「高等学校倫理/近代の合理的・科学的な思考と方法」の版間の差分

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===地動説===
===学問の方法===
アリストテレスの自然学の特徴は「目的」を重視したことにある。アリストテレスによれば、あらゆる自然物は自分の中になんらかの本性を持っており、その本性を実現することを目的としている。例えば、石が地面に落ちるのは、土から生まれた石が本来の場所である土に帰ろうとする「目的」があるから、つぼみが花開くのは、花こそが本性でありそれを目指そうとするからである。そのため、アリストテレスの方法では現象や物事の目的を探ることが目指重視される。このような方法にもとづく自然観を目的論的自然観という。
 
しかし、ルネサンスによってソクラテス以前のギリシャ哲学も見直されるようになると、目的論と対立する方法や自然観が注目されるようになる。特にデモクリトスの原子論は自然現象から目的や神の意志といったものを排除し、それぞれの要素が機械的に運動することによって説明する'''機械論的自然観'''に大きな影響を与えた。