「高等学校政治経済/政治/世界のおもな政治体制」の版間の差分

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世界では、国会で二大政党の実現している国は少なく、二大政党が長期に実現している国はアメリカとイギリスのみである(※ 参考文献: 清水書院『ニュース解説室へようこそ 2018-19』)。)
高校生向けの文章であることを踏まえ、基本的な漢字を用いた用語に附されたルビを削除。高校政経で最低限学ぶべき重要用語を附記。主筆者の主観に基づいた不必要な記述を削除。
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下院の権限が優越している。下院は、国民が直接選ぶので、より民意に近いと考えられているので、下院が優越しているのである。
 
首相は、慣例的に、下院の多数党(与党)の党首がなる。そして内閣は、その首相が組織し、普通は与党などから閣僚(かくりょう)が選ばれる。この首相を任命するのは国王であるのだが、そもそも名目上は行政府主権を持つの今でも国王なので、国王が首相を任命するという慣習になっている。
 
イギリスでは、野党も、慣習的に、内閣のような議員の組織を作っている。野党のつくる、この組織を「'''影の内閣'''」(かげのないかく、shadow(Shadow cabinet)Cabinet)といい、つぎの政権交代に備えている。
内閣は議会(下院)に対して連帯して責任を負う。
内閣が議会からの信任がなくなった場合、内閣は総辞職または解散総選挙をしなければならない。解散総選挙をするのは、国民に信を問うためである。
19 行
 
==== アメリカ ====
アメリカは大統領制の国である。アメリカでは大統領は行政府の長(ちょう)であり、国家元首である。
 
アメリカの大統領制について語る。
26 行
このように、行政府の長である大統領が、立法府からの信任を必要とはしないので、アメリカでは行政府と立法府との分離が、ほかの国よりも明確である。
 
そして、大統領と議会とが、相手が暴走しないように、おたがいに抑止(抑制均衡:チェック・アンド・バランス)しあうことが期待される制度になっている。つぎのような制度になっている。
 
大統領には、議会の可決した法案への'''拒否権'''がある。大統領には、議会へ、大統領の考える政策を意見する'''教書'''(きょうしょ)を送って示す権限がある。
 
アメリカでは議会が大統領を支持するとは限らないが、大統領もまた議会の法案を支持するとは限らないのである。
 
大統領によって拒否された法案でも、両院の三分のニ以上の多数の賛成があれば、大統領の書名をずに、その法案が可決して法律となる。
 
大統領には、議会に法案を提出する権限は無い。また、議会に解散を命じる権利を、大統領は持たない。
 
 
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(※ アメリカは制度的には二大政党を規定していなが、アメリカも事実上の二大政党制の国である。なお、世界では、国会で二大政党の実現している国は少なく、二大政党が長期に実現している国はアメリカとイギリスのみである(※ 参考文献: 清水書院『ニュース解説室へようこそ 2018-19』)。)
 
:※ 清水書院の参考文献が、わざわざ、こういうデータを紹介する背景のひとつとして、日本には、「海外では二大政党が当然」(×)とかウソをつくインチキ野郎がいるので、学生がダマされないように忠告しているという面もある。インチキ野郎の支持する政党が、野党第一党だったりするときに、「海外では二大政党が当然」(×)というウソをまきちらしたりする。
 
 
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現在(2015年)、社会主義国を維持している国は、中国・ベトナム・キューバ・北朝鮮などである。中国は今でも一党独裁である。
 
中国では1989年に、学生などが民主化を求めるデモを起こしたが、中国政府によって弾圧された。この1989年の弾圧を天安門事件(てんあんもん じけん)という。
 
現代のロシアは、名目上は民主主義国であり、社会主義国ではない。東欧の多くの国は、民主主義国である。
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==== 中国 ====
中国の立法府は全国人民代表大会(ぜんこくじんみん だいひょう たいかい)であり( 略して全人代(ぜんじんだい) )、これが中国の最高機関である。また、中国の立法府は一院制である。
 
全人代は毎年一回、開催される。全人代に解散は無い。全人代の議員の任期は5年である。
 
中国の行政府は国務院(こくむいん)といい、全人代よりも低い権力の組織である。司法についても、中国の最高司法機関である最高人民法院は、全人代よりも低い権力である。
 
 
経済政策については、現在の中国では市場経済(社会主義市場経済)が取り入れられており、私有財産は、ほぼ認められている。
中国の政治は「社会主義」とは言うものの、マルクスやエンゲルスの考えた「社会主義」とは、中国の「社会主義」は違っている。
 
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民主主義を取り入れた新興国の中には、貧困などのため、なかなか民主主義の確立がうまく行かず、国内の民族対立などで混乱した国もあった。
 
冷戦下の韓国は、経済開発を民主化よりも優先して目指す国が現れ、そのための独裁をした。これを'''開発独裁'''(かいはつ どくさい)という。