「高等学校生物/生物II/遺伝情報の発現」の版間の差分

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→‎発展: RNA干渉: ダイサーやRISCなどを紹介。
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* RNA干渉
[[ファイル:RNAi.jpg|thumb|right|350px|RNA干渉のしくみ<br>ダイサーといわれる酵素で二本鎖RNAを分解する。<br>切断されたRNAがタンパク質を結合し、RISCといわれる複合体を形成する。<br>このRISCが、翻訳などの妨害をする。]]
[[ファイル:RNAi.jpg|thumb|right|350px|RNAi]]
mRNAの転写後に、もし、細胞内などに、そのRNAとは他のある短いRNAが存在している場合、そのある短いRNAがmRNAに結合して、mRNAを分解したりボソ-ムを妨げたりするなどして、mRNAに(たいていは抑制的・妨害的に)関わることを'''RNA干渉'''(RNA interference、略称:'''RNA i''')という。
 
ある生物の細胞内に、もし外部からウイルスが侵入した場合、その細胞はすでにウイルスに感染されてしまってるので、生物はウイルスの増殖を防ぐ必要があり、ウイルスに感染した細胞の増殖やさまざまな活動を止めなければならないだろう。
このような反応によって、mRNAの発現が妨げられる。
 
上記のような理由だろうか、下記のような実験事実がある。
このときの短いRNAの長さは、塩基数が20塩基~30塩基ほどである。
 
まず、RNAには、翻訳を行わない種類のものや、翻訳を妨害するものがあることが、わかっている。
 
mRNAの転写後に、もし、細胞内などに、そのRNAとは他のある短いRNAが存在している場合、そのある短いRNAがmRNAに結合して、mRNAを分解したり、リボソ-ムの翻訳を妨げたりするなどして、mRNAに(たいていは抑制的・妨害的に)関わることを'''RNA干渉'''(RNA interference、略称:'''RNA i''')という。
 
このような反応によって、mRNAの発現が妨げられる。このときの短いほうのRNAの長さは、切断され、塩基対の数が21塩基ほどになる。(参考文献: 羊土社『理系総合のための生命科学』、著: 東京大学生命科学教科書編集委員会、2007年第1刷、120ページ、コラム内の記事)
 
 
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RNAを導入するときに、相補的なRNAどうしを結合させて二本鎖RNAにした場合のほうがRNA干渉が発現しやすい。書籍によっては、RNA干渉の紹介のときに最初から、「細胞に、ある短い二本鎖RNAを導入すると、mRNAを切断したりリボソームの結合を阻害したりして発現を阻害することをRNA干渉(略称:RNA i)という。」などというように、二本鎖RNAであることを前提としてRNA干渉を紹介している場合もある。
 
 
* RNA干渉の仕組み (高校の範囲。啓林館や数研出版などの教科書に記述あり)
:ダイサーといわれる酵素で2本鎖RNAを切断して、短いRNAにする。
::↓
:さらにそのRNAが、1本鎖に分解される。
::↓
:その1本鎖RNAがタンパク質と結合して、複合体(RISCと言われる)を形成する。さらに、相補的な配列をもつmRNAと結合する。
::↓
:こうして出来上がった複合体が、mRNAを分解したり、リボソームによる翻訳を妨害したりする。
 
=== 突然変異 ===