「経済学基礎」の版間の差分
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減価償却とか機会費用とか、経済教科書によく書いてあるアレの説明 |
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経済では、「生産量」などを議論するが、上記のようなことが、建前上は前提になっている。
=== 初歩の経理的なお話 ===
典型的な「生産」における「費用」の用語を解説する。
* 人件費とは
まず、会社が労働者を雇うには、その労働者に給料を払う必要がある。
このような、労働者に払う給料など、従業員を確保するためにかかる費用のことを、(日本では)一般に「'''人件費'''」という。
* 固定費とは
さて、人間だけでは生産ができず、なんらかの土地や設備が必要である。
説明を簡単にするため、製造業などの工場を考えよう。
まず、その工場の用地を確保するための費用が必要である。
そして、土地を確保したあとも、固定資産税などを毎年払う必要がある。
土地の購入費用は1回購入してしまえば、翌年からはかからないが、しかし固定資産税は毎年かかる。
この固定資産税のように、毎期間、かかる費用のことを「'''固定費'''」(fixed cost)という。
なお、会計の分野では、(保有株式などの)債券の利子も固定費に含めるが、しかし会計の制度に依存する内容なので、
本書では説明を省略する。
* 減価償却とは
さて、その工場の持っている機械などの設備は、年月が経てば、さびたり摩耗したりして、劣化していく。
このため、設備の価値は、数十年後には0円になる(もしくは大幅に価値が減額する)として、計算する。
このように、経年による設備の劣化を考慮して、その工場の保有資産の価値の計算の際に、保有価値の金額を設備の劣化ぶんだけ減らしていくことを、
減価償却(げんか しょうきゃく、deprecation)という。
減価償却の基準は(1年ごとに何割減らしていくかとか)法律や業界の制度などによって、あらかじめ決まっているので、経理の際には、その制度に従って経理処理する。
* 変動費
さて、固定費があるなら「変動費」もあるわけだ。
工場の'''変動費'''(variable cost)は、たとえば原材料費などである。
人件費が固定費か変動費かは、その会社の経営方針や業界などの慣習によって異なりかねないので、本書では言及しない。
=== 機会費用 ===
たとえば、大学に留年を1回したとしましょう。
で、大学の学費が年間で100万円だとしましゅう。
そうすると、あなた(およびアナタの家は)100万円の損をしたように感じるでしょうか?
実は、それ以上の損をしているかもしれません。それがこれから話す「機会費用」です。
あなたが留年して卒業が1年遅れたとすると、定年までに(パート労働ではなく)フルタイムで働ける年数も(少なくとも)1年減ります。
すると、そのぶんの賃金を手にする機会も減ったことになります。
たとえば、一般の会社に就職して、フルタイムで1年間働けば、どんなに低賃金の会社でも、普通は年間200万円くらいの給料はもらえます。
すると、損した金額は、大学の学費100万円だけでなく、さらに+200万年の計算をする必要があるかもしれません。
つまり、合計300万円、損したことになるかもしれません。
こういった考え方が、機会費用です。
さて、合計額の300万円のほうが機会費用の金額なのか、それとも200万円のほうが機会費用の金額なのか、そういうことはあまり本質的でないので、説明を省略します。
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