「中学校国語/現代文/議論のための意見や提案のしかた」の版間の差分

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アイデアを出すのが目的だから、わざわざ2グループに分けて、勝ち負けを決める必要は無い。(なお、議論のさいに2グループに分けて、勝ち負けを決める方法で競争させて意見を出させる方法のことを「競技ディベート」という。 小学校で練習した、2グループに分けて勝負させるのは、正確には「競技ディベート」である。)
 
 
:※ 学校の検定教科書では、競技ディベートのことを単に「ディベート」と言ってるが(※ 学校図書など)、しかしこれは間違った用法、あるいは不正確な用法である。
 
 
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また、もし「割り箸を使わない人が好きです。」という主観を意見であるとすると、これはつまり、「私の主観を、あなたは尊重すべきだ」という命令であり、とても傲慢です。
 
 
== もし競技ディベートをするなら ==
競技ディベートを開催したいなら、議題としては、意見が「賛成」または「反対」の2種類だけに分かれる議題を選びましょう。
 
たとえば、
:「わが中学の図書室にマンガをもっと置くべきだ。」
という議題は、学校内での競技ディベートの議題としても、かまいません。(※ 学校図書や光村図書などで、図書室マンガ案のディベートがある。)
 
 
しかし、
:「わが中学の図書室に、図書室の職員から、置いてほしい本のリクエストが着ている。では、何を置くべきとリクエストすべきだろうか?」
という模索は、競技ディベートとしては不適切です。
 
なぜなら、賛成または反対の2つの意見に分かれないからです。
 
べつに、こういった模索を考えること自体が悪いのでなく、競技ディベートのルールとはズレている、という事です。
 
 
 
== ※ 範囲外かもしれないこと ==
この節で話すのは、競技ディベートではなく、ディスカッションの仕方の説明です。
 
ディスカッションでの議論の議題として、「○○すべきである。」といった意見を出すときは、そう思った具体的な理由を出しましょう。
 
 
 
たとえば、ディスカッションにふさわしくない提案のしかたとして「わが中学の図書室にマンガをもっと置くべきだ。」という提案だけで、なぜそう思ったのか理由のない提案のしかたがあります。
 
この提案だけで理由が無い提案は、競技ディベートの場合の最初の議題の出し方です。ディスカッションの提案の仕方ではないのです。
 
なんで、競技を目的としない議論としては、あまり良くない提案のしかたです。(※ いくつかの検定教科書が、競技ディベートの方法だけを「意見」として説明している。)
 
 
議論では、最初の理由の説明によって、しばらくはそれに合った話を皆でするので、よって最初の理由説明で議論の内容が大きく変わるのです。なので、議論の開催のさいには、あらかじめ、提案の根拠を述べるべきです。
 
 
たとえば、提案のときに、
 
:「わが中学の図書室にマンガをもっと置くべきです。なぜならマンガを置いて、図書室を利用する生徒を増やしたいからです。」
 
という理由なのか、あるいは、
 
:「わが中学の図書室にマンガをもっと置くべきです。なぜなら、マンガは今や日本が世界に誇る文化なので、過去の名作マンガも、若者が勉強するべき時代になったからです。」
 
という理由では、
 
その後の議論の内容が、大きく変わってきます。
 
 
もし図書室を利用する生徒を増やしたいという理由なら、「そもそも、なぜ利用する生徒を増やす必要があるのか? 利用者が少なくても良いのでは? 少ないと困ると考えている理由を話すべきだ」という反論などのように次の議論につながります。
 
いっぽう、「マンガは今や日本が世界に誇る文化なので、」なら、「だったら、ゲームもマンガ同様に、日本が誇る子供文化だが、それも置くべきと考えているのか?」などの反論・議論につながります。
 
 
このように、提案者や、議論の開始時点の理由で、その後の議論の方向は、大きく変わります。
 
 
なので、マジメな議論をする場合、提案に理由をつけくわえましょう。
 
理由のない提案の場合、そもそも議論に、マジメな人が集まらないのが普通です。
 
 
ディスカッションは、べつに勝ち負けを争う(あらそう)ものではないので、
:「わが中学の図書室に、図書室の職員から、置いてほしい本のリクエストが着ている。では、何を置くべきとリクエストすべきだろうか?」
のような、模索をする議題でも可能です。