「高等学校化学I/化学結合」の版間の差分

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電気陰性度の図を追加。
極性について図を追加
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水H<sub>2</sub>Oや、希塩酸などの酸性溶液では、少しだけイオン化をしていて、H<sub>3</sub>O<sup>+</sup>とOH<sup>-</sup>とにイオン化をしている。このH<sub>3</sub>O<sup>+</sup>は、H<sub>2</sub>OにHが配意した配位結合である。このH<sub>3</sub>O<sup>+</sup>をオキソニウムイオン(oxonium ion)という。
 
== 極性と電気陰性度 ==
=== 結合の極性 ===
[[File:Bonding and polarity jp.svg|thumb|結合と極性<br />δ+ :わずかに正に帯電している<br />δー :わずかに負に帯電している]]
 
== 極性 ==
[[ファイル:Watermolecule.png|thumb|230px|水分子の極性]]
水素分子H<sub>2</sub>や塩素分子Cl<sub>2</sub>のように同種の原子の共有結合で出来た結合において、電子対はどちらにも片寄らず、したがって電荷はかたよらない。
このような電荷の片寄りのない分子を'''無極性分子'''(むきょくせいぶんし,nonpolar molecule)という。
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いっぽう、塩化水素分子HClでは、塩素に電子は片寄っている。その結果、H原子は、すこしばかりの正の電荷 δ+ を持ち、塩素原子は少しばかりの負の電荷 δ- を持つ。このように分子内に電荷の片寄りのある状態を'''極性'''(きょくせい,polarity)と言い、極性の有る分子を'''極性分子'''(polar molecule)という。
 
なおイオン結合は、電子対が完全に一方の原子に移動したものと考えることができる。
 
=== 電気陰性度 ===
:三原子以上の場合の極性
ニ酸化炭素CO<sub>2</sub>ではC=Oの結合には極性があるが、分子全体ではO=C=Oが直線上の形状のため、2個のC=O結合の極性同士が反対向きになり、極性が打ち消し合う。したがって、分子全体ではニ酸化炭素は極性をもたない無極性分子である。このように原子数が3子以上の場合は、分子の形状が極性に関係してくる。
 
水H<sub>2</sub>Oは極性分子である。分子全体では折れ線の形になっている。
 
メタンCH<sub>4</sub>は無極性分子であり、正四面体の構造をとる。正四面体の4個の頂点に対応する位置に水素原子Hがあり、正四面体の中心に対応する位置に炭素Cがある。
 
 
== 電気陰性度 ==
[[File:Electronegativity illust for beginner jp.svg|thumb|350px|元素の電気陰性度]]
 
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また、こうして電気陰性度を計算した結果、希ガスを除いて周期表の右上にある原子ほど、電気陰性度が高いことが分かった。(検定教科書にも書いてある。)フッ素 F が最大の電気陰性度である。
 
 
なおイオン結合は、電気陰性度の差が大きくて、電子対が完全に一方の原子に移動したものと考えることができる。
 
=== 分子の極性 ===
ニ酸化炭素CO<sub>2</sub>ではC=Oの結合には極性があるが、分子全体ではO=C=Oが直線上の形状のため、2個のC=O結合の極性同士が反対向きになり、極性が打ち消し合う。したがって、ニ酸化炭素は分子全体ではニ酸化炭素は極性をもたない無極性分子である。このように原子数が3子以上の場合は、分子の形状が極性に関係してくる。
 
{| class="wikitable" style="float: right;"
|+ 分子の極性
|-
! 極性分子
| [[File:Water molecule 3D.svg|thumb|80px|水<br />(折れ線型)]] || [[File:HCl molecule model-VdW surface.svg|thumb|80px|塩化水素<br />(直線型)]] || [[File:Ammonia-3D-vdW.png|thumb|80px|アンモニア<br />(三角すい型)]]
|-
! 無極性分子
| 水素 || 塩素 || [[File:Carbon-dioxide-3D-vdW.png|thumb|80px|二酸化炭素<br />(直線型)]] || [[File:Methane-3D-space-filling.svg|thumb|80px|メタン<br />(正四面体型)]]
|-
|}
 
[[ファイル:Watermolecule.png|thumb|230px|水分子の極性]]
水H<sub>2</sub>Oは極性分子である。分子全体では折れ線の形になっている。
 
メタンCH<sub>4</sub>は無極性分子であり、正四面体の構造をとる。正四面体の4個の頂点に対応する位置に水素原子Hがあり、正四面体の中心に対応する位置に炭素Cがある。
 
== 水素結合 ==