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== 未分類 ==
=== 資源の希少性など ===
経済学では、考える資源は建前上は、有限である。
 
 
当たり前の前提かもしれないが、経済学以外の学問や評論では、しばしば資源の有限性を無視した議論(往々にして詭弁や暴論)が普及している場合もある。
 
クルーグマンやスティグリッツやマンキューなど、多くの経済学者も、彼らの教科書で、資源の希少性が経済学の前提であると説明している。
 
 
また、人々が望んだからと言って、それを生産できるとは、かぎらないと、マンキューは説明している。
 
 
これはwikibooks独自の比喩だが、たとえば医薬品として、エイズの完全治療薬を望んでも、それは現状の医学では生産不可能である。
 
数百年前の時代を上げれば、たとえば結核や らい病 の治療薬のなかった時代もあった。こういう例を考えれば、読者は納得していただけるだろうか。
 
 
このほか、資源を超えた量の生産は不可能である(とマンキュー曰く)。
 
 
経済では、「生産量」などを議論するが、上記のようなことが、建前上は前提になっている。
 
 
=== パレート効率 ===
しばしば「経済効率」という用語がニュースや経済評論などであるが、しかし現代の主流の経済学では、じつは経済「効率」は、特殊な事例をのぞいて数値化できていない。
 
そして、さらに経済学でいう、厳密に定義できる「効率」とは、じつは一般の国語や英語でいう効率とは、意味が異なる。
 
:※ なのでエコノミストのいう「経済効率」などの表現は、けっして鵜呑みにせず、注意深く吟味しよう。
 
経済学でいう「効率」とは、しばしば、「パレート効率」 (Pareto efficient)という概念のことである場合が多々ある。(昔は「パレート最適」と訳されていたが、最近は「パレート効率」や「パレート効率的」などとも訳されるようになった。)
 
 
パレート効率とは、たとえば、100人の民間人がいて、もし政治家などが経済政策で環境を変えたとき、その民間人100人の誰か一人以上に不利益・不満などを与えてしまう状況のとき、経済政策を変える前のもとの状態は「パレート効率的」である、とされる。
 
つまり、もし経済政策など環境条件を変えてしまうと、その社会(ある国など)での経済活動の参加者に、なんらかの不利益を与えてしまうとき、もとの環境は「パレート効率的」であるとされる。
 
 
ここで注意すべきことは、かならずしも、「パレート効率的」な状態が最高の状態とは限らないことである。
 
 
たとえば、無人島に2人の人のXさんとYさんが流れ着いて、1人ぶんの食料を毎日生産できる農地だけがあったとしよう。救援の船は、こないとする。
 
このうち、Xさんの人が農地を耕して自分(Xさん)のための食料を生産する状態を仮に状態Aとすれば、この場合は残り1人のYさんは死んでしまう。
 
 
だが、状態Aをやめて、もしYさんに農地を与えてYさんの生き延びさせたら(仮にこれを状態Bとする)、今度はXさんが死んでしまう。
 
なので、状態Aは、もし、そこから状態を変えるとXさんに不利益(死)を与えるのでパレート効率的である。
 
 
同様に、状態Bは、もし、そこから状態を変えるとYさんに不利益(死)を与えるのでパレート効率的である。
 
 
このように、パレート効率的な状態には、複数の異なる結果となる場合もある。かならずしも1つだけの結果とは限らない。
 
 
パレート効率的とは、単に、効率的でない状態よりかはマシ・・・な程度の意味でしかない。
 
無人島の2人の例にたとえれば、XさんもYさんも2人とも死ぬ状態(仮にCとしよう)と比べたら、状態Aや状態Bはマシなので、状態Aも状態Bもそれぞれパレート効率的である。
 
 
 
=== 価格統制 ===
経済政策の経験則として、価格統制は、結果的に混乱をもたらすことが多いとされ、あまり好ましくないとされる。クルーグマンやスティグリッツやマンキューなど、多くの経済学者も、彼らの教科書で、それを説明している。
 
クルーグマンは、ベネズエラ国のチャベス政権での食料価格統制の結果として、ベネズエラ国で食糧難が実際に起きたと主張している。
 
しかし、ステイグリッツに言わせれば、このような価格統制の失敗例の理論は必ずしも、政府が市場に介入すべきでない、という事ではなく、単に、介入するなら価格統制でない手段にするほうが良い、というだけのことである。(少なくともスティグリッツはそう彼の教科書で主張している。)
 
たとえば、何らかの業種での価格の上限規制の代わりに、買い手の側に補助金を与えるという代替案を、スティグリッツはそう主張している。
 
 
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