「高等学校化学I/化学結合」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
→‎ファンデルワールス力: 図を追加。分子量が増えると沸点も増えるグラフの図
イオン化エネルギー、電子親和力
1 行
以上の後述する、イオン結合や共有結合や金属結合は、原子どうしの結合であった。いっぽう、'''分子間結合'''は、分子どうしの引力によって生じた結合である。
 
いっぽう、分子間結合は、分子どうしの引力によって生じた結合である。(※ 分子間結合については、分子間力の節で後述する。)
 
== イオン ==
=== イオンと電解 ===
==== イオン結合の仕組みと電解 ====
塩化ナトリウムNaClを水に溶かして塩化ナトリウム水溶液をつくると、ナトリウムイオンNa<sup>+</sup>と塩素イオンCl<sup>-</sup>のような、正負の電荷をもった粒子に分かれる。このように、電荷を持った粒子を'''イオン'''(ion)という。
 
14 ⟶ 19行目:
[[Image:Sodium-chloride-unit-cell-3D-ionic.png|thumb|120px|塩化ナトリウム(NaCl)結晶のモデル(溶解前)。ナトリウムイオン(Na<sup>+</sup>)と塩化物イオン(Cl<sup>-</sup>)が交互に並んでいる。]]
 
==== イオンと電子配置 ====
ナトリウム原子 Na は、価電子を1個放出すると、電子配置が、希ガスのネオン Ne の電子配置と同じになり、安定する。(ナトリウムの原子番号は11であるため、K殻に2個、L殻に8個、M殻に1個の電子が含まれる。)なのでナトリウムイオン Na<sup>+</sup> のように、1価の陽イオンになりやすいのである。
 
54 ⟶ 59行目:
 
 
=== 化学イオン結合の分類 ===
==== イオン結合の仕組み ====
* 分子間結合
以上のイオン結合や共有結合や金属結合は、原子どうしの結合であった。いっぽう、'''分子間結合'''は、分子どうしの引力によって生じた結合である。
 
 
== イオン結合の仕組み ==
[[File:NaCl-Ionengitter.png|thumb|right|150px|塩化ナトリウム型構造]]
 
90 ⟶ 91行目:
[[Image:NaCl_ionic.png|thumb|イオン結合.]]
 
例えば食塩NaClなどが、単体のNaとClからNaClへと結合する際は、原子どうしが近づくと原子と原子の間で、電子が完全にどちらか一方に移動することで、陽イオンと陰イオンが生じる。その陽イオンと陰イオンとが結びつく結合を'''イオン結合'''(ionic bond)という。原子の種類ごとに、電子を引き寄せて束縛しようとする力は異なり、これを相対的に数値で表示したものを'''電気陰性度'''(electronegativity)という。、一般に、イオン結合は、比較的に電気陰性度の大きい原子と小さい原子の結合で生じるのが一般である。電気陰性度の大きい物ほど、電子を吸引する力と電子を束縛する力が大きい。
 
=== イオンの生成とエネルギー ===
==== イオン化エネルギー ====
原子から最外殻電子1個を取り去って、1価の陽イオンにするのに必要なエネルギーのことを'''イオン化エネルギー'''(ionization energy)という。
 
一般に、イオン化エネルギーの小さい原子ほど、陽イオンになりやすい。
 
Li、Na、K などのアルカリ金属は、イオン化エネルギーが小さいからこそ陽イオンになりやすいのである。
 
陰性の強い元素は、イオン化エネルギーが大きい。
 
また、HE、Ne、Ar などの希ガス元素はイオン化エネルギーが非常に大きいので、安定しているのである。
 
: 一般にイオン化エネルギーは、1mol(単位:モル)あたりのエネルギー(単位: kJ キロジュール)で表す。
 
※ 単位「mol」(モル)については、のちの単元で習う。もし読者が、高校2年の1学期に初めてここの単元を習ってる段階なら、まだモルについては、気にしなくて良い。
 
 
==== 電子親和力 ====
原子が電子1個を受け取って、1価の陰イオンになるときに放出されるエネルギーのことを'''電子親和力'''(electron affinity、でんし しんわりょく)という。
 
たとえば塩素Clが電子1を受け取って塩化物イオン Cl<sup>ー</sup> になるとき、エネルギーを放出する。
 
F、Cl、Br などのハロゲン原子は電子親和力が非常に大きく、1価の陰イオンになりやすい。
 
 
180 ⟶ 205行目:
;オキソニウムイオン
水H<sub>2</sub>Oや、希塩酸などの酸性溶液では、少しだけイオン化をしていて、H<sub>3</sub>O<sup>+</sup>とOH<sup>-</sup>とにイオン化をしている。このH<sub>3</sub>O<sup>+</sup>は、H<sub>2</sub>OにHが配意した配位結合である。このH<sub>3</sub>O<sup>+</sup>をオキソニウムイオン(oxonium ion)という。
 
 
== 極性と電気陰性度 ==