「音階」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
っ~jawikibooks (トーク | 投稿記録) |
っ~jawikibooks (トーク | 投稿記録) 編集の要約なし |
||
7 行
==全音階==
[[w:全音階|全音階]]は、1オクターブ内に7つの音（8つめが1オクターブ上の音＝次のオクターブの最初の音＝になります）を順に並べたものです。音と音の間隔は均等ではなく、広いところと狭いところの二通りがあります。広いところは狭いところの倍の広さになっています。広い方を[[w:全音|全音]]、狭い方を[[w:半音|半音]]と言います。
:[[w:平均律|平均律]]では、全音と半音は常にそれぞれ同じ幅で、全音は半音のちょうど2倍の広さになりますが、平均律以外の[[w:音律|音律]]では、いくらか違ってきます。
全音階は、7つ
:○ <sup>全</sup> ○ <sup>全</sup> ○ <sup>半</sup> ○ <sup>全</sup> ○ <sup>全</sup> ○ <sup>全</sup> ○ <sup>半</sup>（○）
の順序になります。これで1オクターブです。実際には
:○ <sup>半</sup> ○ <sup>全</sup> ○ <sup>全</sup> ○ <sup>全</sup> ○ <sup>半</sup> ○ <sup>全</sup> ○ <sup>全</sup>（○）
とか、
:○ <sup>全</sup> ○ <sup>半</sup> ○ <sup>全</sup> ○ <sup>全</sup> ○ <sup>全</sup> ○ <sup>半</sup>○ <sup>全</sup>（○）
のようになります。このうち、2つの全音の始まる前の音を「ド」と呼び、次の音（2つの全音に挟まれた音）を「レ」、以下、「ミ」「ファ」「ソ」「ラ」「シ」と呼びます。つまり、
:ド <sup>全</sup> レ <sup>全</sup> ミ <sup>半</sup> ファ <sup>全</sup> ソ <sup>全</sup> ラ <sup>全</sup> シ <sup>半</sup>
のようになります。
==長音階と短音階==
全音と半音の組み合わせの内、どこから始めてもいいと言いました。たしかにすべて全音階なのですが、現在、実際に使われるのは、ドから始まる長音階と、ラから始まる短音階の2つです。
;長音階
:ド <sup>全</sup> レ <sup>全</sup> ミ <sup>半</sup> ファ <sup>全</sup> ソ <sup>全</sup> ラ <sup>全</sup> シ <sup>半</sup>
;短音階
:ラ <sup>全</sup> シ <sup>半</sup> ド <sup>全</sup> レ <sup>全</sup> ミ <sup>半</sup> ファ <sup>全</sup> ソ <sup>全</sup>
==音階の各音の役割==
31 行
音階の各音には役割があります。
音階の最初の音（長音階のド、短音階のラ）は、音階の中で非常に重要な音です。従って、
またこの音は旋律の最後に使われる音です。旋律が終止するには、この音で終わらなくてはなりません（例外はあります）。したがって、この音を「終止音」とも呼ぶこともあります。また、最初の音ですからi度音（iは[[w:ローマ数字|ローマ数字]]の 1 です。普通はiの上の点を省略します）と呼びます。
v度音（長音階のソ、短音階のミ）も重要な音です。'''属音'''と呼ばれます。
iv度音（長音階のファ、短音階のレ）も重要な音です。'''下属音'''と呼ばれます。
vii度音（長音階のシ、短音階のソ）はすぐ上の主音に向かって旋律の終わりによく使われる重要な音です。旋律の終わりに使われる働きを持っているとき、'''導音'''と呼びます。
このほか、ii度音は'''上主音'''、iii度音は'''上中音'''、vi度音は'''下中音'''と呼びますが、これらの呼称はあまり使われません。
==短音階の変化==
短音階にはひとつ短所があります。というのは、導音たるべきソの音は、主音であるラの音まで全音の距離があります。これでは、ソからラに進んでも十分な終止感を得ることができません。このため、ソを半音上げてラの音との距離を半音にすることが行われます。これ
;和声的短音階
:ラ <sup>全</sup> シ <sup>半</sup> ド <sup>全</sup> レ <sup>全</sup> ミ <sup>半</sup> ファ <sup>'''全音半'''</sup> '''ソ♯''' <sup>'''半'''</sup>
和声的短音階にも、まだ欠点があります。それはファとソ♯の間の全音半の間隔です。この間隔は、全音階では使われない間隔であり、この2音を続けて演奏すると、不自然な印象を与えます。これをふせぐため、ファの音も半音上げることが行われます。これは[[w:旋律|旋律]]によく使われる音階なので'''旋律的短音階'''［上行形］と呼びます。「上行形」とは、音が上に行くときによく使われる音階という意味です。
;旋律的短音階上行形
:ラ <sup>全</sup> シ <sup>半</sup> ド <sup>全</sup> レ <sup>全</sup> ミ <sup>'''全'''</sup> '''ファ♯''' <sup>'''全'''</sup> '''ソ♯''' <sup>'''半'''</sup>（ラ）
では下行形はどうかというと、自然短音階をそのまま用います。
;旋律的短音階下行形
:ラ <sup>全</sup> ソ <sup>全</sup> ファ <sup>半</sup> ミ <sup>全</sup> レ <sup>全</sup> ド <sup>半</sup> シ <sup>全</sup>（ラ）
このように、上行形は上に行くとき、下行形は下に行くときによく使われます。それは、上に行くときにはソを上げる必要があることが多く、下に行くときはその必要がないことが多いからです。しかし、「上行形」、「下行形」という呼び名に惑わされないでください。実際には、ソ♯の音が和音に含まれていれば音が上に行くときはもちろん下に行くときも「上行形」を、ファの音が和音に含まれていれば下に行くときはもちろん上に行くときも「下行形」を用いることが多いのです。
| |||