「解析学基礎/常微分方程式」の版間の差分

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-y_0\sqrt{\frac{k}{m}}\sin(\sqrt{\frac{k}{m}}x)+v_0\cos(\sqrt{\frac{k}{m}}x) \end{pmatrix}</math>
と求められた。これがばねによって振動する物体の時刻''x''における変位と速度である。
 
== 常微分方程式の初期値問題の解の存在と一意性 ==
前節まででみたように、いくつかの微分方程式については積分計算によって解を具体的に求めることができるが、一方でそのような求積法の存在しない常微分方程式も多い。だが、そのような方程式についても、ある条件を満たせば解の存在や一意性が保証されることがある。ここではそのような例を見ていこう。
 
もし解の存在や一意性が保証されるならば、簡単に求積できない微分方程式でも少しは調べやすくなる。一意性が保証されるということは、まぐれやあてずっぽうであっても解をひとつみつけさえすれば、解けたのと同じになるからだ。また、ここで扱う存在と一意性に関する定理は、その解を(ある関数列の極限として)具体的に構成する方法を含んでおり、その意味であてずっぽうではなく解を見つける方法を提供してくれてもいるのである。
 
本節では、独立変数''x''の関数''y''についての1階常微分方程式
:<math>y'=f(x,y) ,\ y(x_0)=y_0</math>…(*)
について考える。関数''y''が(*)を満たすことは、
:<math>y(x)=y_0+\int_{x_0}^x f(t,y(t)) dt</math>…(*)'
を満たすことと同値であることも注意しておく。2変数関数<math>f(x,y)</math>に対していくつかの仮定を課したときに、この方程式の解がどのように構成されるかを見ていく。
 
=== 冪級数による解法 ===
本節では、''f''が次の仮定(H1)を満たすとする。
 
:(H1) <math>f(x,y)</math>は点<math>(x_0,y_0)</math>の近傍で解析的(すなわち冪級数展開可能)であり、<math>f(x,y)=\sum_{j,l=0}^\infty f_{j,l} (x-x_0)^j (y-y_0)^l</math>と表される。
 
このとき、次が成り立つ。
 
'''定理5.1.1''' <math>f(x,y)</math>が仮定(H1)を満たすとき、(*)を満たす<math>x=x_0</math>の近傍で解析的な関数''y''がただひとつ存在する。
 
これを証明したい。ただ、冪級数の中心が一般の形だと計算が煩雑になるので、ここでは次の形の定理を証明することにする。
 
'''定理5.1.1'''' <math>f(x,y)</math>が原点の近傍で解析的であり、<math>f(x,y)=\sum_{j,l=0}^\infty f_{j,l} x^j y^l</math>と表されるとき、常微分方程式
:<math>y'=f(x,y) ,\ y(0)=0</math>…(☆)
を満たす<math>x=0</math>の近傍で解析的な関数''y''がただひとつ存在する。
 
いくつかの補題に分けて証明しよう。
 
'''補題5.1.2''' 冪級数<math>y=\sum_{j=0}^\infty y_j x^j</math>であって(☆)を満たすものがあるならば、その係数<math>y_j</math>は一意に定まる。
 
(証明)
<math>y_0=0</math>である。<math>j \ge 1</math>のときは<math>y=\sum_{j=0}^\infty y_j x^j</math>を(☆)に代入すると、
:<math>(lhs)=y_1 +2y_2 x+3y_3 x^2+\cdots</math>
:<math>\begin{align}(rhs)
&=f_{0,0}+f_{0,1}(y_1 x+y_2 x^2+\cdots)+f_{0,2}(y_1 x+y_2 x^2+\cdots)^2+f_{1,0} x+f_{1,1} x(y_1 x+y_2 x^2+\cdots)+f_{2,0} x^2+\cdots \\
&=f_{0,0}+(f_{0,1} y_1+f_{1,0}) x+ (f_{0,1}y_2+f_{0,2}y_1^2+f_{1,1}y_1+f_{2,0}) x^2+\cdots \\
\end{align}</math>
であり、次数の低い方から係数を比較することで、係数<math>y_j</math>が順に決まっていくことがわかる。//
 
