「中学校技術/マルチメディア関係の技術」の版間の差分

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== アニメーションの原理 ==
そもそもテレビなどで見られる動居ているように見える映像の原理は、静止画像を瞬時に切り替えて、動いているように見せているだけである。
:※ 美術の内容だが、アニメは何かと大掛かりになるので、原理の理解が必要である。ビデオ編集ソフトの知識だけでは、ろくなアニメは作れない。(もし、ビデオ編集ソフトの知識だけで面白いアニメが作れるなら、いまごろ中国・韓国・東南アジア諸国あたりが世界のテレビアニメ産業の発注元になってるだろう。現実は日米がテレビアニメの発注元の多くを占める。)
 
絵が動いているようにみえる「アニメ」も、絵を瞬時にきりかれているだけである。
 
詳しくは美術で説明している。(『[[中学校美術/美術1#アニメーションの原理]]』で詳しく説明した。)
テレビなどで見られる動画の原理は、テレビの映像を瞬時に切り替えて、動いているように見せているだけである。
 
 
「動画」(どうが)とは、文字通り、ビデオ映像のように、画像が動いている映像である。
 
 
動画のうち、瞬時に切り替えた絵を何枚も写して、絵が動いているように見せる作品をアニメーションという。
 
いわゆる「アニメ」とは、このアニメーションの手法で作られた動画作品のことである。
 
たいていの場合、小説のようなフィクションの作品の物語を映像化する場合の手法の一つとしてアニメが用いられる。
 
 
なお、テレビ番組などで放映されるアニメ作品なみの質のアニメを作るためには、とても多くの資金と時間と人手がかかり、とてもじゃないが、中学生には制作できない。
 
 
商品アニメでなく、数秒程度の練習用のアニメですら、一般の中学生・高校生には、とても負担が大きく制作は無理である。なので、実習などでアニメを作ろうとするのは、一般の中学生・高校生は、あきらめたほうが良い。
 
[[File:Linnet kineograph 1886.jpg|thumb|right|パラパラ漫画の説明画]]
どうしてもアニメーションを制作したいなら、いわゆる「パラパラ漫画」に留めておこう。なお、たとえ数枚程度のパラパラ漫画でも、かなり手間が掛かる。
 
 
* 命(アニマ)を書くからアニメーション
アニメーションの中でも、生き物を書くのが、とても難しい。
そもそも「アニメーション」の語源は「アニマ(生命)を与える」という意味である。
 
また、単に自然物の動きを見ていても、得られる感想は、せいぜい理科の教科書とかビデオ教材などを見ても得られる感想と変わらない。
 
生き物以外の自然物を描くだけなら、もはや現代ではコンピューターなどでも代用できる。
もっとも人間そっくりの形や動きも、おおよその形や動きなら、現代ではコンピューターなどで再現できる。ただし、現在では、まだ、コンピューターによる人間を真似た形や動きの表現には、まだ不自然さが残る。
 
このため、実写の映画やテレビ番組などを制作するときは、俳優役の人間に演技をしてもらって、それをビデオカメラなどの撮影機器で撮影している。
 
 
手描きのアニメーション、つまり、いわゆる「アニメ作品」の場合、たとえば1秒間に3枚の絵を切り替えている。描く枚数のぶんだけ、描き手の作業の負担が大きくなるので、あまり増やすわけにもいかず、そのため、多くの商業アニメ作品では1秒あたり3枚ていどの動画枚数になっている。
 
(なお、CGアニメでは1秒あたり30枚程度。)
 
このため手描きアニメでは作画の枚数がとても多くなるため、あまり細かい箇所まで描きこめない。このため、大まかに形を書く能力が描き手に必要である。
 
そのため、動画の本体の制作の前に、あらかじめ、どの程度の書き込みをするかを決めておく。
 
 
一般の中学・高校生の美術の授業での実習としてなら、1枚あたりの作画の時間は、せいぜい3分~5分ていどの数分でかけるような描きこみにしておこう。
 
 
* 打ち合わせ
[[ファイル:Mostra story 12.jpg|thumb|(おそらくプロの映像作家の)絵コンテの例。中学生のパラパラ漫画では、ここまで描きこまなくても良いだろう。]]
もし美術の授業で、(数秒程度の)アニメ作品を作る場合は、たとえ数秒程度の動画でも、アニメは作画枚数がとても多いので、作品を作る前に、絵コンテなどで全体の構想をまとめて、教員などに報告する必要があるだろう。
 
 
(絵描きに限らず、大人が会社などで仕事をする場合には、新しい仕事に取り掛かるよりも先に、まず、上司に、その仕事を提案し、上司から許可をもらうのが一般である。仕事には長い時間と資金が必要なので、作業にとりかかるよりも前に、まず許可を取る必要がある。)
 
 
中学生に必要な程度のアニメの絵コンテの書き方は、まず、なるべく動きが分かるように描く。たとえ読者が解説の文字を読まなくても、絵を見ただけで、どういう動きをさせたいのかが分かるように、なるべく描く必要がある。
 
