「経済学基礎」の版間の差分

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しかし近年の研究の結果、実はニューディール政策よりも前に、1930年代の日本の高橋是清・蔵相の不況対策で、似たような不況対策のための積極的な財政政策がとられていることが、しだいに分かってきた。<ref>福田慎一・照山博司『マクロ経済学・入門』、有斐閣、2016年3月30日 第5版 第1刷、194ページ</ref>。
 
 
また、2008~2009年ごろのリーマンショックやサブプライムショックなどの対策としても、銀行の救済や公共事業などによる積極財政や金融政策がとられた。
また、日本以外にも、1930年代のドイツでの独裁者ヒトラー政権下でも、ドイツの経済学者シャハト博士の助言のもとに、ヒトラー政権は公共事業(高速道路アウトバーン建設など)や軍備増強などのための投資により、積極的にドイツ政府は財政拡大をして投資したことが分かっています。(※ 日本では1990年代の経済評論で、すでにヒトラーによる経済対策の成功は知れ渡っていたことです。)
 
:※ ヒトラーはユダヤ人迫害の政策などが人道的に批判されているので、あまり大っぴらにヒトラーの経済政策を喧伝するわけにはいかない事情もあり、
:中学高校の経済教育では語られないし(日本では高校の世界史で少し言及される可能性があるくらい)、大学の経済入門でもなかなか語られないが、しかし経済の歴史的にはヒトラーの経済政策が成功したのが事実。
:ちなみに、ヒトラーが登場当初、ドイツや周辺諸国でも意外と人気が高かった理由のひとつとして、この経済政策の成功が、よく現代の経済評論家などからも指摘される。
 
 
1940年代アメリカのニューディール政策は、べつに、けっして先例の何もない所から着想を得たわけではなく、またけっしてケインズの理論だけを頼りにニューディール政策を思いついたわけでもなく、日本やドイツの不況対策の成功例も参考にしてニューディール政策の着想が得られた可能性が高いわけです。
 
 
またさて近年、2008~2009年ごろのリーマンショックやサブプライムショックなどの対策としても、銀行の救済や公共事業などによる積極財政や金融政策がとられた。
 
このような、不況対策や経済発展などのために政府が積極的に公共事業や融資や民間への資金援助などを行う政策を一般に「ケインズ政策」といい、また、そのような積極財政が不況対策に効果的だと信じる経済思想のことを一般に「ケインズ主義」という。