「高等学校化学I/化学結合」の版間の差分

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→‎分子の極性: 水素、塩素、二酸化炭素の極性の図
→‎水素結合: HF分子の水素結合の図
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== 水素結合 ==
[[File:水素結合 グラフ.svg|thumb|500px|left|水素化合物の沸点]]
[[ファイル:Wasserstoffbrückenbindungen-Wasser.svg|thumb|230px|水中における水素結合ネットワークの模式図。赤は酸素原子を示し、青が水素原子を示す。赤線が共有結合を示し、黒線が水素結合を示す。]]
 
16族原子のOと結合したH<sub>2</sub>Oは、同じ16族原子との化合物のH<sub>2</sub>SやH<sub>2</sub>Seとくらべて、沸点が特に高い。
17族のFとの化合物のHFは同じ17族原子の HCl などとくらべて沸点が特に高い。
15族のNとの化合物のNH3NH<sub>3</sub>も同様に、他の同属化合物より沸点が特に高い。
このような現象の仕組みを述べる。
 
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O、F、Nとも電気陰性度の高い元素である。
[[File:HF Hydrogen-bonding illust jp.svg|thumb|300px|HF分子の水素結合]]
例としてHFを解説する。フッ化水素HFはフッ素の電気陰性度が大きく、電子はフッ素に吸引される。この結果、水素原子は静電荷にかたよる。この大きく分極した水素を仲立ちとして、周囲のHF原子のFを吸引することで、物質全体として強い結合をする。
[[File:Hydrogen-bonding-of-water illust jp.svg|thumb|300px|H<sub>2</sub>O分子の水素結合]]
これを'''水素結合'''(hydrogen bond)という。水素結合は、相手の原子がO、F、Nなどの電気陰性度の高い場合である。
 
O、F、Nとも電気陰性度の高い元素である。電気陰性度の高い元素(O、F、N)と、水素 H とが、引き合うのである。
 
例としてHFを解説する。フッ化水素HFはフッ素の電気陰性度が大きく、電子はフッ素Fに吸引される。この結果、水素原子Hは静電荷にかたよ帯電する。この大きく分極した水素Hを仲立ちとして、周囲のHF原子のFを吸引することで、物質全体として強い結合をする。
 
これを'''水素結合'''(hydrogen bond)という。水素結合は、相手の原子がO、F、Nなどの電気陰性度の高い場合であに生じる。
 
水素結合は、共有結合やイオン結合と比べると、はるかに弱い結合である。しかし、水素結合がファンデルワールス力による結合と比べると、はるかに強い。
 
結局、水素結合をする物質は、
:H<sub>2</sub>O
:HF
:NH<sub>3</sub>
などである。
 
アンモニア分子どうしも水素結合をする。アンモニア分子のNと、となりのアンモニア分子のHとが、水素結合するからである。
 
[[Image:Hydrogen-bonding-in-water-2D.png|thumb|center|水素結合.]]
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== 金属 ==
* 金属結合: