「中学校保健/応急手当」の版間の差分

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'''6.心臓マッサージ(胸骨圧迫)(C:Circulation)'''
:※ 絶対に、生体では練習してはいけない。模型を用いて練習すること。また、生徒だけで練習しないこと。
 
[[Image:Formation premiers secours Polytechnique.jpg|thumb|right|心肺蘇生の訓練をマネキンで行っている。]]
:胸の真ん中に手の付け根を置き両手を重ねて、肘を真っ直ぐ伸ばし、1分間に少なくとも'''100回/分'''以上の速さのテンポで継続出来る範囲で強く圧迫を繰り返す。
:推奨は「少なくとも5cm以上沈むように」であるが、その場で測れる訳ではないので、継続出来る範囲で「強く」で良い。訓練をうけていない救助者はAED(エーイーディー)、または救急隊到着まで胸骨圧迫(きょうこつあっぱく)だけを続ける。<br />
:補足: できるかぎり、ほかの人を巻き込む。それが出来るかどうかは天国と地獄ほどの差がある。秒単位で12345と数えてもらうとかでもよい。5秒の間に8回以上なら100回/分以上を満たしている(後述)。それに応じてもらえれば疲れたときに代わってもらえる可能性が高い。疲れてきたらまわりの人に1分間だけでも代わってもらう。「強く早く」を維持するためにも交代は必用である。<br>人工呼吸が出来る状況なら、胸骨圧迫30回ののちあとに、気道確保を行い人工呼吸2回を行う。
 
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'''9.AEDによる除細動(D:Defibrillation)'''
[[ファイル:AED 001.JPG|thumb|200px|スタンド型のAEDの例]]
:※ 絶対に、生体では練習してはいけない。模型を用いて練習すること。また、生徒だけで練習しないこと。
 
:AEDが到着したら使用する。体が濡れていれば拭き取る。それ以外の手順はAEDの音声ガイダンスに従えば良い。公共の場に配備されているAEDは一般の人でも使えるように操作を自動化しており、電気ショックが必要であるかどうかもAEDが自動的に判断する。
[[Image:AED open cutout.jpg|thumb|200px|left|AED装置の例。メーカーによって形状は異なる。写真のように、裏ぶたに白い袋がついてる場合があるが、これは電気パッドなので、外さずにAEDと一緒に傷病者の元へ持ってくる。]]
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熱中症の手当てについての参考文献
* 高石昌弘、『中学校保険体育』、大日本図書、検定教科書、検定年:平成23年、平成25年再版発行
 
== 発展的記述:熱中症の応急処置のくわしい説明 ==
=== 熱中症の応急処置 ===
まず、冷やすことです。
 
熱中症の患者は、発汗(はっかん)により塩分が不足しているため、身体の調節機能が低下しています。なので、塩水などで塩分補給も行うことも、必用です。
 
熱中症の症状には、おもに熱けいれん、熱疲労、熱射病がある。(熱失神を加える場合もある。)
 
* 熱射病の場合
発汗の停止や、意識不明、立ち上がれない、足がふらつく、などの症状のある場合は、「熱射病」です。とても危険な症状なので、ただちに救急車を呼んでください。熱射病の場合、水分補給やスポーツドリンクを補給するよりも先に、とにかく救急車を呼ぶ必要があります。
 
また、救急車が到着するまでのあいだ、水分補給だけでなく、さらに、体を冷やしてください。(うちわであおぐ。氷(こおり)があれば、頭、首、わきのした、などを氷でひやす。必要に応じて、からだに水をかけてもいい。(※ 大日本図書の教科書に、からだに水をかける事が紹介されている。))
 
 
* 熱中症の応急処置
 
応急手当(おうきゅうてあて)としては、まず、涼しい場所に移動させる。<ref>和唐正勝、『現代高等保健体育』(文部科学省 検定済み教科書)、大修館書店、発行:平成25年4月1日、P.61</ref>
意識があり、吐き気や嘔吐物(おうとぶつ)が無ければ、薄めの食塩水やスポーツドリンクなどを飲ませて、水分および塩分を補う。<ref>和唐正勝、『現代高等保健体育』(文部科学省 検定済み教科書)、大修館書店、発行:平成25年4月1日、P.61</ref>
食塩水の濃度は、みそ汁やスープ料理などの濃度で良い。
 
意識があり、き気や嘔吐物(おうとぶつ)が無ければ、薄めの食塩水やスポーツドリンクなどを飲ませて、水分および塩分を補う。<ref>和唐正勝、『現代高等保健体育』(文部科学省 検定済み教科書)、大修館書店、発行:平成25年4月1日、P.61</ref>
スポーツドリンクは、塩分が少なめで糖分が多めなので、脱水の改善の効果は、やや弱い。<ref>著作者:文部科学省、『高等学校用 人体と看護』(職業高校用 教科書)、教育出版、発行:平成25年1月20日初版、P.298</ref>なので、できれば食塩水のような飲料を飲ませるほうが望ましい。
<ref>和唐正勝、『現代高等保健体育』(文部科学省 検定済み教科書)、大修館書店、発行:平成25年4月1日、P.61</ref>
 
食塩水の濃度は、みそ汁やスープ料理などの濃度で良い。みそ汁の塩分濃度が、以下に説明する0.2%濃度の食塩水の濃度と、ほぼ同じである
 
※ なお、はき気があって水分補給のできない場合、点滴を受けて水分補給・塩分補給をする必要がありうるので、病院に行かせる必要があり、なので救急車を呼ぶ必要のある場合もありうる。(※ 参考文献: 学研『中学 保健体育』平成23年版、69ページ))
 
