「学習方法/大学受験5教科全般」の版間の差分

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古文・漢文については、まずは教科書にある作品の口語訳を学びつつ、作品にとらわれず単語集・文法解説書などで文法事項を学びます。
 
古文・漢文は扱う対象が古い時代の文学・文芸作品という特徴のため、読解の際に時代背景の知識が必要だったりするなどするので、単語・文法の知識だけではテストで点を取りづらく(取れても学習時間が大きく掛かる)、そのため普段の勉強では単語練習に加えて教科書・参考書などにある有名作品の口語訳を別途、学んでいく必要があります。学校の検定教科書には口語訳が無いので、自身で参考書・口語訳集などを購入する必要があります。
 
古文・漢文の単語は、このように、古典作品のストーリーと関連づけて学ぶことになります。
特に日本語の古文の場合、主語などが省略されていたりする文も多いので、あまり論理構造が厳密ではなく、そのため学生に作品の大まかなストーリーの予備知識などが無いと解けない入試問題もあり、単語の知識だけでは読解できないのです。古典常識があっても無理でしょう。
 
古文・漢文の勉強法は、まず先に作品を口語訳などでストーリーを知ったら、そのあとに原文を読み、単語・文法と訳を関連づけます。この際、もし、まだ知らない単語・文法があったら、そこでその古典単語を覚えるわけです。とはいえ、参考書などに、新しく習いそうな単語・文法は書いてあるでしょう。ともかく、実際にテスト問題に掲載されるのは古文のほうですので、このような対応づけの勉強が必要になります。
しばしば、古典系の科目のこのような特徴をよく分かってない大人が、英語科目のようにストーリーとは独立して古典単語を勉強させようとする場合がありますので、高校生は惑わされないようにしましょう。
 
しかし、古典の単語はけっこう多いため1冊の参考書では紹介しきれない場合があり、そのため単語集・文法書などで別途、普段から単語練習・文法練習をする必要があります。
 
もし、上記の順序ではなく「単語をほとんど覚えてから読解しよう」という発想だと、そもそも、いつまで時が経っても、永久に読み始めることが不可能であり、そのため、いつまで経っても古典の読解力も向上せず、そのせいで単語力すら、なかなか向上しません。
 
しばしば、古典系の科目のこのような特徴をよく分かってない大人が、英語科目のようにストーリーとは独立して古典単語を勉強させようとする場合がありますので、高校生は惑わされないようにしましょう。古典系の科目の目的は単語力・文法力・読解力の向上ですが、しかし、その手段は目的とは違い、古典作品の口語訳によるストーリーの調査などが必要になります。口語訳によるストーリーの調査から、しだいに段階的に古典単語・古典文法などにスライドしていくのが、高校での古典系の科目の勉強法です
 
また、けっして全作品をいっぺんにまとめて「ストーリーの調査」→「古典単語・古典文法」とスライドするのではなく、作品ごとに「ストーリーの調査」→「古典単語・古典文法」とスライドする必要があります。
 
らせん的に、「ストーリーの調査」→「古典単語・古典文法」→(次の作品Bの)「ストーリーの調査」→(作品Bの)「古典単語・古典文法」→・・・ といったサイクルで勉強法を繰り返すことになります。
 
しかし、ストーリの暗記だけでは、センター験や平均レベル以上の大学には通用しいでしょう。なぜなら入試では検定教科書に作品紹介の無い、入試で初見となるだろう作品の文章も出題されることもあり、そのような初見の作品でも読解できるようになるため、単語・文法などの練習も必要です。
 
また、作品ごとに分断されて勉強になるため、作品ごとの勉強しかしてないと、体系性が無いため非効率な点もあり、学習の抜け落ちたりする単語・文法事項も出てきやすいので、別途、単語集や文法書などで勉強します。
 
しかし、入試などでは検定教科書に作品紹介の無い、入試で初見となるだろう作品の文章も出題されることもあり、そのような初見の作品でも読解できるようになるため、単語の練習も必要です。
入試では、受験生が手抜きをしてストーリーだけの暗記をしてないことを試すために、あえて教科書には記載されないようなマニアックな作品を出題することもあります。
センター試験でも、そのようなマニアックな作品の読解が出題される場合もあります。
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とはいえ、よく入試に出る定番の作品もあります。そういう定番作品だけなら作品数が少ないので、長編小説の『源氏物語』以外ならストーリーをほとんど覚えてしまうという事も可能です。定番作品は、たとえば『竹取物語』『平家物語』『徒然草』のように中学で習う作品、あるいは『土佐日記』のように高校1年くらいでも習う作品は定番です。また、高校2〜3年で習う「古典B」などの古文・漢文の科目でも、どこの検定教科書にも掲載されやすい定番作品というのがあり、そういう定番作品が標準的〜やや難レベルの参考書や受験用の口語訳集に紹介されていますので、余裕があったら定番作品のストーリーは口語訳集などで覚えてしまいましょう。
 
なお、古文単語の辞書は、高校レベルの大学受験の勉強では、ほとんど使わないでしょう。古文単語の辞書は、高校レベルでは不要か、あるいは一般の参考書や口語訳集などでは読解できない珍しい単語に遭遇した場合の最終手段です。そういう難しい単語には、めったに遭遇しないので、高校では辞書はほとんど使わないかもしれません。
 
なお教科書ガイドを読むと、定期テストに出やすそうな箇所や口語訳などありますが、そもそも受験勉強を目的とした教材ではないので注意が必要ですし(あくまで教科書レベルの読解のためのガイドです)、普段の勉強は参考書や単語集・口語訳集などを優先しましょう。地元の書店などで買える通常の参考書などでは掲載の見られない特殊な古典作品に教科書で遭遇したような場合にだけ、教科書ガイドを使うのが効率的でしょう。
 
現代文についても、評論については典型的な論の運び方のパターンを、小説においては典型的な作家の表現のパターンを、それぞれ読解の数をこなす中で体得することが重要です。なぜなら、現代文は、近代文学ですら古文・漢文と違って作品数が膨大にあり、教科書に掲載されるような定番作品は文章量が多く、そもそも文学以外にも評論文(科学評論など)なども入試に出ますので、とてもストーリーを暗記するような勉強法は無理ですので、上述のような読解力を身につけることが必要です。読解は、「なんとなく」ではなく、根拠をもってその論・表現の意図を説明できるようにしておきましょう。ある程度以上の大学の文系学部の記述試験では、まとまった論述も求められます。読解するだけでなく、その内容を要約して表現する作文力も求められるということです。自分の感想はさておいて、筆者は何を言っているのか、作者はどのような意図で表現しているのか、冷静な筆致で表現できなければなりません。これには、相応の練習が必要です。もちろん、それ以前に正確な読解が必要なのは言うまでもありません。