「中学数学1年 データの活用」の版間の差分

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椎楽 (トーク | 投稿記録)
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演習問題は[[数学演習 中学校1年生/資料の散らばりと代表値|こちら]]にあります。
 
== 資料の測定 ==
世の中には様々な統計資料がある。ここではどのようにまとめられているかを見て行こう。
 
 
=== 近似値 ===
 
たとえば、エンピツの長さを定規(じょうぎ)で測定してみて、測定値が 8.5 ミリメートルという結果だとしても、
 
そのエンピツの長さは、8.51ミリメートルかもしれないし、8.49999ミリメートルかもしれないし、ピッタリと長さが8.5000000000000000000000000000000000000000000000・・・・ ミリメートルなのかは不明です。
 
つまり、人類の測定の方法では、長さや重さなどの量については、どんなに精度の良い測定をしても、本当の測定値を知ることはできません。
 
:※ ある市町村の人口とかの人数とか、誰かが持っている ある物 の個数の測定なら、真の値を知ることができる場合もある。
 
測定値のように、真の値に近い数値のことを'''近似値'''(きんじち、英:approximate value アプロキシメト・バリュー)といいます。
 
:(※ 「測定値」とは、実際に量を測定して得られた値。)
 
 
円周率として用いる 3.14 も近似値です。
 
 
(長さや重さなどの測定値だけでなく、)そのほか、四則計算の計算結果などでも、真の値に近い数値のことを近似値といいます。
 
たとえば <math>40 \div 7</math> を計算すると、5.174……と割り切れない。そこで、四捨五入して小数第2位まで求めるとすると5.17となる。
 
また、小学校でならった概数(がいすう)も、近似値である。
:(概数(がいすう)とは、大きな数の概数なら、たとえば、ある市町村の人口が19763人だったときに20000人と近似した数のこと。)
 
 
また、近似値から 真の値 を引いたものを '''誤差''' (ごさ)といいます。
 
つまり、
:;(誤差) = (近似値)-(真の値)
である。
 
 
 
;例題
ある市町村の人口が正確には19763人だが、これを20000人と近似した。このときの誤差を求めよ。
(答え) 「-237 人 」または 「マイナス237人」
 
=== (※ 整理中) 誤差(ごさ)の計算例===
次の問題を考えてみよう。
* 縦25.2cm×横17.5cmの長方形の面積を答えなさい。
 
「25.2」と「17.5」の有効数字は3桁である。したがって小数第2位で四捨五入されているため実際の値は「25.15以上25.25未満」・「17.45以上17.55未満」の範囲となる。
 
すると「25.15×17.45=438.8675」以上「25.25×17.55=443.1375」未満である数値に真の面積の値があることが分かる。実際に算出した数値と真の数値とのズレを'''誤差'''(ごさ、英:error エラー)と言う。誤差は大きく以下のようにして生まれる。
 
* 測定する環境による誤差(気温・天気・湿度により測定対象は僅かながら伸縮したりなど毎回異なる反応を起こす)
* 測定する器具の精度による誤差(最小めもりが1mmである定規は0.1mm単位以下は精密に測れない)
* 読み取り時に起こる誤差(同じものを同じ器具で測定しても違う人が数値を読めば読み取られた数値がそれぞれ異なることもあり得る)
 
 
=== 有効数字(ゆうこうすうじ) ===
==== 数値のケタの信頼性と計算 ====
:※ こういう意義の説明は、たぶん中学の数学では範囲外。数学の教科書では説明が見当たらない。ただし、中学2年の理科で、似たような事を習う。(中2の理科の巻末にあるコラム的な章に有効数字の性質や意義が書いてある。) 理科のほうで中2で、有効数字どうしを含む数の、かけ算と割り算を習う。
 
たとえば、重さ計で、ある物(仮にAとしよう)の重さを調べた結果、重さは「30g」とされる、ある物があったとしよう。
 
この物 A を121個あつめたときの重さは、どんだけ信用できるか?
 
 
まず、市販の重さ計 には、あまり精度(せいど)の高くない計器もあり、あまり細かい数字は、信用できない。(たとえば、体重計で1円玉の重さを調べても、まったく反応しないだろう。)
 
仮に、われわれの、この問題で使っている重さ計の精度が、10gまでの精度でしか細かく調べられない 重さ計 だとしよう。
 
10グラムの精度しかない重さ計で調べた結果「30g」と出た重さの数字が冒頭の1ケタ目「3」しか信用できない物を、そんな121個というふうに3ケタも掛け算して合計の重さを知ろうとすることに、日常生活で、そんなに意義があるだろうか?
 
