「高等学校生物/生物I/遺伝情報とDNA」の版間の差分

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→‎性染色体: XYY症候群について追記。
→‎性染色体: トリプルエックス症候群
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:このことから、まずYYの組み合わせについては、高校生は、もう考えなくてよくなる。
 
:では、次に「X染色体が女、Y染色体が男」ということの分かった理由も学ぼう。答えは、まれに染色体が2対ではなく3対の子が産まれる場合があり、さらにまれに性染色体が3対でありXXYやXXXやXYYの子が産まれてくる事例がある。XYYのようにY染色体が多いと男性的な特徴がある子が産まれてくることが医学的に分かっている(XYY症候群)。
:いっぽう、XXYの場合の子は、XYと比べると女性的な傾向が比較的に強い(なおこのXXYの人をクラインフェルター症候群という)。
:このほか、XXXの場合、女性的な傾向がある(トリプルエックス症候群。「超女性」ともいう)。XOだと(Oは染色体が無い場合)、女性的である(ターナー症候群)。
 
:説明ではいきなり「XXY」とか「XYY」とか、2文字でなく3文字で染色体を表したが、こういうふうに、主に人間において、染色体が2対でなく3対の場合のことをトリソミーという。「トリ」とは、「トリオ」(三人衆)の「トリ」と同様の意味であり、数字の 3 のことである。普通の減数分裂では、トリソミーが起きないが、しかし、まれにトリソミーが起きる場合がある。(※ 生物学では同様の染色体が2対ではなく3対の事例を「三倍体」ともいうが、しかし、どちらかと言うと農作物とかの食料資源で「三倍体」と言う言い回しを使うので、wikibooksでは患者の尊厳に配慮して「トリソミー」という用語を使用した。) なお、トリソミーや三倍体は、性染色体だけでなく常染色体でも起きる場合がある。
:いっぽう、XOのような、ある染色体が1本だけで対にならないの場合、モノソミーという。音響機器などの「モノラル」のモノと同じような意味で、「モノ」は「1個」とかの意味である。
 
:このように、一般的にヒトの場合、どの性染色体異常でもX染色体の数が多ければ、そのぶん女性的な特徴をもつ。同様に、Yが多ければ、そのぶん男性的な特徴を持つ。ヒトの場合、Y染色体を一つでも性染色体に持つと、男になり、男性器および精巣をもつのが一般的である。(※ これらの話題は大学レベルであり、医療系学部のレベルなので、高校の時点では暗記は不要である。)