「中学数学1年 平面図形」の版間の差分

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対称図形を、円などの後ろの単元に移動。弧などの用語を習ってない段階で「回転対象」とか習っても効果がうすいので。
121 行
 
このことを用いて、角の2等分線をコンパスと定規を用いて作図する方法が存在する。
 
== 基本的な図形の作図 ==
=== 垂線 ===
垂線もコンパスと定規を用いて作図を行なうことが出来る。まず、与えられた点からある適当な半径の円を取り、その円と与えられた直線の交点を2つ取る。さらに、ここで得た2つの点から同じ半径の円を描きその2つの円の交点を取る。このときこれらの円の交点と元々の点をつないだ直線が与えられた点を通り、与えられた直線に直交する図形となっているのである。ここで、最初の手順である与えられた点からの距離が等しい2点を与えられた直線上に取るという手順以降の手順は線分の垂直2等分線を得るための手順と同一であることがわかる。ここで、与えられた線分の端点は先ほどの最初の手順で得た2点である。つまり、この手順では与えられた点から等しい距離にある2点を端点とした垂直2等分線を求めたのであり、また、端点である2点から元々の与えられた点は確かに等しい距離にあるので、与えられた点自身もそれらの垂直2等分線上の点であることが分かる。ここで最後にひいた垂直2等分線は与えられた直線に垂直であり、与えられた点を通ることから確かに最初の条件を満たしている。よって、これらの手順である与えられた点を通り、与えられた直線に垂直な直線が得られることが分かった。
 
=== 線分の垂直二等分線 ===
[[ファイル:Perpendicular bisector.gif|right|thumb|100px|垂直二等分線の作図]]
まず、与えられた線分の片方を中心としてある半径を持つ円を描く。ただし、この円の半径は線分の長さの
<math>
\ frac 1 2
</math>
より大きいものとする。次に、与えられた線分のもう片方の端点からも、同じ半径の円を描く。このとき、2つの円の交点は各々の端点から等距離にあることがわかるため、その線分の垂直2等分線上の点である。また、円の半径が線分の長さの
<math>
\ frac 1 2
</math>
より大きいので、ここで2つの円の交点は2つだけ得られる。よって、その2点を直線でつなげば、この線分の垂直2等分線が得られるのである。
 
=== 角の二等分線 ===
[[ファイル:Bisection construction.gif|right|thumb|100px|角の二等分線の作図]]
* まず、角の頂点から角を構成する2つの辺上に、頂点からの距離が等しい点を各々の辺上に1つずつ取る。
* 次に、上の作業で辺上に得た点から任意の半径の円を書き、それと同じ半径の円をもう片方の辺上の点からも書き込む。このとき、各々の点から書いた円が交わった点は角の2等分線上の点となっている。
* ここで2つの点が得られるため、その2点を定規を用いてつなぐことで、元々の角の、角の2等分線が得られるわけである。ただし、実際には元々の角の頂点は常に2等分線上の点であるので、円の交点として求める点は1点だけでよい。
 
このようにして、角の二等分線(英:angle bisector)が作図できる。
 
{[-}}
== 円とおうぎ形 ==
=== 円 ===
[[File:Circle and arc diagram japanese.svg|300px|right|]]
 
点Oを中心とする円(えん、英:circle サークル)を、円Oという。
 
また、円周上に2点A、Bをとるとき、円周のAからBまでを、'''弧AB'''(こエービー、英:arc AB)という。「弧」は「こ」と読む。「弧AB」は「こエービー」と読む。
 
また、このときの点Aと点Bを結ぶ線分を、'''弦AB'''(げんエービー、英:chord AB)という。弦は「げん」と読む。「弦AB」は「げんエービー」と読む。
 
さらに、このとき、中心Oと、点A、点Bを結ぶと、<math>\angle AOB</math>ができる。このときの∠AOBを、弧ABに対する'''中心角'''(ちゅうしんかく、英:central angle)という。
 
=== おうぎ形 ===
円の2つの半径と1つの弧で囲まれた図形を、おうぎ形(おうぎがた、扇形、英:circular sector サキュラー・セクター)という。
 
=== 計量 ===
円の周の長さと面積の求め方は、すでに小学校で学んだだろう。そのとき、'''円周率'''(えんしゅうりつ)というものを使用した。円周率は、円周の直径に対する割合であり、無限に続く小数である。そのために、これからは円周率を、<math>\pi</math>(パイ)で表わす。
 
半径rの円の周の長さをlとして、面積をSとすると、
 
<math>l=2\pi\mbox{r}</math>
 
<math>S=\pi r^2</math>
 
で表わされる。
 
おうぎ形の面積の大きさは、中心角の大きさによって決まる。例えば中心角が20°のおうぎ形の面積や弧の長さは、同じ半径の円の面積や周の長さの<math>\frac{20}{360}</math>倍である。
 
おうぎ形の面積をS、弧の長さをl、中心角をa、半径をrとすると、
 
<math>l=2\pi r \times \frac{a}{360}</math>
 
<math>S=\pi r^2 \times \frac{a}{360}</math>
 
で表わす事ができる。
 
 
 
