「高校化学 16族元素」の版間の差分

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オキソ酸
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酸化物は、酸や塩基との反応のしかたから3通りに分類される。
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|+ 酸化物の分類
|-
! 酸性酸化物
:| CO<sub>2</sub> +, Ca(OH)NO<sub>2</sub> &rarr;, CaCOSiO<sub>2</sub> , SO<sub>2</sub> , SO<sub>3</sub> +, HCl<sub>2</sub>O<sub>7</sub> など
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! 塩基性酸化物
| Na<sub>2</sub>O , MgO , CaO , Fe<sub>2</sub>O<sub>3</sub> , CuO , BaO など
|-
! 両性酸化物
| Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub> , ZnO
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|}
 
* '''酸性酸化物''' : 水に溶けて酸性を示したり、塩基と反応して塩を生じる酸化物を、'''酸性酸化物'''という。
* '''塩基性酸化物''' : 水に溶けて塩基性を示したり、酸と反応して塩を生じる酸化物を、'''塩基性酸化物'''という。
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;酸性酸化物の例
{| class="wikitable" style="float: right;"
|-
! 酸性酸化物
| CO<sub>2</sub> , NO<sub>2</sub> , SiO<sub>2</sub> , SO<sub>2</sub> , SO<sub>3</sub> , Cl<sub>2</sub>O<sub>7</sub> など
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|}
二酸化炭素や二酸化硫黄など、非金属元素の酸化物の多くは、酸性酸化物である。
 
酸性酸化物の定義により、酸性酸化物は水に溶けると、酸性を示す。
: SO<sub>2</sub> + H<sub>2</sub>O &rarr; H<sub>2</sub>NO<sub>4</sub>
::※ H<sub>2</sub>NO<sub>4</sub>は酸。
 
また、酸性酸化炭素(CO<sub>2</sub>)は塩基と反応してすると、塩を生じつくる。
: SO<sub>2</sub> + 2NaOH<sub>2</sub>O &rarr; Na<sub>2</sub>SO<sub>3</sub> + H<sub>2</sub>O
::※ Na<sub>2</sub>SO<sub>3</sub>は塩。
 
 
二酸化炭素(CO<sub>2</sub>)は塩基と反応して塩を生じる。
: CO<sub>2</sub> + Ca(OH)<sub>2</sub> &rarr; CaCO<sub>3</sub> + H<sub>2</sub>O
::※ CaCO<sub>3</sub>は塩。
 
 
二酸化窒素(NO<sub>2</sub>)は水に溶けて硝酸(HNO<sub>3</sub>)となる。
: 3NO<sub>2</sub> + H<sub>2</sub>O &rarr; 2HNO<sub>3</sub> + NO
 
また二酸化炭素(CO<sub>2</sub>)は塩基と反応して塩を生じる。
: CO<sub>2</sub> + Ca(OH)<sub>2</sub> &rarr; CaCO<sub>3</sub> + H<sub>2</sub>O
 
;塩基性酸化物の例
{| class="wikitable" style="float: right;"
金属元素の酸化物の多くは、塩基性酸化物である。酸化カルシウムや酸化ナトリウムなどが、塩基性酸化物である。
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! 塩基性酸化物
| Na<sub>2</sub>O , MgO , CaO , Fe<sub>2</sub>O<sub>3</sub> , CuO , BaO など
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|}
 
水に溶けて塩基性を示したり、酸と反応して塩を生じる酸化物を、'''塩基性酸化物'''という。
 
: Na<sub>2</sub>O + H<sub>2</sub>O &rarr; 2NaOH
::※ NaOHは塩基。
 
'''金属元素の酸化物の多くは、塩基性酸化物である'''。酸化カルシウムや酸化ナトリウムなどが、塩基性酸化物である。
 
酸化カルシウム(CaO)は水に溶けて水酸化カルシウム(Ca(OH)<sub>2</sub>)となる。
: CaO + H<sub>2</sub>O &rarr; Ca(OH)<sub>2</sub>
また、これは酸と反応して塩を生じる。
: CaO + 2HCl &rarr; CaCl<sub>2</sub> + H<sub>2</sub>O
 
 
 
;両性酸化物の例
{| class="wikitable" style="float: right;"
! 両性酸化物
| Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub> , ZnO
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|}
 
酸・塩基のどちらとも反応して塩を生じる酸化物を、両性酸化物という。
 
酸化アルミニウム(Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>)や酸化亜鉛は、酸とも塩基とも反応して塩を生じる。
: Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub> + 6HCl &rarr; 2AlCl<sub>3</sub> + 3H<sub>2</sub>O
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一般に、分子中に酸素分子のある構造の酸のことを'''オキソ酸'''(oxoacid)という。(「オキソ酸」といった場合、水素原子は、なくても構わない。 ※ 東京書籍実教出版の見解。 いっぽう、啓林館などが、「オキソ酸」の定義に水素原子を含ませる定義である。)
 
オキソ酸の分子構造についての議論のさいには、塩素原子や窒素原子など、由来となった酸性酸化物の元素を「中心原子」と設定して議論するのが一般的である。(つまり、酸素原子や水素原子は、中心ではない。)