 
* カメラワーク
また、カメラワークを意識して描く。
 
たとえば実物の生き物の動きをビデオカメラで撮影する場合、対象の生き物が一定の動きでも、それを撮影するビデオカメラの位置や向きやビデオカメラの動きなどのカメラワークによって、映像モニター上に映し出される動画は、カメラワークごとに違った動画になる。
 
 
* 結論
このように、アニメの制作は、ちょっとした動画の制作ですら、とても大変なので、中学校では制作しないほうが良い、せいぜい、鑑賞などに留めておいたほうが良いだろう。
 
 
== カメラ・写真の技法 ==
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アニメ専用のソフトウェアもあるが、高度なので説明を省略。(いちおう東京書籍の検定教科書には「アニメーション作成ソフトウェア」の画面の例が掲載されている。)
:(※ もし情報が必要ならウィキペディア『[[w:2Dアニメーション制作ソフト一覧]]』などを参照せよ。)
 
{{コラム|(※ 範囲外) 個人製作アニメ用の絵の調達の方法|
(教科書では説明してないが、)そもそも、アニメ用の静止画の絵をどうやって用意するかというと、個人製作の場合、
# 自分で紙にエンピツで線画を描いて、
# スキャナーなどでパソコンに読み込み、線画を下書きにして、パソコン上で画像制作ソフトなどで、(色をぬれるようにするため、)輪郭線を描く。マウスだと作業しづらいので、パソコンで絵を描くための専用のデジタル式ペンが市販されている(「ペン タブレット」という)。
# パソコン上で色を塗る、などの追加作業をする。色を塗る際、塗りつぶし機能(いわゆる「バケツ」機能)を使って色を塗る。
 
こうして絵をパソコン上で何枚も用意していき、今度はアニメ編集ソフトで、その絵を読み込んでいくわけである。
 
:※ アニメ産業では、業務用の機械で、紙に書いた線画から直接的にスキャンしてアニメ用の線画データを作成する業務用機械があるが、しかし一般の家電屋では入手できないのと、使いこなすのに高度な技能とほかの設備(トレス台(トレスだい)など)が必要である。なので、一般人は市販のスキャナーなどでスキャンしてからパソコン上で輪郭線を入力したほうが早い。
}}
 
絵とは別に音声も必要である。キャラクターの声は、人間の声を録音するのが普通。
 
個人制作のアニメの録音では、マイクなどを使って、サウンド編集ソフトを使いながら録音することになる。
 
::(アニメ業などでは、別々の企業として、絵を描く人(アニメーターという)と、録音の技術者と、音楽担当や声の俳優などが別々の仕事として企業に別れているが、しかし、個人製作では外注は費用的に困難である。個人製作では、自分で絵を描いたり、録音とかをしたりすることになるだろう。)
::アニメ編集ソフトだけがあっても、アニメは作れない。絵を描いたり録音したりとかは、自分で手や足や口を動かさなければならない。
 
 
個人製作のアニメの音声の録音では、マイクが必要なので、あらかじめパソコン用で録音用のマイクを購入しておく必要があるだろう。(※ パソコン用の録音マイクは家電量販店で数千円~1万円くらいで販売されている。)(録音用のマイクを買うこと。けっして、まちがえてカラオケ用やスピーカー用のマイクを買わないように。)
 
{{コラム|(※ 範囲外) 個人製作アニメ用のマイク選びの予備知識|
:※ パソコン用マイクや録音マイクにも種類があるが、専門的な話題になるので説明を省略。とりあえず、どのパソコンにも接続できる形式の安め(数千円ていど)のマイクを買ってみて、問題点があれば、より高いマイクを買うことになるだろう。現在では、ネット通話などのためのパソコン用の録音マイクが、数千円で家電量販店で購入できるハズ。
:※ パソコン用マイクや録音マイクにも種類があるが、専門的な話題になるので、おおよその説明だけをする。とりあえず、どのパソコンにも接続できる形式の安め(数千円ていど)のマイクを買ってみて、問題点があれば、より高いマイクを買うことになるだろう。現在では、ネット通話などのためのパソコン用の録音マイクが、数千円で家電量販店で購入できるハズ。
:※ マイクの種類はかなり専門的な話題になり、パソコン接続用の録音マイク以外にも、テレビ局・ラジオ局やミュージック会社などの人が使うような業務用の音響機器用の中間装置(「オーディオインターフェース」という)に接続する方式のマイクもある。しかし、初心者は、パソコン接続用マイクを買うのが良い。高価なマイクの中には、専用の音響機器につながないと使用できないものがあり、付属する機材も大きいので、初心者には高価なマイクは不要である。「オーディオインターフェース」は、いくつも調整ツマミがあったりして(いわゆる「ミキサー」の機能を兼ねていたりする場合もある)、中学生・高校生には使いこなせないので、購入は不要である。
 
