、上記のように2種類の原子からなる二原子分子の分極を説明するために導入された量である。
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また、こうして電気陰性度を計算した結果、希ガスを除いて周期表の右上にある原子ほど、電気陰性度が高いことが分かった。(検定教科書にも書いてある。)フッ素 F が最大の電気陰性度である。
 
 
== 水素結合 ==