「中学数学1年 データの活用」の版間の差分

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Angol Mois (トーク | 投稿記録)
光速の値とか、中学レベルの有効数字の説明としては、理科の範囲外で不適切。もっと初等的な事例に変更すべき。
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原則測定器具の最小めもりの10分の1の位まで読み取る決まりである。例えば最小めもりが1℃の温度計で25℃と26℃の間にある時「25.2℃」・「25.8℃」などと読み取る。
 
=== 有効数字(ゆうこうすうじ) ===
====有効 値のケタの信頼性計算 ====
:※ こういう意義の説明は、たぶん中学では範囲外。教科書では説明が見当たらない。
例えば長さにおいて
 
*光が1年間に進む距離は9 460 000 000 000 000m(9兆4600億km)である。
たとえば、重さ計で、ある物(仮にAとしよう)の重さを調べた結果、重さは「30g」とされる、ある物があったとしよう。
*水素原子の半径は0. 000 000 000 25m(25mmの1億分の1)である。(<math>H_2O</math>でよく知られている水分子の<math>H</math>の部分が水素原子)
 
このように数値を書くと「0」が多くて、ややこしい。
この物 A を121個あつめたときの重さは、どんだけ信用できるか?
 
 
まず、市販の重さ計 には、あまり測定精度の高くない計器もあり、あまり細かい数字は、信用できない。(たとえば、体重計で1円玉の重さを調べても、まったく反応しないだろう。)
 
仮に、われわれの、この問題で使っている重さ計の精度が、10gまでの制度でしか細かく調べられない 重さ計 だとしよう。
 
10グラムの精度しかない重さ計で調べた結果「30g」と出た重さの数字が冒頭の1ケタ目「3」しか信用できない物を、そんな121個というふうに3ケタも掛け算して合計の重さを知ろうとすることに、日常生活で、そんなに意義があるだろうか?
 
 
こういうふうに、計器の精度が良くない場合に、あまり細かい数字を計算しても、無駄である。
 
 
なので、冒頭で「この物 A を121個あつめたときの重さは、」という問題を出してみたが、実用的には、せいぜい「この物 A を'''120'''個あつめたときの重さ」くらいを考えればよいか、または、もっと大胆(だいたん)に「この物 A を'''100個'''あつめたときの重さ」が分かれば日常生活では充分(じゅうぶん)なことも多い。
 
 
 
==== 有効数字とは ====
さきほどの議論を整理するために、まず用語を新しく紹介する。
 
この時、<math> {10}^{13} </math>の左に数値がある「946」・<math> {10}^{-11} </math>場合に、実際数字がその表示どおりピッタリと一致してい「25」だろうと信頼できるケタの数それぞれ '''有効数字'''(ゆうこうすうじ、英:significant figures シグニフィキャント・フィギュアーズ) う。
 
 
たとえば、100g精度の重さ計(かりに重さ計 B とする)で調べた結果の重さが「1400g」の物ならば、有効数字は2ケタである。(「1400」の上2ケタの「14」が信用できるので。)
 
「1400」の有効数字が 2ケタの場合であることを強調する場合、
 
たとえば
:1.4×10<sup>3</sup>
のように、小数と指数をつかって、小数のがわを有効数字のケタの分だけ表す。たとえば「1.4」は、「1」「4」で合計3ケタである。
 
 
 
単に「1400」だけだと、重さの精度1gの べつの重さ計(かりに重さ計Cとする)なのか、それとも重さの精度10gの重さ計(かりに重さ計Dとする)の結果なのかなのか、区別がつかない。
 
さて、もし、重さの精度1gの重さ計Cで調べた結果「1400」だった場合は、「1400」のうち信用できる数字は「1400」なので、有効数字が4ケタである。この重さ計Cの結果を指数であらわすと、
:1.4×10<sup>3</sup>
のように、小数の部分が有効数字のぶんケタ数(例の場合は2ケタ)になる。
 
 
 
;問題
精度10gの重さ計で、ある物の重さを調べた結果、1600gだった。
 
この「1600」を、有効数字を意識して、指数と小数の表記に書き換えよ。
 
 
:(解法と答え)
精度が10gなので、「1600」のうち、信用できるのは「160」であるので、有効数字は3ケタである。
 
なので、
:1.60×<sup>3</sup>     (答え)
である。
 
そこで10の整数乗を使ってこれらの数値を簡単に表すことを考えてみよう。
 
例えば光が1年間に進む距離の場合<math> 946 \times {10}^{13} </math>mに、水素原子の半径は<math> 25 \times {10}^{-11} </math>mとなる。
 
