「高等学校化学I/化学結合」の版間の差分

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結合の極性
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水素分子H<sub>2</sub>や塩素分子Cl<sub>2</sub>のように同種の原子の共有結合で出来た結合において、電子対はどちらにも片寄らず、したがって電荷はかたよらない。
このような電荷の片寄りのない分子を'''無極性分子'''(むきょくせいぶんし,nonpolar molecule)という。
 
いっぽう、塩化水素分子 HCl では、共有電子対は塩素に電は片に引きせられている。その結果、H原子は、すこしばかりの正の電荷 δ+ を持ち帯び、いっぽう、塩素原子は少しばかりの負の電荷 δ- を持つ帯びる。このように分子内に電荷の片寄かたよのある状態を'''極性'''(きょくせい,polarity)と言い、極性結合有る分子を'''極性分子'''(polar molecule)という。
 
なおイオン結合は、電荷のかたよりが大きい結合の場合に、電子対が完全に一方の原子に移動したものと考えることができる。
 
=== 電気陰性度 ===
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また、こうして電気陰性度を計算した結果、希ガスを除いて周期表の右上にある原子ほど、電気陰性度が高いことが分かった。(検定教科書にも書いてある。)フッ素 F が最大の電気陰性度である。
 
 
なおイオン結合は、電気陰性度の差が大きくて、電子対が完全に一方の原子に移動したものと考えることができる。
 
=== 分子の極性 ===
水素分子H<sub>2</sub>や塩素分子Cl<sub>2</sub>のように同種の原子の共有結合で出来た結合において、電子対はどちらにも片寄らず、したがって電荷はかたよらない。
このような電荷の片寄りのない分子を'''無極性分子'''(むきょくせいぶんし,nonpolar molecule)という。
 
いっぽう、塩化水素分子HClでは、塩素に電子は片寄っている。その結果、H原子は、すこしばかりの正の電荷 δ+ を持ち、塩素原子は少しばかりの負の電荷 δ- を持つ。このように分子内に電荷の片寄りのある状態を'''極性'''(きょくせい,polarity)と言い、極性の有る分子を'''極性分子'''(polar molecule)という。
 
ニ酸化炭素CO<sub>2</sub>ではC=Oの結合には極性があるが、分子全体ではO=C=Oが直線上の形状のため、2個のC=O結合の極性同士が反対向きになり、極性が打ち消し合う。したがって、ニ酸化炭素は分子全体では極性をもたない無極性分子である。
 
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[[ファイル:Watermolecule.png|thumb|230px|left|水分子の極性]]
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水H<sub>2</sub>Oは極性分子である。分子全体では折れ線の形になっている。