「高等学校生物/生物I/環境と動物の反応」の版間の差分

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→‎様々な効果器: ミオシンはATP分解酵素を持っている。
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ミオシンはATP分解酵素を持っており、運動のためにATPを分解してADPにする。筋肉は、このATPのエネルギーを利用して、力を出している。
 
なお、一般に、ミオシンのような運動を発生させるタンパク質のことを「モータータンパク質」という。
 
(※ 専門『生物』の範囲外)余談だが、筋肉組織だけでなく、微小管上を移動するキネシンとダイニンもモータータンパク質であることが知られている。なお、キネシンとダイニンもそれぞれATPを分解する部位を持つ。(※ 一部の教科書で紹介。)
 
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[[File:1006 Sliding Filament Model of Muscle Contraction.jpg|thumb|512px|]]
筋収縮では、ミオシンフィラメントの間にアクチンフィラメントが滑り込む。この説を'''滑り説'''(すべりせつ、sliding filament model)という。
 
比喩として、よくアクチンが鉄道などのレールにたとえられ、ミオシンのほうがレールの上を移動する何らかの移動体などに(ミオシンが)例えられる(啓林館の教科書にもある比喩)。
 
 
なお、余談だが、植物の原形質流動でも、ミオシンとアクチンとの何らかの相互作用が起きている、と考えられている(※ 参考文献: 第一学習社の専門『生物』)。また、アメーバの運動は、アクチンによるものである(※ 参考文献: 数研出版の専門『生物』)。
 
 
筋原繊維は、筋小胞体に囲まれている。
 
神経の刺激によって活動電位が発生したさい、筋小胞体からCa<sup>2+</sup>が放出される。
このCa<sup>2+</sup>がの作用で、アクチンフィラメントにある'''トロポニン'''と結合し、アクチンフィラメントに付着している'''トロポミオシン'''の構造が変化することで、トロポミオシンによってさえぎられていたアクチンのミオシン結合部位が露出し、アクチンフィラメントがミオシンと作用できるようになり、よって筋収縮が起きる。こうしてサルコメアが収縮することで、筋収縮が起きている。
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==== その他の効果器 ====
<ref name="koukaki">吉里勝利ほか『スクエア 最新図説生物』第一学習社、2004年1月10日発行、p.141</ref>
* 発電器官
[[w:シビレエイ|シビレエイ]]や[[w:デンキウナギ|デンキウナギ]]などが発電器官をもつ生物には'''発電器官'''がある。
発電器官は筋肉が変化した発電板()が多数重なってできている。
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シビレエイは50~60V、デンキウナギは800Vの起電力が測定される。
 
* 発光器官
ホタルは腹部に'''発光器官'''を持つ。
発光器官をもつ生物には、[[w:ホタル|ホタル]]、[[w:ホタルイカ|ホタルイカ]]、[[w:オキアミ|オキアミ]]などが挙げられる。
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遺伝子組み換えについては、ルシフェラーゼをつくる遺伝子を目的の細胞に導入しておくと、ルシフェラーゼの導入された植物は、暗闇で光り輝くので、融合が成功したかどうかを確かめることができる。ルシフェラーゼ遺伝子のように、細胞融合が成功したかどうかを確かめるための遺伝子をマーカーという。
 
* 色素胞と体色変化
動物の体色が変化する現象を'''体色変化'''()と呼ぶ。
体色変化する生物には、[[w:ヒラメ|ヒラメ]]や[[w:カメレオン|カメレオン]]などが挙げられる。