「高等学校倫理/近代の合理的・科学的な思考と方法」の版間の差分

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'''観念論'''とは、あらゆるものが精神や心などのような霊(魂)に結びつけられるという思想である。他方、'''唯物論'''はあらゆる現象は物質の変化や運動に還元できるという思想である。科学上の発見は唯物論の足場を着々と固めていった。そんな中でガリレオの影響下で数学と物理学を学び、一時ベーコンの秘書もつとめた'''ホッブズ'''が登場する。
 
ホッブズは当時の最新の科学的な知見を基に、世界に存在するのは物質とその運動だけであり、世界のすべては物質とその運動によって機械的に決まると考えた。それは物体の運動、変化のような自然現象にとどまらず、人間の意識・魂・心も、身体の器官に何らかの運動が起きたことによって生じたものであるとした。さらに社会や国家といった、生物でもなく形あるものでもないものも、自然の物質と同じように機械的に決まるのだという。それが、'''社会契約'''という発想につながっていくのだが、彼の社会契約論についての説明は[[高等学校倫理/民主主義社会の倫理と思想]]にゆずることにしよう。
人間の意識・魂・心も、身体の器官に何らかの運動が起きたことによって生じたものであるとした。では、社会や国家はどうだろうか。ホッブズによればそれらも自然の物質と同じように機械に決まるのだという。それが、'''社会契約'''という発想につながっていくのだが、彼の社会契約論についての説明は[[高等学校倫理/民主主義社会の倫理と思想]]にゆずることにしよう。
 
ホッブズが当時の学問に与えた衝撃は大きく、イギリスの哲学や神学はホッブズやデカルトによって開拓された思想の継承と批判を通じて神学の合理化を図った。そうした中で登場するのがロックである。
 
===その後の経験論===