「高等学校理科 生物基礎/免疫」の版間の差分

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高等学校生物/生物I/生物の体内環境の維持』 2018年12月21日 (金) 02:44‎ から免疫について引用。
 
プロスタグランジンとか、どう考えても生物基礎の範囲外なので、除去。
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フィブリンが血球と絡み合って血餅(けっぺい, clot)となり止血する。
 
* 炎症
生体が傷ついたときにおこる、赤く腫れる(はれる)症状を炎症(えんしょう、inflammation)と呼ぶ。炎症は自然免疫の一つであり、白血球が異物を除去している。
 
まず、赤く腫れる原因は、ヒスタミン(histamine)や'''プロスタグランジン'''(prostaglandin、略称:PG)といった警報物質による。(※プロスタグランジンは高校範囲内。数研出版『生物基礎』平成26年発行、P.128 で記述を確認。) なお、プロスタグランジンは脂肪酸から作られる生理活性物質の一つであり、その動物の体の組織・器官などに作用を及ぼす。
 
:※ なお、ひとまとめに「プロスタグランジン」と言ったが、じつは何種類もある。「プロスタグランジンD2」とか「プロスタグランジンE2」とか「プロスタグランジンF2」など、いくつもの種類がある。種類によって、作用対象の器官・組織も違い、作用の内容も違ってくる。なので、プロスタグランジンの全部の種類をまとめて呼びたい場合、専門書などでは「プロスタグランジン類」などのように、語尾に「類」をつけて呼ぶ場合もある。
:: ※ 高校の範囲外。プロスタグランジンの種類や、種類ごとの作用については、高校理科の範囲外なのは確実なので、普通科高校の高校生は覚えなくて良い。
 
ヒスタミンやプロスタグランジンなど、これらの警報物質によって、血管が拡張するので、肌が赤く見えるようになる。また警報物質により、毛細血管の透過性が高くなり、水分が血管外に出るので腫れる。
 
血管から組織にしみでた血液とともに、血液中の白血球もしみでる。そして、しみでた白血球が異物を認識して除去することで、自然免疫が働く。
 
炎症の症状としては、発熱・発赤・はれ・痛みなどがある。
 
炎症の際、神経がプロスタグランジンなどによって刺激されるので、痛みが生じる。この痛みによって、私たちは体の異常を感知できる。
 
また、炎症によって体温が上がるので、雑菌の繁殖が抑えられ、さらに白血球などが活性化する。
 
* 参考: 鎮痛剤の「アスピリン」 (※ 化学!、化学II で、アスピリンとその鎮痛作用を扱う。下記の説明は高校範囲外。)
鎮痛剤の「アスピリン」(主成分:アセチルサリチル酸。「アスピリン」は商品名)という医薬品は、このプロスタグランジンの合成を阻害することで、鎮痛作用を及ぼすという仕組みであることが、すでに分かっている。プロスタグランジンを合成する酵素のシクロオキシゲナーゼ(略称:COX)の働きを、アスピリンが阻害することで、プロスタグランジンの合成が阻害されるという仕組みである。そして、プロスタグランジンには、いくつもの種類があるので、種類によっては、痛みの機能以外にも、胃液の分泌調整や、睡眠の調整などの様々な機能を持っている。
 
なので、プロスタグランジンの阻害をする薬では、胃液の分泌異常などの副作用が起きる場合がある。
 
 
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免疫グロブリンは、血液などの体液中に含まれている。
 
体液性免疫は、リンパ球の一部であるB細胞が、'''免疫グロブリン'''といわれる'''抗体'''(こうたい、antibody)を作り、(体液性免疫を)行う。抗体は'''免疫グロブリン'''(immunoglobulin、Igと略記)というタンパク質で構成されている。
 
(※ T細胞は抗体を作らない。教科書では、いちいち紹介されないが、センター試験で選択肢が出た。2017年の生物基礎の本試験。)
 
いっぽう、病原体などの異物に対して抗体が作られた時、その異物を'''抗原'''(こうげん、antigen)と呼ぶ。