「経済学基礎」の版間の差分

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GDPデフレーターと消費者物価指数(CPI)の違い。
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なお、フィリップス曲線の理論と関連づけるなら、インフレが進行したときの失業率の減少は、この循環的失業の部分だとされている(とスティグリッツは言っている)。
 
 
== インフレと「実質」 ==
経済学では、インフレの考慮して修正した指標を実質〇〇(real 〇〇)のように言うことが多い。
 
実質GDPや実質利子率などがある。
 
 
実質というと、あたかも実態に近いように思われるが、単にインフレ分を割ったり差し引いただけである。
 
 
たとえば、実質利子率は、次のように引き算で定義される。
 
:実質利子率 = 名目の利子率 - インフレ率
 
 
この式なら、もし名目利子率が3%でインフレ率も3%なら、実質利子率は0%となるので、あたかも銀行に預けても利益がなさそうに誤解してしまう。
 
だが、もしこのインフレ状態で銀行に預けず、その資金を投資にも回さなければ、アナタの購買力は毎年3%ずつ減少していくだけである。
 
 
なお、実質GDPの数値は、銀行に預けた場合の購買力の増加を表している。
 
インフレ状態では銀行に預けないと、その資金での購買力が減るのだから、実質利子率が0%でも購買力を減らさずに現状維持できているのでメリットは存在する
 
 
なお、実質GDPとは名目GDPを物価の変化の水準で割り算したものである。なお、物価の変化の水準を物価指数という。
たとえば、リンゴでもハンバーガーでも何でもいいが、たとえばリンゴが基準年から20%価格上昇したら、物価水準は 1.2 (=1+0.2)である。
 
つまり、
 
:実質GDP = 名目GDP / 物価指数
 
である。
 
 
:(※ wikibooks追記: もちろんリンゴだけでなく、通常は、いくつもの種類の商品の価格の変動を考慮する。少なくとも日本ではそうである。)
 
:※ 実質GDPの物価指数は計算の方法は、「消費者物価指数」(CPI)とほぼ同じなのだが、しかし、実質GDPの計算の場合のインフレ度合の算出では、係数がCPIの場合とは違うため、両者の数値にときどき違いが出る。実質GDPはその名の国内総生産(GDP)のとおり、国内生産に関する商品の価格変化を重視しており、いっぽう消費者物価指数(CPI)では、消費者には輸入品の価格も関係しているので輸入品の価格も比較的に強めに考慮するので、CPIと実質GDP算出用の物価指数との間に差異が出る。
 
 
なお、(名目GDP / 実質GDP )×100 をGDPデフレーターという。
 
つまり、
:GDPデフレーター = (名目GDP / 実質GDP )×100
 
である。
 
 
ネットでは、しばしば誤解されるが、先に実質GDPが算出され、あとからGDPデフレーターが算出されるのである。
 
GDPデフレーターを算出するのは、実質GDPを算出する必要があり、結局、物価指数を算出する必要がある。
 
 
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