;熱疲労の場合
:暑くて、ちょっと疲れるくらいの「熱疲労」なら、塩分濃度0.2%くらいのスポーツドリンク、または0.2%塩分濃度の食塩水で、塩分をおぎなうくらいで良い。
 
:このように、汗によって塩分が失われている場合は、塩分も補給する必要がある。塩分をふくまない水を飲ませるだけでは、あまり、熱疲労から回復をしない場合がある。
 
;熱けいれんの場合
もし、経口補水液(けいこう ほすいえき)があれば、それを飲ませるのが良い。
:しかし、手足のけいれん などのある「熱けいれん」の場合は、0.9%食塩水(生理食塩水の濃度)をおぎなうこと。(0.9%濃度の食塩水のことを「生理食塩水」という。)
 
 
熱疲労、熱けいれん、どちらの場合でも、応急処置をしても回復しない場合は、救急車を呼ぶなどして、病院に行かせる。
このように、汗によって塩分が失われている場合は、塩分も補給する必要がある。塩分をふくまない水を飲ませるだけでは、あまり回復をしない場合がある。
 
濡れタオルや氷で冷やす場合は、首や脇(わき)の下など、冷却すると、体の内部まで冷やせて効率的である。
うちわや扇風機があれば、冷却に利用する。
 
体温は、必ずしも上昇するとは限らないし、顔が赤くなるとも限らない。症状によっては、顔が青ざめる場合もある。
体温が上昇してないからといって、けっして熱中症でないと勘違いしないように注意のこと。
 
=== 熱中症の予防 ===
==== こまめに水分と塩分を取ろう ====
夏場や、はげしい運動の前後などは、こまめに、水分をとることが必要です。このとき飲む水は、ほとんどの場合、水道水で、かまいません。スポーツドリンクなど塩分をふくむ飲料は、よほど激しい運動の前後でないかぎり、それほど熱中症の予防には、多くは飲む必要はありません
 
水分を取るとき、できれば、食塩濃度0.1%〜0.2%の食塩水でおぎなえると熱中症の予防に効果理想的ですので、たくさん汗をある。(しく場合はこの濃度現実近いは、学校で給以外に補給取ることは、むずかましょいだろう。
 
食塩濃度0.1%〜0.2%の食塩水が、熱中症の予防に効果的ですので、たくさん汗をかく場合は、この濃度に近い食塩水を補給しましょう。(スポーツドリンクにも塩分がふくまれているのが一般的である。なので、たくさん汗をかいたあとは、スポーツドリンクを飲むのも効果的だろう。)
 
水道水を飲んではいけないわけではないが、しかし水道水だけを飲んでも塩分をおぎえないことは、知っておこう。
 
また、塩分をとらずに水分だけを取ると、体が本能的に体内の塩分濃度の低下をおそれて、水をほしがらなくなってしまう、という現象があります。(※ 参考文献: 大日本図書『中学校 保険体育』平成23年検定版、141ページ) このため、場合によっては、水道水で水分を補給することが、かえって、危険をまねいてしまう場合があります。なので、はげしい運動のあとや、熱中症が心配なときは、スポーツドリンクなどで水分といっしょに塩分も、おぎないましょう。
 
水分を取る際、いっぺんに水分を多めにとっても、効果は、ひくいです。また、いっぺんに水分を取りすぎると、下痢(げり)などの原因にも、なります。
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かつて、「スポーツの練習中には、水を飲まないほうが良い」などの誤解があった。現在では、これは医学的根拠が無いとして、まちがった迷信だとして、否定されている。<ref>北側薫、『高等学校 保健体育』(文部科学省 検定済み教科書)、第一学習社、発行:平成25年2月10日、P.150</ref>
 
熱疲労のときも、0.2%食塩水やスポーツドリンクを飲むことが、応急手当になる。
 
なお、熱けいれん のときにおぎなう食塩水の濃度は0.9%(生理食塩水)です。(スポーツドリンクよりも塩分が高濃度。) この0.9%の食塩水のことを「生理食塩水」といいます。
*服装
 
 
* 服装
熱中症の予防として着る服は、なるべく薄着(うすぎ)が良い。通気性と吸湿性の良い服が良い。また、帽子で日差しを減らすのも効果的である。裸での運動は、日光が直接に全身に当たるため、かえって熱中症になりやすく、裸での運動はダメ。
 
 
* スポーツの場合の服装
薄着(うすぎ)が良い。
 
 
==== 個人的な意見: スポーツドリンクばかりを飲みすぎないように ====
:(※ 読者は自己責任で。)
 
スポーツドリンクと水道水を、交互に取るなどして、バランスよく、補給しましょう。
 
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学校給食などの一般的な食事メニューの みそ汁 やスープ類などに、すでに塩分が、ふくまれています。なので、ふだんのスポーツ前後では、塩分をわざわざ多めにとる必用はありません。
 
==== 個人的な意見: 塩分だけをとっても、逆効果 ====
:(※ 読者は自己責任で。)
 
塩からいものを食べると、喉(のど)が、かわきます。このように、塩分だけしか補給しないと、かえって、のどが、かわいてしまい、水分が減ってしまいかねません。
 
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:;熱失神(ねつしっしん) 
::原因:血管の拡張したことの血圧低下による、脳への血液不足。
::症状:失神や めまい など。
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