::※ 読者が音響以外の分野にも知識を応用できるように、工業的な原理を説明しよう。そもそも、パソコンは本来、数値計算の機器であり、あまり物理量の測定・計測とか観測とかは苦手である。いっぽう、'''マイクは、じつは音波を計測することのできる計測機器'''なのである。計測機器では一般に、精度の高い計測を行う場合には、ノイズの除去や電圧の安定化のために、専用の外部電源を積んでいる専用の外部機器(大きさは種類にもよるが、これだけで大きさが小型タブレットPC~ノートパソコンくらいの大きさだったりする)が必要だったり、場合によっては専用のケーブル(けっこう太い場合があり、直径1センチくらいあったりする)すらも必要になったりする。外部電源が必要だったりするので、コンセントをもう1個使う場合もある。
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:いっぽう、パソコン用のマイクは、小型化・省エネ化のために最低限の品質になっているので、テレビ局・ラジオ局などの業務用のマイクとは、性能がかなり違っている。なのでパソコン用のマイクで録音しても、けっしてテレビ局・ラジオ局とかの人が使っているマイクのような低ノイズの録音は出来ない。(パソコンにかぎらず、ラジカセとかに接続するマイクで録音してもノイズが発生するのは、こういうことが原因のひとつ。家庭用のマイクでは、あまりノイズを除去できない。)なので、テレビ局のような低ノイズの録音は、学生はあきらめよう。
:※ パソコン用マイクですら種類はいろいろとあり、「コンデンサマイク」または「ダイナミックマイク」とか、いろいろマイクの種類がある。さらに「USB接続」または「3.5mmステレオミニプラグ」とか、あるいは「指向性」の有無とか、いろいろな要因があるが、中学高校レベルを大幅に超えるので説明を省略。これらの用語が分からないなら、使用すべきマイクは当面のあいだ、家電量販店で購入できるような、普通のパソコン用の録音マイクを買うのが良いだろう。けっして、通販とか専門店とかで、高いマイクは買わないほうが安全である。
}}
 
:小型で安物のマイクも、それはそれで持ち運びには便利なので使い道があるので、もしマイクを買い換えても、前のマイクは捨てる必要は無い。
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あまり高価なマイクを買ってしまっても、個人には、防音設備のある録音スタジオなどは使用できないので、高価すぎるマイクは無駄になってしまうので、高すぎない値段の録音マイクでいい。
 
{{コラム|(※ 範囲外) 個人製作アニメ用の録音のノウハウ|
:実際に録音を始めてみると分かると思うが、息継ぎの音などが、どうしても入る。対策は結論から言うと、サウンド編集ソフトで息継ぎの音を除去したり、編集ソフトの音量調節で息継ぎしている部分の音量を下げたりすることになるだろう。
:また、息継ぎの長さは人それぞれなので、けっして、映像制作の段階では、あらかじめ息継ぎの時間の長さを予想して、映像を用意することはできない。
 
:消費者の多くは、アニメ鑑賞では息継ぎの音を嫌がる(そもそも世間一般の放映されているアニメでは、通常の声のシーンでは、息継ぎの音が無い)。
:もし息継ぎのたびにマイクから離れるたり顔を動かしたりすると、今度はその 足音 とか 顔を動かす際の服のこすれる音 がマイクに入りしかねないので、どっちみちサウンド編集ソフトに頼ることになる。
:もし、息継ぎせずに いっぺん に長いセリフをしゃべろうとしても、後半にいくほど声量が低くなり聞き苦しくなってしまうだけで無駄なので、息継ぎは必要である。
 
:そのほか注意事項として、ノドが極端に渇いていたりすると、閉じた口を開く際に、はりついた口びるがハガれる音が、発生しやすくなる。なので、事前に、うがい等をしたり、一口くらい水を飲んで、口の中を通常の水分に保っておくことになる。ツバで くちびるをぬらしてみても、無駄である(試せば分かるが、ノドが渇いていたら、ツバでぬらしても効果が無い)。
 
:そのほか、台本のページをめくる音なども、ノイズの原因になるので、録音の直前には、台本に触れないでおくことになる。
 
 
:このため、セリフを1フレーズ録音するたびに、いったん録音を終了して、録音が成功しているかを簡易に確認して、もし問題が見つからなかったら次の録音に進むことになる。(これとは別方式で、すべてのフレーズをまとめて録音してから、まとめて確認し、あとから問題のあったフレーズだけを再収録するという方式もあるらしいが、しかし初心者は1フレーズずつ録音を確認していくほうが安全だろう。)
 
 
:実際に息継ぎの音をソフトウェアで除去してみると分かると思うが、キャラクターが黙ったまま何もせずに沈黙しているように聞こえてしまうので、沈黙の部分を編集ソフトで除去して、あたかも役者が沈黙せずにしゃべりつづけているように編集することになる。
 
 
個人制作アニメにかぎらず、実写ビデオに後からナレーションなどを追加する場合なども、同じような問題に遭遇することになるので、ナレーションを録音したあとにサウンド編集することになるだろう。
 
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