「有機化学/カルボン酸」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
8 行
==カルボン酸の性質==
カルボン酸はカルボキシル基を持っており酸性である。カルボン酸は最も小さな炭素一つのギ酸から、炭素16個のパルミチン酸など大きさが様々であるが、置換基を持たないカルボン酸は分子量が大きくなるにつれ、水素イオンの解離が減ってくる。つまり、酸としての強さが減るのである。これがどういった理由によるのかというと、カルボキシル基の電子密度が高いか低いかによって決まる。アルキル基は電子供与性基であり、これが結合している原子や置換基は電子がアルキル基から押し付けられるので(押し付けられるというのは比喩表現であって、原子を周回する電子の個数が増えるというわけではない。)、電子の密度が高くなる。そうすると、カルボキシル基の酸素の電子密度が高くなるため、水素との間の結合が堅牢になる。結果、水素はカルボキシル基から離れにくくなり、酸性度が低下する。アルキル基を構成する炭素の数が多いほどこの傾向は顕著である。
 
逆に、カルボン酸のカルボキシル基に隣接する炭素に電子求引性基が結合していた場合、酸性度は強くなる。例えば、クロロ酢酸(CH<sub>2</sub>Cl-COOH)は酢酸よりも強い。電子求引性基の数が増えればさらに酸性度は強くなる。
 
==カルボン酸の生成==
25 ⟶ 27行目:
 
このR以外の部分をカルボキシル基といい、簡単に-COOHと表す。
 
==カルボン酸の反応==
*三ハロゲン化リンと反応してハロゲン化アシルとなる。
*強力な還元剤(水素化リチウムアルミニウム等)と反応してアルコールになる。
*アルコールと酸触媒下で反応してエステルを作る。
*アンモニアないしアミンと反応してアミドとなる。
*アルカリ金属と反応してカルボン酸塩を作る。苛性ソーダとカルボン酸の塩はせっけんとしてよく知られる。
*硫酸によって脱水し、カルボン酸無水物となる。
 
カルボン酸の反応はその酸としての側面とカルボニル化合物としての側面によって起きる。カルボニル化合物としての反応はケトンの章が詳しいが、アルデヒド等とアルドール縮合なども起こしうるということを付け加えておこう。