「中学数学1年 平面図形」の版間の差分

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同じようにして、ある線分に対する垂線、半直線に対する垂線も考えられる。特に、与えられた直線上にない1点を通るような垂線を、その点からその直線に下ろした垂線といい、与えられた直線とこの垂線の交点を 垂線の足(すいせん の あし) という。直線は両方向に限りなく伸びているので、その直線上にない任意の点から垂線を下ろすことができる。
 
=== 線分垂直2等分線 ===
==== 線分の垂直2等分線 ====
次に、線分の垂直2等分線を紹介する。線分の垂直2等分線とは、ある線分の中点を通ってその線分に垂直な直線のことである。この図形は線分が与えられたとき必ず存在する。
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線分の垂直2等分線の重要な性質として、その線上の点についてはその点から元の線分の両端の点との距離が、両端の2つの点に対して等しくなっていることがあげられる。このことの証明も三角形の性質を使う必要があるので、[[中学校数学 2年生-図形]]の範囲である。また、この事実を用いて、線分の垂直2等分線の定規とコンパスによる作図法が得られる。
 
 
=== 三角形と角 ===
==== 線分の垂直二等分線の作図 ====
[[ファイル:Perpendicular bisector.gif|right|thumb|100px|垂直二等分線の作図]]
まず、与えられた線分の片方を中心としてある半径を持つ円を描く。ただし、この円の半径は線分の長さの
<math>\frac{1}{2}</math>
より大きいものとする。次に、与えられた線分のもう片方の端点からも、同じ半径の円を描く。このとき、2つの円の交点は各々の端点から等距離にあることがわかるため、その線分の垂直2等分線上の点である。また、円の半径が線分の長さの
<math>\frac{1}{2}</math>
より大きいので、ここで2つの円の交点は2つだけ得られる。よって、その2点を直線でつなげば、この線分の垂直2等分線が得られるのである。
 
 
 
=== 角の2等分線 ===
 
==== 角の2等分線 ====
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このことを用いて、角の二等分線をコンパスと定規を用いて作図する方法が存在する。
 
== 基本的な図形の作図 ==
=== 垂線 ===
垂線もコンパスと定規を用いて作図を行なうことが出来る。まず、与えられた点からある適当な半径の円を取り、その円と与えられた直線の交点を2つ取る。さらに、ここで得た2つの点から同じ半径の円を描きその2つの円の交点を取る。このときこれらの円の交点と元々の点をつないだ直線が与えられた点を通り、与えられた直線に直交する図形となっているのである。ここで、最初の手順である与えられた点からの距離が等しい2点を与えられた直線上に取るという手順以降の手順は線分の垂直2等分線を得るための手順と同一であることがわかる。ここで、与えられた線分の端点は先ほどの最初の手順で得た2点である。つまり、この手順では与えられた点から等しい距離にある2点を端点とした垂直2等分線を求めたのであり、また、端点である2点から元々の与えられた点は確かに等しい距離にあるので、与えられた点自身もそれらの垂直2等分線上の点であることが分かる。ここで最後にひいた垂直2等分線は与えられた直線に垂直であり、与えられた点を通ることから確かに最初の条件を満たしている。よって、これらの手順である与えられた点を通り、与えられた直線に垂直な直線が得られることが分かった。
 
==== 線分垂直二等分線の作図 ====
[[ファイル:Perpendicular bisector.gif|right|thumb|100px|垂直二等分線の作図]]
まず、与えられた線分の片方を中心としてある半径を持つ円を描く。ただし、この円の半径は線分の長さの
<math>
\ frac 1 2
</math>
より大きいものとする。次に、与えられた線分のもう片方の端点からも、同じ半径の円を描く。このとき、2つの円の交点は各々の端点から等距離にあることがわかるため、その線分の垂直2等分線上の点である。また、円の半径が線分の長さの
<math>
\ frac 1 2
</math>
より大きいので、ここで2つの円の交点は2つだけ得られる。よって、その2点を直線でつなげば、この線分の垂直2等分線が得られるのである。
 
=== 角の二等分線 ===
[[ファイル:Bisection construction.gif|right|thumb|100px|角の二等分線の作図]]
* まず、角の頂点から角を構成する2つの辺上に、頂点からの距離が等しい点を各々の辺上に1つずつ取る。
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このようにして、角の二等分線(英:angle bisector)が作図できる。
 
=== 基本的な図形垂線の作図 ===
垂線もコンパスと定規を用いて作図を行なうことが出来る。まず、与えられた点からある適当な半径の円を取り、その円と与えられた直線の交点を2つ取る。さらに、ここで得た2つの点から同じ半径の円を描きその2つの円の交点を取る。このときこれらの円の交点と元々の点をつないだ直線が与えられた点を通り、与えられた直線に直交する図形となっているのである。ここで、最初の手順である与えられた点からの距離が等しい2点を与えられた直線上に取るという手順以降の手順は線分の垂直2等分線を得るための手順と同一であることがわかる。ここで、与えられた線分の端点は先ほどの最初の手順で得た2点である。つまり、この手順では与えられた点から等しい距離にある2点を端点とした垂直2等分線を求めたのであり、また、端点である2点から元々の与えられた点は確かに等しい距離にあるので、与えられた点自身もそれらの垂直2等分線上の点であることが分かる。ここで最後にひいた垂直2等分線は与えられた直線に垂直であり、与えられた点を通ることから確かに最初の条件を満たしている。よって、これらの手順である与えられた点を通り、与えられた直線に垂直な直線が得られることが分かった。
 
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