'''補題5.1.3''' <math>f(x,y)</math>の冪級数展開の優級数<math>F(x,y)</math>があるとき、常微分方程式
:<math>y'=F(x,y) ,\ y(0)=0</math>…(☆)'
の冪級数解は、補題5.1.2で定まる(☆)の冪級数解の優級数である。
 
(証明)
<math>f(x,y)=\sum_{j,l=0}^\infty f_{j,l} x^j y^l,F(x,y)=\sum_{j,l=0}^\infty F_{j,l} x^j y^l</math>とし、(☆)の解を<math>y=\sum_{j=0}^\infty y_j x^j</math>、(☆)'の解を<math>Y=\sum_{j=0}^\infty Y_j x^j</math>とする。
ただし、<math>y,Y</math>の冪級数表示は現時点では収束性については何も分かっていない、形式的冪級数である。すべての''j'',''l''について<math>|f_{j,l}| \le |F_{j,l}|</math>が成り立つならばすべての''j''について<math>|y_j| \le |Y_j|</math>であることを数学的帰納法で証明する。<math>y_0=Y_0=0,y_1=f_{0,0},Y_1=F_{0,0}</math>なので、<math>j=0,1</math>のときは成り立つ。
<math>j \le m</math>なるすべての''j''で成り立つと仮定する。補題5.1.2の証明から、<math>y_m</math>は<math>f_{j,l} (j+l \le m-1),y_{j} (j \le m-1)</math>に関する多項式の値であり、その係数は非負である。<math>Y_m</math>も同様に、同じ非負係数多項式に<math>F_{j,l} (j+l \le m-1),Y_{j} (j \le m-1)</math>を代入した値である。よって、帰納法の仮定より、<math>|y_m| \le |Y_m|</math>が成り立つ。よって、すべての自然数''j''について<math>|y_j| \le |Y_j|</math>が成り立つ。//
 
'''補題5.1.4''' <math>f(x,y)</math>が原点の近傍<math>|x| \le r,|y| \le \rho</math>において<math>|f(x,y)| \le M</math>を満たすとき、<math>\sum_{j,l=0}^\infty \frac{M}{r^j \rho^l} x^j y^l</math>は<math>f(x,y)</math>の冪級数展開の優級数である。
 
(証明)
<math>|f_{j,l}| \le \frac{M}{r^j \rho^l}</math>を示せばよい。<math>f(x,y)</math>の定義域を複素変数に拡張して[[w:コーシーの積分公式]]を用いると、<math>|x|<r,|y|<\rho</math>のとき
<math>f(x,y)=\int_{|\zeta|=r} \frac{d\zeta}{2i\pi}\int_{|\xi|=\rho} \frac{d\xi}{2i\pi} \frac{f(\zeta,\xi)}{(\zeta-x)(\xi-y)}=-\frac{1}{4\pi^2}\int_{|\zeta|=r} d\zeta \int_{|\xi=\rho} d\xi f(\zeta,\xi)\left(\sum_{j=0}^\infty \frac{x^j}{\zeta^{j+1}}\right)\left(\sum_{l=0}^\infty \frac{y^l}{\xi^{l+1}}\right)=-\sum_{j,l=0}^\infty \frac{1}{4\pi^2} \int_{|\zeta|=r} d\zeta \int_{|\xi|=\rho} d\xi \frac{f(\zeta,\xi)}{\zeta^{j+1}\xi^{l+1}} x^j y^l</math>であるから、<math>|f_{j,l}| \le \frac{1}{4\pi^2} \int_{|\zeta|=r} d\zeta \int_{|\xi|=\rho} d\xi \frac{|f(\zeta,\xi)|}{|\zeta|^{j+1}|\xi|^{l+1}} \le \frac{M}{r^j \rho^l}</math>である。//
 