 
こういうふうに、計器の精度が良くない場合に、あまり細かい数字を計算しても、無駄である。
 
 
なので、冒頭で「この物 A を121個あつめたときの重さは、」という問題を出してみたが、実用的には、せいぜい「この物 A を'''120'''個あつめたときの重さ」くらいを考えればよいか、または、もっと大胆(だいたん)に「この物 A を'''100個'''あつめたときの重さ」が分かれば日常生活では充分(じゅうぶん)なことも多い。
 
 
 
==== 有効数字とは ====
さきほどの議論を整理するために、まず用語を新しく紹介する。
 
数値がある場合に、実際の数字がその表示どおりにピッタリと一致しているだろうと信頼できるケタの数を '''有効数字'''(ゆうこうすうじ、英:significant figures シグニフィキャント・フィギュアーズ) という。
 
 
たとえば、100g精度の重さ計(かりに重さ計 B とする)で調べた結果の重さが「2400g」の物ならば、有効数字は2ケタである。(「2400」の上2ケタの「24」が信用できるので。)
 
「2400」の有効数字が 2ケタの場合であることを強調する場合、
 
たとえば
:2.4×10<sup>3</sup>
のように、小数と指数をつかって、小数のがわを有効数字のケタの分だけ表す。たとえば「2.4」は、「2」「4」で合計3ケタである。
 
また、有効数字の記法では、小数の部分は、整数の位(例では「2」の部分)が1ケタである。有効数字の記法での指数の部分は、10の何乗かの形で表す。
 
有効数字の記法では
:2.4×10<sup>3</sup> g
のように、単位を必要に応じて、末尾などに、おぎなってもいい。
 
 
単に「2400」だけだと、重さの精度1gの べつの重さ計(かりに重さ計Cとする)なのか、それとも重さの精度10gの重さ計(かりに重さ計Dとする)の結果なのかなのか、区別がつかない。
 
さて、もし、重さの精度1gの重さ計Cで調べた結果「2400」だった場合は、「2400」のうち信用できる数字は「2400」なので、有効数字が4ケタである。この重さ計Cの結果を指数であらわすと、
:2.400×10<sup>3</sup>
のように、小数の部分が有効数字のぶんケタ数(例の場合は4ケタ)になる。
 
 
 
;問題
精度10gの重さ計で、ある物の重さを調べた結果、1600gだった。
 
この「1600」を、有効数字を意識して、指数と小数の表記に書き換えよ。
 
 
:(解法と答え)
精度が10gなので、「1600」のうち、信用できるのは「160」であるので、有効数字は3ケタである。
 
なので、
:1.60×10<sup>3</sup>     (答え)
である。
 
 
 
'''注意''':<math> {10}^{-11} </math>とは<math> \frac{1}{{10}^{11}} </math>と言う意味。詳しくは[[高等学校数学II いろいろな関数#指数法則|高等学校数学]]の範囲である。
 
 
 
 
;天文学的な数の近似値
 
:(例 1)
木星の半径は、71500 km です。ただし、有効数字3ケタで 7,1,5 は有効数字です。
 
木星の半径を、10の累乗の指数をつかった有効数字の表記になおしなさい。
 
 
(答え)
:7.15×10<sup>4</sup> km
 
 
:(例 2)
地球から太陽までの距離は「<big>149600000 km</big>」とあらわされる場合がある。もし有効数字が上4ケタぶんの 1,4,9,6 だとした場合、この(地球から太陽までの)距離を、10の累乗の指数をつかった有効数字の表記になおしなさい。
 
 
(答え)
:1.496×10<sup>8</sup> km
 
 
==== ※ 記述の整理中 ====
一般的に10の整数乗に掛けられる数字は''1以上10未満''の数である。これを用いると<math> 946 \times {10}^{13} </math>は<math> 9.46 \times {10}^{15} </math>となり、<math> 25 \times {10}^{-11} </math>は<math> 2.5 \times {10}^{-10} </math>と書き換えられる。
 
==== 有効数字の桁数 ====
有効数字の桁数は、0以外の数字が初めて出てきた位以下の数字の数により決まる。
 
例えば以下の通りに桁数は決まる。
* 20.5 は「2」「0」「5」の3つの数字があるので有効桁数は3
* 12345 は「1」「2」「3」「4」「5」の5つの数字があるので有効桁数は5
* 0.069 の「0」以外の先頭の数字は「6」である。「6」がある位以下には「6」「9」の2つの数字があるので有効桁数は2
* 3.000 は「3」「0」「0」「0」の4つの数字があるので有効桁数は4
 
有効数字の桁数は上から何桁目で四捨五入されているかを表す大事な記述である。20.5を例に取るならば、この数の有効桁数は3であるので小数第2位で四捨五入されている。故に、20.45以上20.55未満の範囲であることを表す。逆も同じで、20.5を有効桁数2としたければ小数第1位を四捨五入し21と表せばよい。
 
上記により、有効数字の桁数により同じ数が書かれていても意味は異なる。例えば「100」と「100.00」の2つがあるとして前者の場合は「99.5以上100.5未満」である範囲を表すが、後者の場合は「99.995以上100.005未満」の範囲を表す。
 
また10mは1000cmであるが「1000cm」のように書くと有効数字の桁数がいくらなのかは判断しにくい。有効数字の桁数をはっきりさせたい場合は例えば左の例を有効数字2桁とするならば<math> 1.0 \times {10}^{3} </math>cmとすることが必要となる。
 
== 資料の活用 ==