「高等学校理科 生物基礎/細胞とエネルギー」の版間の差分

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ザックスの実験とか、教科書の範囲外なので、いったん除去。入試には類題が出そうであるが。また、光合成速度の話題も生物基礎から除去。呼吸商の話題を除去。
編集の要約なし
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=== 呼吸(異化) ===
:(※ 2015年からの新課程では用語の言い換えがあり、「好気呼吸」→「呼吸」、「嫌気呼吸」→「発酵」「解糖」と言い換え。「好気呼吸」および「嫌気呼吸」の用語は教科書では用いられないことになっている。しかし、古い文献では残っている。本記事は旧課程の生物Iの記事であり、また当分は習う紹介する必要があると判断し、当ページにて「嫌気呼吸」などの表記を記述する。)
 
われわれ人間の呼吸では、おもにグルコース(C<sub>6</sub>H<sub>12</sub>O<sub>6</sub>)などの炭水化物を分解して、生命活動に必要なエネルギーを取り出している。このグルコースの分解反応で酸素が必要なため、人間は呼吸で酸素を取り入れている。呼吸によるグルコースの分解で、グルコースに蓄えられていたエネルギーを取り出しており、さまざまな生態活動のエネルギーになっている。
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好気呼吸は細胞質基質とミトコンドリアで起こる。とくにミトコンドリアを中心に、呼吸によって多くのATPが合成される。
 
* 解糖系
1分子のグルコースが、2分子のピルビン酸(C<sub>3</sub>H<sub>4</sub>O<sub>3</sub>)にまで分解される。この反応は細胞質基質で行われる。酵素を必要としない。ATPを2分子、生成する。反応の途中でATPを2分子消費するが、4分子のATPを生成するので、差し引き2分子のATPを生成する。
 
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グリセルアルデヒドリン酸が、いくつかの反応を経て、ピルビン酸になる。この間の反応で、電子e<sup>-</sup>とプロトンH<sup>+</sup>が生じて、補酵素NADに渡されNADHになる。ここで生じたNADHはミトコンドリアに入り、あとの電子伝達系で利用される。また、ATPが4分子できる。よって、差し引きグルコース1分子につき、2分子ATPが、解糖系で生じる。
 
* クエン酸回路
ピルビン酸が、ミトコンドリア内に入り、ミトコンドリアのマトリックスという内膜にある酵素で、ピルビン酸がコエンザイムA(CoA)と結合してアセチルCoA(活性酢酸)というC2化合物になり、段階的に分解される。二酸化炭素が、ピルビン酸がアセチルCoAになる際に生じる。
アセチルCoA以降の反応図は回路上であって、回路のはじめにクエン酸(citric acid)が生じることから、'''クエン酸回路'''(Citric acid cycle)という。
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コハク酸以外での脱水素反応では、NADが水素を受け取っている。(「NAD」とは「ニコチン アデニン ジヌクレオチド」のことである。)
 
* 電子伝達系(Electron transport chain)
ミトコンドリアの内膜に'''シトクロム'''(cytochrome)というタンパク質がいくつもあり、このシトクロムは電子を受け渡しできる。解糖系やクエン酸回路で生じたNADHやFADH2から、電子e<sup>-</sup>と水素イオンH<sup>+</sup>が分離し、電子はシトクロムに渡される。そしてシトクロムどうしで電子を受け渡す。このとき、H<sup>+</sup>が、いったんマトリックスから膜間にくみ出され、それから水素イオンの濃度勾配に従ってATP合成酵素を通ってマトリックス側に戻る。このH<sup>+</sup>が'''ATP合成酵素'''を通る際のエネルギーを利用して、ADPからATPが生成される。最終的に生成するATPの数は、グルコース1分子あたりATPを最大で34分子を生じる(生物種によって生成数が異なる)。
これらの反応ではNADHなどが酸化される反応が元になってATPを生成しているので、一連の反応を'''酸化的リン酸化'''(oxidative phosphorylation)という。シトクロムのことをチトクロームともいう。
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好気呼吸でのATPの収支は、グルコース1分子あたり解糖系で2分子のATP、クエン酸回路で2分子ATP、電子伝達系で最大34分子ATPであり、合計で最大38分子のATPになる。
 
 
 
 
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