'''補題5.1.5''' 補題5.1.3の微分方程式で<math>F(x,y)=\sum_{j,l=0}^\infty \frac{M}{r^j \rho^l} x^j y^l</math>としたものの解は、<math>x=0</math>の近傍で解析的な関数であり、収束する冪級数で表される。
 
(証明)
:<math>y'=\sum_{j,l=0}^\infty \frac{M}{r^j \rho^l} x^j y^l=\frac{M}{\left(1-\frac{x}{r}\right)\left(1-\frac{y}{\rho}\right)}</math>
は変数分離形なので解を求めることができて、
:<math>\left(1-\frac{y}{\rho}\right)dy=\frac{M}{\left(1-\frac{x}{r}\right)}dx</math>
:<math>-\frac{\rho}{2}\left(1-\frac{y}{\rho}\right)^2=-Mr\log\left(1-\frac{x}{r}\right)+C</math>
であり、<math>y(0)=0</math>より<math>C=-\frac{\rho}{2}</math>であることに注意して整理すると、
:<math>y=\rho-\sqrt{\rho\left(\rho+2Mr\log\left(1-\frac{x}{r}\right)\right)}</math>
である。これは確かに<math>|x| < r(1-e^{-\frac{\rho}{2Mr}})</math>で解析的な関数である。//
 
(定理5.1.1’の証明)
補題5.1.3,5.1.4,5.1.5より、補題5.1.2の冪級数は収束する優級数をもち、したがって自身も収束する。よって、この冪級数の極限として、解が一意的に存在することがわかる。//
 
=== ピカールの逐次近似法 ===
本節では、''f''が次の仮定(H2)を満たすとする。
 
:(H2) <math>f(x,y)</math>は点<math>(x_0,y_0)</math>の近傍<math>D=\{|x-x_0| \le r,|y-y_0| \le \rho\}</math>でリプシッツ連続である、すなわちある''K''に対して<math>|f(x_1,y_1)-f(x_2,y_2)| \le K \sqrt{(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2}</math>が成り立つ。
 
このとき、解は次のようにして構成される。
 
'''定義5.2.1''' <math>f(x,y)</math>が仮定(H2)を満たすとき、漸化式<math>y_{j+1}(x)=y_0+\int_{x_0}^x f(t,y_j(t)) dx,\ y_0(x)=y_0</math>で定まる関数列<math>y_j</math>を'''ピカールの逐次近似列'''という。
 
'''定理5.2.2''' <math>f(x,y)</math>が仮定(H2)を満たすとき、<math>M=\max_{(x,y) \in D} |f(x,y)|,\delta=\min\left\{\frac{\rho}{M},r\right\}</math>とする。閉区間<math>[x_0-\delta,x_0+\delta]</math>において(*)を満たす関数''y''がただひとつ存在し、それはピカールの逐次近似列<math>y_j</math>の<math>j \to \infty</math>における極限として定義される。
 
これをいくつかの補題に分けて証明しよう。
 
'''補題5.2.3''' <math>x_0-\delta \le x \le x_0+\delta</math>のとき、<math>\left|\int_{x_0}^x f(t,y(t)) dt\right| \le M|x-x_0| \le \rho</math>である。
 
(証明)
<math>\left|\int_{x_0}^x f(t,y(t)) dt\right| \le M|x-x_0| \le M\delta \le \rho</math>//
 
補題5.2.3を帰納的に用いることで、任意の''j''について<math>y_j</math>の値域が<math>|y-y_0| \le \rho</math>に含まれ、したがって関数列<math>y_j</math>がwell-definedであることが従う。
 
次に、解の一意性を先に示しておこう。
 
'''補題5.2.4''' <math>f(x,y)</math>が仮定(H2)を満たすとき、閉区間<math>[x_0-\delta,x_0+\delta]</math>において(*)を満たす関数はただ一つである。
 
