「分子生物学」の版間の差分

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このヌクレオチドの5’末端が、他のヌクレオチドの3’末端と共有結合することによって長いポリヌクレオチド鎖が形成され、その配列は5’側から3’側へと表記される。そして、このようにして形作られたポリヌクレオチド鎖が2本、相補的な塩基間で水素結合を形成することで、あの有名なDNA鎖の[[w:二重らせん|二重らせん]]構造が形作られるのである。この「相補的な塩基」とは、AとT,CとGの組のことで、それぞれその組の相手としか水素結合を作らない。この'''[[w:相補的塩基対|相補的塩基対]]形成'''は、DNAのコピーを作るうえで重要であるのだが、その詳細は[[#DNAの複製|3章]]で述べる。なお、このときどの塩基対も、らせんの二本鎖が逆平行(鎖の向きが互いに逆向き)になっているときのみ、らせんの内部にうまく収まるようになっている。
 
しかし、これらDNAのすべてが遺伝子であるというわけではない。これが、「DNAは遺伝子の本体である」という回りくどい表現がされる所以である。核内の全DNAを'''[[w:ゲノム|ゲノム]]'''と言い、ヒトでは約30億塩基におよぶ。一方、遺伝子とは'''タンパク質(あるいはRNA)を作るための指令を含んだ部分'''であるのだが、これはわずかに30,000塩基であり、全ゲノムに対して非常に小さな部分に過ぎない。'''[[w:トランスクリプトーム|トランスクリプトーム]]解析'''<ref>トランスクリプトーム解析とは、細胞内のmRNAを[[w:逆転写酵素|]]によって[[w:相補的DNA|]](cDNA)に逆転写し、これを解析するというものである。</ref>の結果、ゲノムの9割以上が転写されていることはわかっている。このことから、ゲノムの大半は非翻訳RNAとして転写され、[[w:miRNA|miRNA]]や[[w:snRNA|snRNA]], [[w:snoRNA核小体低分子RNA|snoRNA]]などの[[w:ノンコーディングRNA|ノンコーディングRNA]]として、DNAやタンパク質の何らかのプロセスを補佐している可能性が示唆されるが、DNAの機能の詳細については、まだ未知の部分が多いというのが現状である。
 
==真核細胞の染色体==