「高等学校物理/物理I/波/音波と振動」の版間の差分

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波のエネルギーについて、総論を追加。
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== ※ 範囲外: エネルギーと波 ==
=== 総論 ===
波のなかには、波そのものがエネルギーを持つものがある。
 
少なくとも光と音と水面波は、波そのものがエネルギーを持っており、そのため、効率の大小はともかく、媒体を通じて、波のあたったものにエネルギーを伝えることができる。
 
たとえば、音は、音のあたった物体をこまかく振動させる。振動にはエネルギーが必要なので、つまり、音がエネルギーを伝えていることが分かる。
 
光も、光の照射された物体をあたためたり、化学反応を促進させたりするので、よってエネルギーを伝えていることが分かる。
 
 
なお、弦の「振動」については、波ではなく振動であるので、いったん考察を除外する。検定教科書でも、バネにつながれた単振動する おもり に運動エネルギーがあることを習うように、振動には当然、エネルギーがある。
 
 
=== 音とエネルギー ===
読者は、きっと、小学校の音楽の授業などで、合唱の声による音の振動によって、タイコの膜が小きざみに震えてたりするのを見たこともあるだろう。
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超音波モータは、電磁波を発生させないという長所がある。医療現場など、電磁波を嫌う場所で、超音波モータは活用されてる。
 
 
:(※ 調査中: )なお、超音波モータのエネルギーを伝わり方についての疑問として、音波の発生源の振動物体と、音波の距離が近すぎるため、はたして波そのものがエネルギーを伝えているのか、それとも、発生源の振動物体の振動エネルギーが接触している物体を経て、目的物体に伝わっているのか、wikibooks編集者が調査中のため、分からない。字面が超音「波」モーターだからといって、波でエネルギーを伝えている原理だろうとは、決め付けてはならないだろう。なので現状では読者は、超音波のエネルギーを伝えている、と早合点してはならない。
 
 
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:ということは、医療現場でわざわざプラスチック系の圧電素子を使っているのには、それなりの理由があるはず。しかし参考書にも、その理由は特に書かれてない。おそらく、MRI(核磁気共鳴診断装置)などとの磁界の都合ですかね?
 
=== 弦の振動とエネルギー ===
弦楽器を考えれば分かるように、弦の振動にもエネルギーがある。
 
ここで重要な事は、たとえば、
:これから弦をはじいて音を出そうするために弦楽器の弦を指でつまんで引っぱっていて、そのまま引っぱったままにして、まだ指でつまんだままで離さずに静止している時には、
:その弦に、位置エネルギー が蓄えられているという事である。
 
そして、弦から指を離せば、(あたかもバネの振動のように、)弦のその位置エネルギーが運動エネルギーに移り変わり、そして、また運動エネルギーが位置エネルギーに変わることで、弦は振動を繰り返すのである。
 
弦の振動エネルギーと位置エネルギーの計算の知識には、大学の高学年レベルの高度な数学(フーリエ解析など)が必要になり、高校レベルを大幅に超えるので、説明を省略する。
 
=== 水面の波とエネルギー ===
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高校2年のレベルでは、もっと簡単な理解で良く、たとえば「太陽の光で水が蒸発したりするのだから、光にも、熱と同様にエネルギーがある」とか考えるくらいでも、良いだろう。
 
 
== (※ 範囲外 : )振動とエネルギー ==
=== 弦の振動とエネルギー ===
弦楽器を考えれば分かるように、弦の振動にもエネルギーがある。
 
ここで重要な事は、たとえば、
:これから弦をはじいて音を出そうするために弦楽器の弦を指でつまんで引っぱっていて、そのまま引っぱったままにして、まだ指でつまんだままで離さずに静止している時には、
:その弦に、位置エネルギー が蓄えられているという事である。
 
そして、弦から指を離せば、(あたかもバネの振動のように、)弦のその位置エネルギーが運動エネルギーに移り変わり、そして、また運動エネルギーが位置エネルギーに変わることで、弦は振動を繰り返すのである。
 
弦の振動エネルギーと位置エネルギーの計算の知識には、大学の高学年レベルの高度な数学(フーリエ解析など)が必要になり、高校レベルを大幅に超えるので、説明を省略する。
 
 
=== 音叉や木琴などの振動 ===
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== (※ 範囲外: )その他の話題 ==
=== 衝撃波のエネルギー ===
[[Image:Schlierenfoto Mach 1-2 Pfeilflügel - NASA.jpg|thumb|right|衝撃波を物理学的手法をつかって可視化した様子]]
衝撃波(しょげきは)は、(飛行機などの)物体が、大気中での音速よりも速い速度で移動したときに、発生する現象のひとつであり、性質は、衝撃波の発生により、(その機体にとっての)空気抵抗が急激に上昇し、騒音が急激に大きくなる、などの性質がある。
 
 
字面こそ、衝撃「波」とあるが、果たして本当に波か、あまり、ハッキリしていない。
 
 
 
:※ 衝撃波の計算には、大学の機械工学の高学年レベルの流体力学の知識が必要になるので、高校生は深入りしないで良い。
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大気中での音速のことを「マッハ」ともいい、つまり、秒速340m/sを「マッハ1」と言う場合もある。(もし、ある機体の速度が約680m/sなら、その機体の速度は約「マッハ2」 である。)
 
 
衝撃波の発生により、(その機体にとっての)空気抵抗が急激に上昇し、騒音が急激に大きくなる。
 
 
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なお、ソニックブームとは、衝撃波が、周辺に音波として伝わっていく現象のことである。
 
 
== (※ 範囲外: )その他の話題 ==
 
 
=== 音による音の打ち消しは可能か? ===
一般に、向きの異なる2つの正弦波が重なったとき、それぞれの正弦波には変位が正の場合もあれば負の場合もあるから、タイミングによっては音が打ち消しあう可能性もありうる、・・・と、科学などでは一般的には考えられている。
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この一方で、音によって音を打ち消す研究なども既に1990年代には製造業などによって行われており、実際に実証実験なども公開されていた。(たとえば1990年代の科学番組の『ビートたけしの万物創世記』で、音によって音を打ち消す機械装置が、テレビ放映された事がある。)
 
合唱による音量増大の事実のいっぽうで、(もしテレビの実証実験がウソをついてなければ)音声打ち消し装置を製造できるという事実もあり、あたかも反する事実どうしの混在する、逆説的な状況が、音の物理学にはある。
 
要するに、音の物理については、まだ、あまり、よく解明されていない事も多い。