(証明)
<math>y(x),\tilde{y}(x)</math>がともに(*)'を満たすとすると、''f''がリプシッツ連続であることから
:<math>|y(x)-\tilde{y}(x)|=\left|\int_{x_0}^x f(t,y(t))-f(t,\tilde{y}(t))dt\right| \le \left|\int_{x_0}^x |f(t,y(t))-f(t,\tilde{y}(t))|dt\right| \le K\left|\int_{x_0}^x |y(t)-\tilde{y}(t)| dt\right|</math>
である。一方、補題5.2.3より、
:<math>|y(x)-\tilde{y}(x)| \le |y(x)-y_0|+|\tilde{y}(x)-y_0|=\left|\int_{x_0}^x f(t,y(t)) dt\right|+\left|\int_{x_0}^x f(t,\tilde{y}(t)) dt\right| \le 2\rho</math>
なので、
:<math>|y(x)-\tilde{y}(x)| \le 2\rho K|x-x_0|</math>
であり、よって
:<math>|y(x)-\tilde{y}(x)| \le \left|\int_{x_0}^x 2\rho K|t-x_0| dt\right|=2\rho \frac{(K|x-x_0|)^2}{2}</math>
である。同様に繰り返すことで、任意の自然数''l''に対して
:<math>|y(x)-\tilde{y}(x)| \le 2\rho \frac{(K|x-x_0|)^l}{l!} \le 2\rho \frac{(K\delta)^l}{l!}</math>
であることがわかるが、<math>\lim_{l \to \infty} \frac{(K\delta)^l}{l!}=0</math>なので、<math>y(x)=\tilde{y}(x)</math>である。//
 
'''補題5.2.6''' 関数列<math>y_j</math>は一様収束する。
 
(証明)
補題5.2.3と''f''がリプシッツ連続であることより、
:<math>|y_1(x)-y_0| \le M|x-x_0|</math>
:<math>|y_2(x)-y_1(x)| \le\left|\int_{x_0}^x |f(t,y_1(t))-f(t,y_0(t))| dt\right| \le K\left|\int_{x_0}^x |y_1(t)-y_0(t)| dt\right| \le K\int_{x_0}^x M|t-x_0| dt \le KM\frac{|x-x_0|^2}{2}</math>
以下同様に繰り返して、
:<math>|y_j(x)-y_{j-1}(x)| \le \frac{M}{K}\frac{(K|x-x_0|)^l}{l!} \le \frac{M}{K}\frac{(K\delta)^l}{l!}</math>
である。よって、<math>j<l</math>のとき
:<math>|y_j(x)-y_l(x)| \le \sum_{i=j+1}^l \frac{M}{K}\frac{(K\delta)^i}{i!}</math>
であるが、右辺は<math>j \to \infty</math>において0に収束するので、<math>y_j</math>は一様収束する。//
 
以上で定理5.2.2を示す準備は整った。
 
(定理5.2.2の証明)
<math>y_j</math>が一様収束することに注意して<math>y_{j+1}(x)=y_0+\int_{x_0}^x f(t,y_j(t)) dx</math>の両辺の<math>j \to \infty</math>における極限を考えると、
:<math>\lim_{j \to \infty}y_j(x)=y_0+\int_{x_0}^x f(t,\lim_{j \to \infty}y_j(t)) dx</math>
である。これは<math>\lim_{j \to \infty}y_j(x)</math>が(*)'の解であることを示している。
 
=== コーシーの折れ線とペアノの定理 ===
本節では、''f''が次の仮定(H3)を満たすとする。
 
:(H3) <math>f(x,y)</math>は点<math>(x_0,y_0)</math>の近傍<math>D=\{|x-x_0| \le r,|y-y_0| \le \rho\}</math>で連続である。
 
このとき、解は次のようにして構成される。
 
'''定義5.3.1''' 自然数''j''に対し、<math>x_0-r \le x \le x_0+r</math>における関数<math>y_j</math>を次のように定める。まず、<math>y_j(x_0)=y_0</math>とする。次に、非負整数''i''に対して<math>x_i=x_0+\frac{ir}{j}</math>と定め、<math>x_i< x \le x_{i+1}</math>のときには
:<math>y_j(x)=y_0+\frac{r}{j}\sum_{d=0}^{i-1}f(x_d,y_j(x_d))+(x-x_i)f(x_i,y_j(x_i))</math>…(#)
とする。<math>x<0</math>についても同様にする。このようにして定まる関数<math>y_j</math>のグラフは連続な折れ線になり、これを'''コーシーの折れ線'''という。
 
