「高等学校生物/生物II/遺伝情報の発現」の版間の差分

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→‎真核生物と転写調節: 未記述の節に「※ 未記述」と追記。
逆転写酵素について、従来の書き方だと遺伝病だと誤解される恐れがあるので、説明を更新。また、逆転写酵素の節をコラム送りにした。検定教科書でもコラム扱いなので。
330 行
 
 
* セントラルドグマ
遺伝情報は、原則としてDNA→RNA→アミノ酸→タンパク質というふうに一方向に写されていき、その逆方向は無い。この原則を'''セントラルドグマ'''(英: central dogma)という。
 
 
*逆転写酵素
 
 
*{{コラム|逆転写酵素|
:※ 検定教科書でも、この話題はコラム扱い。
 
セントラルドグマの例外的な存在として、ウイルスによってはRNAを遺伝物質として持つものがいて、このようなウイルスをRNAウイルスという。
また、RNAを鋳型としてDNAを合成することを'''逆転写'''といい、そのような働きの酵素を逆転写酵素という。
 
エイズの原因であるHIVウイルスも、逆転写酵素を持って逆転写を行うので、RNAウイルスである。
 
:(※ 範囲外 :)ただし、エイズ患者でエイズが子供に遺伝するわけではない。(遺伝情報の)セントラルドグマの例外というのは、あくまでも「ウイルスがRNAを遺伝情報にもつ」などの事を言ってるのであろう。
 
なお、逆転写を行うウイルスで、逆転者酵素を持っているウイルスのことをレトロウイルスという。
343 ⟶ 350行目:
エイズの治療薬は、この逆転写などを阻害することで、HIVウイルスの増殖を抑えるものである。<ref>本川達夫ほか『生物』啓林館、平成24年検定、p.89</ref> 現在の科学力ではエイズを完治することはできない。
エイズの治療薬は、逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)阻害剤、インテグラーゼ阻害剤の3種類を組み合わせている。(※高校の範囲内)<ref>北川薫ほか『高等学校保健体育』第一学習社、平成24年検定、p.31</ref> <ref>鈴木考仁ほか『チャート式シリーズ 新生物 生物基礎・生物』数研出版、平成26年発行、p.326</ref>
 
:※ HIVウイルス以外からもレトロウイルスや逆転写酵素は見つかっているが、しかし具体的にどんなウイルスがあるかと言うと、高校の範囲外になって、大学レベルの専門的な話題になるので、説明を省略する。検定教科書でも、HIVウイルス以外の具体例は説明せず、説明をボカしている。
 
なお、現代ではウイルス以外の真核生物からも、RNAの遺伝情報をもとにDNAをつくる酵素が発見されている(※ 東京書籍の検定教科書で報告されている。東京書籍の教科書では、その酵素も「逆転写酵素」と呼んでいる)。
 
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==== 真核生物でのタンパク質合成 ====