'''注意''':<math> {10}^{-11} </math>とは<math> \frac{1}{{10}^{11}} </math>と言う意味。詳しくは[[高等学校数学II いろいろな関数#指数法則|高等学校数学]]の範囲である。
 
この時、<math> {10}^{13} </math>の左にある「946」・<math> {10}^{-11} </math>の左にある「25」をそれぞれ'''有効数字'''(ゆうこうすうじ、英:significant figures シグニフィキャント・フィギュアーズ)と言う。
 
==== ※ 記述の整理中 ====
一般的に10の整数乗に掛けられる数字は''1以上10未満''の数である。これを用いると<math> 946 \times {10}^{13} </math>は<math> 9.46 \times {10}^{15} </math>となり、<math> 25 \times {10}^{-11} </math>は<math> 2.5 \times {10}^{-10} </math>と書き換えられる。
 
==== 有効数字の桁 数====
有効数字の桁数は、0以外の数字が初めて出てきた位以下の数字の数により決まる。
 
例えば以下の通りに桁数は決まる。
* 20.5は「2」「0」「5」の3つの数字があるので有効桁数は3
* 12345は「1」「2」「3」「4」「5」の5つの数字があるので有効桁数は5
* 0.069の「0」以外の先頭の数字は「6」である。「6」がある位以下には「6」「9」の2つの数字があるので有効桁数は2
* 3.000は「3」「0」「0」「0」の4つの数字があるので有効桁数は4
 
有効数字の桁数は上から何桁目で四捨五入されているかを表す大事な記述である。20.5を例に取るならば、この数の有効桁数は3であるので小数第2位で四捨五入されている。故に、20.45以上20.55未満の範囲であることを表す。逆も同じで、20.5を有効桁数2としたければ小数第1位を四捨五入し21と表せばよい。
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また10mは1000cmであるが「1000cm」のように書くと有効数字の桁数がいくらなのかは判断しにくい。有効数字の桁数をはっきりさせたい場合は例えば左の例を有効数字2桁とするならば<math> 1.0 \times {10}^{3} </math>cmとすることが必要となる。
 
==== 有効数字を踏まえた計算 ====
有効数字の概念を踏まえた計算を行ってみよう。'''表記されている1桁下で四捨五入が行われている'''ことが重要となる。
 
===== 加減 =====
まずは以下の問題を見て欲しい。
*21.5+1.00005を計算しなさい。
有効桁数を考えずに計算を行うと22.50005となるが、「21.5」は「21.45以上21.55未満」を取りうるため「1.00005」の「.00005」の部分は信頼できる数値ではない。加減の場合は'''下1桁の位が大きいほうに合わせて'''計算を行う。よってこの場合「1.00005」は「1.0」として計算し求める数値は22.5となる。
 
===== 除=====
では次に以下の問題を見てみよう。
*21.3×1.67を計算しなさい。
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=== 誤差(ごさ)===
次の問題を考えてみよう。
*縦25.2cm×横17.5cmの長方形の面積を答えなさい。
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すると「25.15×17.45=438.8675」以上「25.25×17.55=443.1375」未満である数値に真の面積の値があることが分かる。実際に算出した数値と真の数値とのズレを'''誤差'''(ごさ、英:error エラー)と言う。誤差は大きく以下のようにして生まれる。
 
* 測定する環境による誤差(気温・天気・湿度により測定対象は僅かながら伸縮したりなど毎回異なる反応を起こす)
* 測定する器具の精度による誤差(最小めもりが1mmである定規は0.1mm単位以下は精密に測れない)
* 読み取り時に起こる誤差(同じものを同じ器具で測定しても違う人が数値を読めば読み取られた数値がそれぞれ異なることもあり得る)
 
=== 測定値(そくていち)と近似値(きんじち) ===
実際にはかって得られた値を'''測定値'''(そくていち、英:measured value メジャメント・バリュー)という。
 
<math>40 \div 7</math> を計算すると、5.174……と割り切れない。そこで、四捨五入して小数第2位まで求めるとすると5.17となる。実際にはかって得られた測定値や、四捨五入して得られた値などは、真の値ではないがそれに近い値である。これを'''近似値'''(きんじち、英:approximate value アプロキシメト・バリュー)という。
 
