「独学ガイド/理工学一般/大学学部の中級レベルの科目」の版間の差分

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=== 量子力学などを後回しにする理由 ===
ノーベル賞受賞者の中村修二さんは、著書中で、自身が人類初の青色発光ダイオードをめざして研究開発していたとき、他者の論文で青色発光ダイオードの研究の実現可能性に否定的な「量子力学的なエネルギー論の理由により、青色発光ダイオードは実現不可能である」などと主張する論文を目にした、的なことを著書中で記述してます。
 
量子力学なんて、その程度の学問です。「理屈と膏薬(こうやく、※ 塗り薬)は、どこにでも付く」と言いますが、量子力学も、そういう理屈づけをするだけの学問です。
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アインシュタインは、「数学は物理に役立つ」的なことを言ってますが、事実はそうではないのです。じっさいは、物理学の中から、物理に役立なない無数の数式を追放していき、例外的に役だちそうと(物理学者たちに)思われてる数式だけが物理学の教科書に残っているだけです。昔のパウリなどの世代の物理学者は、そんだけの注意力があったのです。後世の物理学者には無くなったようですが。それで、先ほどの量子力学のような失態です。
 
 
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ほかにも、「ハイゼンベルグの不確定原理の数式に漏れがある」的な学説として、小澤の不等式が日本人の統計学者の小澤さんから提案されましたが、いまだに日本の大学の量子力学の物理教育はまったく改革せず、昔から伝えられてる方程式の解法を練習してるだけの、まるで古典芸能の伝統芸能のような連中です。
 
困ったことに大衆に科学リテラシーがないので、伝統芸能に堕した物理教育を、革新的な最先端の物理教育だと勘違いしてますが。愚民は周回遅れです。
 
ほら、たとえば東京の高校とかで10~20年前に流行した受験テクニックが、田舎では10~20年遅れてた現代になって田舎の進学校でやっと流行するみたいなもんですよ。
 
 
なので、先端分野の教科書は、鵜呑みにしてはいけません。ノーベル賞をとった野依さんや本庶さんも、「教科書を鵜呑みにするなよ」的なことを各所で言ってます。例外として数学や臨床医学・実験化学・古典物理などの一部の分野をのぞくと、実は大学教科書は、検証や信憑性がオザナリで怪しいのです。
 
あと、大学教授も信憑性が怪しいのです。
 
たとえば工学部の専門科目の教授のほとんどは、ろくに機械設計・回路設計が出来ません。そういう連中が工学教育のカリキュラムを考えてます。医学部みたいに、とりあえず教授でも臨床医としてのスキルが一応はある学部とは、工学部は事情が違うのです。
 
 
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射影幾何学とは、ルネッサンス美術とかの遠近法とかに影響を受けた幾何学理論なのですが、近年では、あまり手頃な教科書がないし、しかも、あまり現代では応用されないので、射影幾何学の学習は飛ばしましょう。
 
なお、3Dコンピューターグラフィックスのソフトウェアに線形代数や微分積分が応用されてますので、もし美術への数学の応用に興味があるなら、射影幾何学よりも、むしろ線形代数や微分積分を勉強したほうがイイでしょう。
 
 
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人文学がイマイチなのと同様に、人工知能の理論もイマイチです。
 
「AI研究に役立ってる」と自称・AI研究者や自称・統計学者にいわれても、そもそも、その自称「AI」が何の役に立ってるのか、不明です。AIは、ドラクエ4(ファミコン版)のクリフトのザラキ連発にでも、役立ってるんですかね。1980年ごろから、AIが期待されてますが、一向に、たいしたアルゴリズムは蓄積されれません。
 
仮に「AI」研究で実用化した分野があっても、その分野は「AI」という分類から外れます。ワープロソフト用などの文字列のプログラム的な解析や、あるいは各種の画像編集ソフトや音楽作成ソフトのなどの画像・音声などのプログラム的な解析などは、実用化前の昔はAIに含まれてた時代もありましたが、現代ではAIから外れてます。
 
まるで古代ギリシアやルネサンス期やフランス革命期には隆盛を誇った哲学が、現代では、研究者がほかの分野に抜けて、自称「哲学者」には(数学もろくに出来ない)イマイチな人しか残ってないのと同じですね。
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どうしても理系むけの統計学の本を買うのなら、当面は理工系または工学系の統計学の入門書を買いましょう。
 
数理物理学などの一部の学派ではルベーグ積分論などを使うかもしれませんが、しかし数理物理学じたいが、物理学からも見放されてます。また、自動車工学など実用的な工学から見放されています。
 
 
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いいですか、学問の理解ってのは、理解が深まるほど、初等的に説明できるようになるんですよ(ただし、聞く相手にやる気があることが前提)。これは、文系の分野でもニュース解説者の池上彰さんがよく言ってますが、理系の分野でもノーベル生物学の山中伸弥さんあたりが言ってます。(NHKの科学番組で、IPSのノーベル賞受賞者どうしの対談(相手はイギリスの偉い生物学者のガードンさん)の番組で、山中さんだったか、京都大の教授だったか、司会の科学ジャーナリストだったかが、たしか、そういってた。)
 
たとえば生物学だったら、最終的には、人体の仕組みがどうなってるのかとか、そういう素朴な疑問を解決しないような学説は、大した発見をできておらず、価値が低い、・・・的なことを、山中らは科学番組で言ってたのですよ。
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だから、ニセ勉強法を主張している人自身は、ウソを教えている自覚がありません。
 
実際の研究というのは、例えば例えばアインシュタインは、有名な「相対性理論」で、当時は物理とは無関係と考えられていた数学の一分野である「微分幾何学」「リーマン幾何学」という数学理論を活用してます。
 
ほかの物理学者も、物理学者のディラックが線形代数を参考にしたり、あるいは素粒子の日本人研究者が超伝導を参考にしたり、いろいろと他分野の知識を参考にしています。
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例えばアインシュタインは、有名な「相対性理論」の他にも、ブラウン運動の数学的研究や光電効果の研究など、いろんな研究をしています。
 
相対性理論そのものも、当時は物理とは無関係と考えられていた数学の一分野である「微分幾何学」「リーマン幾何学」という数学理論を活用してます。
 
マクスウェルの方程式のアイディアのもとになった化学者・物理学者ファラデーですら、電気磁気の法則だけの研究でなく、ロウソクの燃焼のしくみなどを研究しています。
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1990年くらいから、電機メーカーは「これからはシステムLSIの技術開発が重要だ!」とか言ってましたが、結局、なにがシステムLSIなのか、2018年のいまだに答えられず、結局、いまでは「システムLSI」とやらの研究が終了してます。
 
いつまでも定義のハッキリしない言葉を多く抱えた理論は、要するに、なにも実用化が進んでないという事です。
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研究とは、ある程度は現在の学説を疑うことから、始まります。アインシュタインはニュートン力学を疑っていたわけですから。
 
学説を検証するには、ある程度は複数個の学説の候補を用意しておくことです。法学なんかだと「○○説」とか存在して、そうなってますね。
 
理工学でも本来なら、単純な実験事実や統計などを除けば、ある程度は複数の学説が対立するべきです。対立した学説どうしが、競争を繰り広げるべきです。