前節までに見た「解析的」や「リプシッツ連続」と比べ、「連続」はとても弱い仮定であり、より多くの関数が満たしている。だがその分本節では解の一意性は失われ、存在しか示すことができない。すなわち、次が成り立つのみである。
 
'''定理5.3.2''' コーシーの折れ線<math>y_j</math>は一様収束する部分列<math>y_{j_l}</math>を持ち、<math>\lim_{l \to \infty} y_{j_l}</math>は方程式(*)の解である。
 
まず、次の補題を示す。
 
'''補題5.3.3''' <math>M=\max_{(x,y) \in D} |f(x,y)|,\delta=\min\left\{\frac{\rho}{M},r\right\}</math>とする。関数列<math>y_j</math>は<math>x_0-\delta \le x \le x_0+\delta</math>において一様有界かつ同程度連続である。
 
(証明)
定義より
:<math>|y_j(x_1)-y_j(x_2)| \le M|x_1-x_2|</math>
なので、同程度連続である。また、この式で<math>x_2=0</math>とすると
:<math>|y_j(x)| \le |y_0|+M\delta \le |y_0|+\rho</math>
なので、一様有界である。//
 
補題5.3.3と[[w:アスコリ=アルツェラの定理]]により、<math>y_j</math>が一様収束する部分列を持つことがわかるので、あとはこの部分列の極限が解になっていることを示せばよい。
 
(定理5.3.2の証明)
<math>y(x)=\lim_{l \to \infty} y_{j_l}</math>が(*)'の解になっていることを示したい。(*)と(#)を辺々引いた式
:<math>y(x)-y_{j,l}(x)+\sum_{d=0}^{i-1} \int_{x_d}^{x_{d+1}} (f(x,y(x))-f(x_d,y_j(x_d))) dx+\int_{t_i}^t(f(x,y(x))-f(x_i,y_j(x_i))) dx=0</math>
が成り立つことを示せばよい。左辺を<math>A_{j_l}</math>とする。<math>A_{j_l}=0</math>を示したい。まず、任意の<math>\varepsilon>0</math>に対してある''N''が存在して、<math>l>N</math>ならば<math>|y(x)-y_{j_l}(x)|<\varepsilon</math>である。次に有界閉集合''D''上の連続関数''f''は一様連続なので、任意の<math>\varepsilon'>0</math>に対して、<math>|x_1-x_2|+|y_1-y_2|<\delta'</math>ならば<math>|f(x_1,y_1)-f(x_2,y_2)|<\varepsilon'</math>となるように、<math>\delta'>0</math>をとることができる。この<math>\delta</math>に対して<math>\varepsilon<\frac{\delta'}{2}</math>を満たすように<math>\varepsilon>0</math>をとり、この<math>\varepsilon</math>に対して<math>|y(x)-y_{j_l}(x)|<\varepsilon</math>かつ<math>(M+1)\frac{r}{j_l}<\frac{\delta'}{2}</math>を満たすように''l''をとれば、<math>x_d< x \le x_{d+1}</math>のときには
:<math>|x-x_d|+|y(x)-y_{j_l}(x_d)| \le |x-x_d|+|y(x)-y_{j_l}(x)|+|y_{j_l}(x)-y_{j_l}(x_d)| \le \frac{r}{j_l}+\varepsilon+M\frac{r}{j_l}<\delta'</math>
なので、<math>|f(x,y(x))-f(x_d,y_j(x_d))|<\varepsilon'</math>である。よって、
:<math>|A_{j_l}| < \varepsilon+(i+1)\int_{x_d}^{x_{d+1}} \varepsilon'=\varepsilon+\frac{(i+1)r\varepsilon'}{j_l}</math>
である。<math>\varepsilon,\varepsilon'</math>は任意なので、<math>A_{j_l}=0</math>である。
 
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