=== 接頭辞(コラム) ===
直接有効数字には関係はないが、実生活において大きい数値または小さい数値を扱うのに便利な接頭辞の一部をここで紹介する。ここで言う接頭辞とは単位の前につける10の何乗かを示す記号である。例えば、「km」、キロメートルのキロは<math>10 ^ 3</math>を表す接頭辞である。
 
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</table>
 
== 資料の活用 ==
ここでは測定された数値がどのように使われているかを見ていこう。
 
=== 資料の分布 ===
以下の資料1は10人の体重を測定した順番に並べてある。
 
* 資料1
<table border="1">
<tr align="center">
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以下の資料2は上の資料1から読み取った値を基準を62.5kgとし、その前後±1.5kgの3.0kg毎に区切りその区間に当たるする人数を記録している。
 
* 資料2
<table border="1">
<tr align="center">
190 ⟶ 241行目:
このように値をいくつかの区間に区切り全体の傾向を読み取りやすくする時、その区間(ここでは体重)を'''階級'''(かいきゅう、英:class)、またその幅を'''階級の区間'''(class interval)と言う。また、階級の区間の中央にくる値をその区間の'''階級値'''(かいきゅうち、英:class value)と言う。各階級に該当する資料の個数(ここでは人数)を'''度数'''(どすう、英:frequency)、各階級に度数を組み込んだ上のような表を'''度数分布表'''(どすうぶんぷひょう、英:frequency distribution)と言う。
 
=== 資料とグラフ ===
上の表を更に整理して柱状のグラフに表したものを'''ヒストグラム'''(histogram)と言う。各長方形の高さは各階級の度数に比例する。
 
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ヒストグラムの全面積と、度数折れ線と横軸で囲まれた面積は等しい。
 
=== 累積度数(るいせきどすう) ===
それぞれの階級以下、または階級以上の度数を全て加えた和を'''累積度数'''(るいせきどすう、英:cumulative frequency)といい、それを表にまとめたものを'''累積度数分布表'''と言う。
 
231 ⟶ 282行目:
となる。
 
=== 相対度数(そうたいどすう) ===
それぞれの階級の度数を資料の個数で割った値をその階級の'''相対度数'''(そうたいどすう、英:relative frequency)といい、それを表にまとめたものを'''相対度数分布表'''と言う。相対度数分布表では各階級の相対度数の総和は1となる。
 
資料2を例に取ると、
 
* 資料4
<table border="1">
<tr align="center">
271 ⟶ 322行目:
</table>
 
== 資料の代表値(だいひょうち) ==
資料の分布についてはヒストグラムなどからも得ることができるが全体の特徴を1つの数字に表すことにより分かりやすくすることができる。このような値を資料の'''代表値'''(だいひょうち、英:average)と言う。
 
=== 平均値(へいきんち) ===
変量が取るいくつかの値がある1組の資料でその数値の合計を資料の個数で割ったものを変量の'''平均値'''(へいきんち、英:mean)と言う。(ミーンとも言う。)
 
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平均値は資料の中に極端に高い、または低い数値があるとその影響を受けるが、中央値は直接その影響を受けない。そのため、資料に極端な数値が現れた場合には中央値のほうが代表値としてすぐれている。
 
=== 最頻値(さいひんち) ===
度数分布表において度数が最大である階級値をその資料の'''最頻値'''(さいひんち、英:mode モウド)と言う。(モードとも言う。)すなわち、度数折れ線の最も高い値を示す階級値が最頻値である。
 
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最頻値は靴や洋服などについて、最も売れ行きの良いサイズを知りたいときなどに有効な代表値である。
 
=== 範囲(はんい) ===
資料に含まれている最大の値から最小の値をひいた差を分布の'''範囲'''(はんい、英:range レインジ)と言う。レンジとも言う。
 
例えば、資料1の範囲は70.0 - 53.6 = 16.4(kg)である。
 
 
== コンピュータの活用 ==
上述の計算例では、人間の手でも計算しやすいていどに、度数などを減らしているが、実際の計算では、手計算は困難であることが多いので、コンピュータを使って計算するのが、現代では一般的である。
 
パソコンのソフトウェアで、「表計算ソフト」という種類のソフトがあるので、それを使うのが一般的である。(※ 検定教科書でも説明されている。)
 
 
表計算ソフトを使えば、表中の数字を、列ごとに合計したり、グラフを作ったりとか、いろいろと出来る。
 
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