「有限群論序論」の版間の差分

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==正規部分群と群の準同型定理==
 
今まで、群の定義について述べた。群の定義だけでも、知っておくことで十分役に立つこともある。
 
しかし、定義だけでは、何も結論がいえない。「こう定義しました」だけでは、「はい、そうですか。それで?」と返されてしまうだろう。そもそも、わざわざ群を導入するのは、大抵の場合、群の構造を導入することによって、何か新しい知見があるからである。
 
群は、代数構造の中でも、比較的基本的なもので、前提とするルールが少なく、幅広い対象に応用できる。逆に、幅広い対象に応用できるように、ルールを少なくしているともいえよう。そのような幅広い対象に応用できるものに、共通して使える有用な定理が存在すれば、幅広い対象に対して新しい知見を見出すことができるという点で非常に有用であると言えよう。
 
ここで紹介する準同型定理は、群の基本的な定理である。そもそも、この定理を使いたいがために、わざわざ群の構造を導入することさえある。今まで逐一証明や例を行ってきたが、応用の上では、群の定義と、この群の準同型定理の意味が分かっていることが、非常に重要である。この群論の項を読むのであれば、最低限、準同型定理が何かはわかっておいた方がよいであろう。
 
===部分群===
群''G''が与えられたとき、群''G''の部分群''H'' ⊂ ''G''とは、
 
===正規部分群===
===正規部分群による商群===