「高等学校数学A/図形の性質」の版間の差分

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==== 三角形の内心 ====
三角形の'''内心'''は三角形の'''内接円'''(ないせつえん、英:inscribed circle)の中心のことである。この点は三角形のそれぞれの辺から等距離にある。三角形の内心について次のことが成り立つ。
 
{| style="border:2px solid yellow;width:80%" cellspacing=0
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三角形の3角のそれぞれに対して角の2等分線を取ったとき、それぞれの直線は1点で交わる。このとき、それぞれの点が交わる1点がその三角形の内心である。
|}
 
 
* 導出証明
[[File:Inner center triangle.svg|thumb|300px]]
△ABCを取り、角A,Bについて角の2等分線を取り2直線の交点をGと呼ぶ。
 
さらに、点Gから辺AB,BC,CAに下ろした垂線とそれぞれの辺の交点をそれぞれH,I,Jと呼ぶとする。このとき、角Aの2等分線の性質から
△ABCを取り、角A,Bについて角の2等分線を取り2直線の交点をGIと呼ぶ。
さらに、点GIから辺AB,BC,CA,ABに下ろした垂線とそれぞれの辺の交点をそれぞれH D,IE,JF と呼ぶとする。このとき、角Aの2等分線の性質から
:<math>
IE=IF
GH = GJ
</math>
が成り立ち、同様に角Bの2等分線の性質から
:<math>
IF=ID
GH = GI
</math>
が成り立つので、
が成り立つ。よって、Gは△ABCの各辺から等距離にあることが分かり、この点を△ABCの内心として扱ってよいことが分かる。
 
よって
:<math>
ID=IE
</math>
である。
 
したがって、点Iは角Cの二等分線上にある。(証明 おわり)
 
 
[[File:Inner center triangle proof.svg|thumb|300px]]
 
ID=IE=IF なので、図のように三角形の三辺に接する円を書くことができ。この円を △ABCの'''内接円''' (ないせつえん、英:inscribed circle)といい、その中心Iを'''内心'''(ないしん)という。
さらに、角Cの2等分線がBC,CAに下ろした垂線の長さが等しくなるような点を全て含んでいることを用いると、この直線は常に点Gを含んでいる。
よって、3つの角の2等分線はただ1点で交わることが分かった。
 
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* 注意
* 余談
さらになお、3辺の長さが知られている三角形については
ヘロンの公式と組み合わせることで、内接円の半径を一般的に求めることが出来る。
[[w:ヘロンの公式]],[[高等学校理数数学]]を参照。