「デコヒーレンスの本」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
M編集の要約なし
編集の要約なし
タグ: 2017年版ソースエディター
18 行
別の言い方をすれば、経路積分における波動関数の位相の振舞いはそのプロパゲータ-の指数部に含まれる「作用」の振舞いに支配されるが、その作用が物体の様々なパラメーター(位置、速度)の変化に対して最も鈍い点(停留点、鞍点)が古典的経路となるのです。
 
 摩擦みたいな不可逆な力、ではない力を「保存力」と言います。つまり、摩擦とかは「非保存力」です。保存力は、位置エネルギー(ポテンシャル)で記述されます。摩擦はミクロに見ると分子間の衝突などの保存力で表されるはず、という考え方があります。最小作用原理から導出される、オイラー・ラグランジュ方程式やハミルトンの正準方程式、ニュートン方程式は、保存力のみ含む場合、リュ-ビルの定理を満たします。リュ-ビルの定理とは、位相空間(縦軸が運動量p、横軸が位置q)における確率の保存を意味してます。原理的には全ての非保存力も微細に見れば保存力で記述されるべきならば、古典力学の基礎方程式は確率の保存を要請していると期待されます。
 
一方、量子力学も確率の保存を満たしています。その意味では、古典力学も量子力学もあまり変わらないといえます。量子力学の世界は普通、私達が暮らす古典力学の世界との違いが強調されますが、よく見ると色々な共通点も存在していることをに注意して下さい。
173 行
 
それでも、そのCP対称性の破れがそのまま、「この世界が物質で出来ている理由」なのかどうかは疑問です。
本当にビッグバンがあって、そこではエネルギー的に高温・高密度であったなら、加速器実験で可能な「希薄な状況」とは異なるはずです。環境効果(溶媒効果)としての粒子間相互作用が強ければ、素人考えでは、素粒子理論の人達が大切にしている「ユニタリ性」は成り立つのは難しいと思えます。熱的効果がCP対称性を破った可能性があると個人的には考えてます。まあ、研究しないけど(笑)