「高等学校生物/生物I/環境と動物の反応」の版間の差分

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免疫寛容について追記。胸腺など。
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===== 免疫寛容 =====
免疫は、個体が未熟なときから存在する。成熟の課程で、リンパ球(T細胞)は、いったん多くの種類が作られ、あらゆる抗原に対応するので、自己の細胞も抗原と認識してしまうリンパ球もできる。いったん自分自身に免疫が働かないように、しかし、自己と反応したリンパ球は死んでいくので、個体の成熟の課程で、自己を排除しようとする不適切なリンパ球は取り除かれる。そして最終的に、自己とは反応しないリンパ球のみが、生き残る。
 
こうして、成熟の課程で、自己に対しての免疫が抑制される仕組みを'''免疫寛容'''(めんえき かんよう)という。
 
免疫寛容について、下記のことが分かっている。
 
 
まず、そもそも、T細胞もB細胞も、おおもとの原料となる細胞は、骨髄でつくられる。
 
骨髄で作られた未成熟T細胞は、血流にのって胸腺まで運ばれ、胸腺でT細胞として分化・増殖する。
 
膨大なT細胞が作られる際、いったん、あらゆる抗原に対応できるようにT細胞がつくられるので、作られたT細胞のなかには自己の細胞を抗原として認識してしまうものも存在している。
 
しかし、分化・成熟の過程で、自己を攻撃してしまうT細胞があれば、その(自己を攻撃する)T細胞は胸腺で取り除かれる。
 
このようにして、免疫寛容が達成される。
 
 
==== 免疫の利用 ====