 
== 線対称と点対称 ==
287 ⟶ 351行目:
 
 
== 基本的な図形の作図 ==
=== 垂線 ===
垂線もコンパスと定規を用いて作図を行なうことが出来る。まず、与えられた点からある適当な半径の円を取り、その円と与えられた直線の交点を2つ取る。さらに、ここで得た2つの点から同じ半径の円を描きその2つの円の交点を取る。このときこれらの円の交点と元々の点をつないだ直線が与えられた点を通り、与えられた直線に直交する図形となっているのである。ここで、最初の手順である与えられた点からの距離が等しい2点を与えられた直線上に取るという手順以降の手順は線分の垂直2等分線を得るための手順と同一であることがわかる。ここで、与えられた線分の端点は先ほどの最初の手順で得た2点である。つまり、この手順では与えられた点から等しい距離にある2点を端点とした垂直2等分線を求めたのであり、また、端点である2点から元々の与えられた点は確かに等しい距離にあるので、与えられた点自身もそれらの垂直2等分線上の点であることが分かる。ここで最後にひいた垂直2等分線は与えられた直線に垂直であり、与えられた点を通ることから確かに最初の条件を満たしている。よって、これらの手順である与えられた点を通り、与えられた直線に垂直な直線が得られることが分かった。
 
=== 線分の垂直二等分線 ===
[[ファイル:Perpendicular bisector.gif|right|thumb|100px|垂直二等分線の作図]]
まず、与えられた線分の片方を中心としてある半径を持つ円を描く。ただし、この円の半径は線分の長さの
<math>
\ frac 1 2
</math>
より大きいものとする。次に、与えられた線分のもう片方の端点からも、同じ半径の円を描く。このとき、2つの円の交点は各々の端点から等距離にあることがわかるため、その線分の垂直2等分線上の点である。また、円の半径が線分の長さの
<math>
\ frac 1 2
</math>
より大きいので、ここで2つの円の交点は2つだけ得られる。よって、その2点を直線でつなげば、この線分の垂直2等分線が得られるのである。
 
=== 角の二等分線 ===
[[ファイル:Bisection construction.gif|right|thumb|100px|角の二等分線の作図]]
* まず、角の頂点から角を構成する2つの辺上に、頂点からの距離が等しい点を各々の辺上に1つずつ取る。
* 次に、上の作業で辺上に得た点から任意の半径の円を書き、それと同じ半径の円をもう片方の辺上の点からも書き込む。このとき、各々の点から書いた円が交わった点は角の2等分線上の点となっている。
* ここで2つの点が得られるため、その2点を定規を用いてつなぐことで、元々の角の、角の2等分線が得られるわけである。ただし、実際には元々の角の頂点は常に2等分線上の点であるので、円の交点として求める点は1点だけでよい。
 
このようにして、角の二等分線(英:angle bisector)が作図できる。
 
{[-}}
== 円とおうぎ形 ==
=== 円 ===
[[File:Circle and arc diagram japanese.svg|300px|right|]]
 
点Oを中心とする円(えん、英:circle サークル)を、円Oという。
 
また、円周上に2点A、Bをとるとき、円周のAからBまでを、'''弧AB'''(こエービー、英:arc AB)という。「弧」は「こ」と読む。「弧AB」は「こエービー」と読む。
 
また、このときの点Aと点Bを結ぶ線分を、'''弦AB'''(げんエービー、英:chord AB)という。弦は「げん」と読む。「弦AB」は「げんエービー」と読む。
 
さらに、このとき、中心Oと、点A、点Bを結ぶと、<math>\angle AOB</math>ができる。このときの∠AOBを、弧ABに対する'''中心角'''(ちゅうしんかく、英:central angle)という。
 
=== おうぎ形 ===
円の2つの半径と1つの弧で囲まれた図形を、おうぎ形(おうぎがた、扇形、英:circular sector サキュラー・セクター)という。
 
=== 計量 ===
円の周の長さと面積の求め方は、すでに小学校で学んだだろう。そのとき、'''円周率'''(えんしゅうりつ)というものを使用した。円周率は、円周の直径に対する割合であり、無限に続く小数である。そのために、これからは円周率を、<math>\pi</math>(パイ)で表わす。
 
半径rの円の周の長さをlとして、面積をSとすると、
 
<math>l=2\pi\mbox{r}</math>
 
<math>S=\pi r^2</math>
 
で表わされる。
 
おうぎ形の面積の大きさは、中心角の大きさによって決まる。例えば中心角が20°のおうぎ形の面積や弧の長さは、同じ半径の円の面積や周の長さの<math>\frac{20}{360}</math>倍である。
 
おうぎ形の面積をS、弧の長さをl、中心角をa、半径をrとすると、
 
<math>l=2\pi r \times \frac{a}{360}</math>
 
<math>S=\pi r^2 \times \frac{a}{360}</math>
 
で表わす事ができる。
 
== 図形の移動 ==