「宇宙の膨張とビッグバン」の版間の差分

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→‎膨張とその始まり: 有名なビッグバンの名前に関することを追加。
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しかし、これは宇宙膨張の中心が地球であることは示していない。例えば仮に宇宙が点Aを中心に膨張しているとすると地球はAから離れていく。そうすると他の星との位置関係もズレが生じるためそれが後退速度として観測される<ref group=注>実は宇宙は一様で等方的だという'''宇宙原理'''により中心を決めることができないのでこの説明は間違っているのだが膨張のイメージと地球が中心ではないということを伝えるためにあえてこのような説明をしている。</ref>。つまり、後退速度を宇宙の膨張する中心からの距離と考えてはいけない。
 
そして今膨張が起こっていると分かっているが、今膨張しているということは宇宙のいちばん初期の頃のとても小さい点が膨張して今に至ったということが考えられる。この小さい点から大爆発が起こり、宇宙の膨張が始まっていったということを'''ビッグバン'''<ref group=注>ビッグバンをビックバンと綴り誤る人もいるが、ふつうはビッグバンなので間違えないように。</ref>という。ビッグバンはまだ理論上のことであり、この理論は'''ビッグバン宇宙論'''と言われる。これを初めて提案したのは'''ジョージ・ガモフ'''である。余談だがこのビッグバンという名称はこれに反対するフレッド・ホイルが揶揄してつけた名前であるが逆にこれが皮肉となってしまったのは有名である。
 
ビッグバン初期はこの小さい点に密集していたと考えられるため密度と温度はかなり高いはずである。その頃にはヘリウムの元素合成が行われ、今の重量比24%とほぼ同じになった(原子数の比では8%である)。この元素合成のことを'''ビッグバン元素合成'''という。ビッグバン元素合成ではリチウム程度までの軽元素しか作られておらず、後に[[恒星]]で核融合反応が起こることによって我々にとって身近な炭素や窒素、酸素などが作られていった。