「高等学校情報/情報の科学/ファイルシステム」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
とりあえずファイルシステムとフォーマットについて記述
(相違点なし)

2017年6月11日 (日) 14:45時点における版

ファイルシステムの原理

問題提起

ハードディスクとかのファイルは、どうやって管理されるのだろうか?

われわれはすでに、CPUやメモリ処理の、おおまかな原理は学んだ。しかし、ハードディスクが、どういう原理で情報処理されてるか、まだ分からない。

そこで、ハードディスクの仕組みを考えてみよう。

結論から言うと、目次ファイルが隠れているようだ。パソコンは、この目次ファイルを自動的に読み取り、ハードディスク内のファイル構成を把握している。

まず、観察

まず、とりあえず市販のパソコンに市販の外付けハードディスクをつないだら、パソコンがハードディスクを読み取りしてくれるが、いったい何を読み込んでいるんだろう。

まず、そのハードディスク内にあるファイルの名前を読み取っているようである。

じっさい、OS上からハードディスクにアクセスして内部表示してみると、そのハードディスク内にあるファイルの一覧が表示される。

ここで注目する事として、各個別のファイルの中身は、まだアクセスしていない事である。

じっさい、個別のファイルにアクセスしてみると、読み取りに時間が掛かる。


つまり、ハードディスクにアクセスして開いた時点での、自動的なファイルの読み取り作業では、ファイル名の一覧だけを読み取っている。

気づいたこと

ハードディスクにアクセスして開いた時点での、自動的なファイルの読み取り作業では、ファイル名の一覧だけを読み取っている。

ここで気づく事として、つまり、ファイル一覧だけが、ファイル中身の本体とは別に存在している事が分かる。

つまり、われわれが一見すると「ファイルの集合体」のように見える、ハードディスクの中身には、じつは、各個別のファイル中身の本体とは別に、ファイルの目次(もくじ、index)のような物が、存在している事になる。

ハードディスクにアクセス時には、この目次ファイルだけを読みとっているようだ。


そして、その、目次を仲介して、われわれのマウス操作などの操作にもとづいて、パソコン(つまりオペレーティングシステム)は各個別のファイルを読み取りに行っている。

つまり、目次ファイルには、その目次で紹介された各ファイル本体の場所(ハードディスク上での場所)についての情報が、記録されている。

パソコンが、利用者からの操作によって「○○のファイルを読み取れ」という指示を受けると、パソコンは、その指示にしたがい、目次で紹介されたファイル本体の場所に移動して、ファイルを読み取る、・・・という仕組みだろう。


つまり、ファイル本体の記憶領域とは別に、ファイル一覧の目次のための記憶領域が、その外付けハードディスク内にあるハズだ。


また、このような作業の前提として、ファイルを作成する時点で、ファイル本体の作成とは別に、ファイル一覧の目次にも、作成しようとしてるファイルの情報を追加する必要がある。


上記のような、オペレーティングシステムなどによる、ファイルを取り扱うためのファイル管理の仕組みのことをファイルシステムという。

オペレーティングシステムに、いろんな種類があるように、ファイルシステムにもいろんな種類があり、規格は統一していない。

また、ひとつの記録メディア上で使えるファイルシステムは、1種類までである。

フォーマット

対象のハードディスクの目次ファイルのつくりかたは、オペレーティングシステムが決めてあげないといけない。 また、そもそも、目次ファイルをどこに配置するかとか、そもそもページに相当するものをどうやって作るかとか、そういう構成も、オペレーティングシステムが決めてあげる必要がある。

例えるなら、ある書籍に、目次だけ存在しても、ページがなければ、書籍として機能していない。

記憶容量の余っているハードディスクとは、書籍に例えるなら、ページが存在しているが、ページには何も書き込まれていない状態である。

ハードディスクだけがあっても、ハードディスク上での何バイトを1ページと決めるかとかは、オペレーティングシステムなどが決める必要がある。

実際の本では、読み手による、ある1ページを読み終わったかどうかの判断は、右下(もしくは左下)の文字を読み手が読み取る事により「このページの最後の文字だな」と分かる。

しかしコンピューター上のデータでは、そのような物理的な「右下」とか「左下」なんて物は存在しないので、かわりに、書籍でいう「ページ」を読み終えた事をパソコンが判断するための目印となるデータが必要であろう。

だから、個別のファイルを記録するまえに、まず、「書籍でいう「ページ」に相当するものを読み終えた事をパソコンが判断するための目印となるデータ」をハードディスク内の各所に配置してあげないといけない。

要するに、まず「ページ」に相当するような枠組みごと、作ってあげる必要がある。

このように、あるハードディスクが記録メディアとして利用できようにするために、まずは枠組みをつくる準備が必要であり、このような枠組みづくりの作業をフォーマット(format)という。

なお、一般にある使用済みのディスクをフォーマットとすると、それまでに記録していた個別のデータは消去されてしまう。

また、市販の外付けハードディスクなどは、すでにwindows用にフォーマットをされているので、フォーマットをしなくても使用できる場合が大半である。

またなお、オペレーティングシステムを内蔵ハードディスクにインストールする時に、その内蔵ハードディスクは、そのオペレーティングシステム用にフォーマットされているのが一般的である。