「学習方法/高校日本史」の版間の差分

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椎楽 (トーク | 投稿記録)
途中まで。なお、歴史学習を舐めくさった記述は削除。論理的な理解ができないと暗記もできないよ。
椎楽 (トーク | 投稿記録)
現状、古文の知識は日本史では問われないので一部カット。それに、別の教科書を使うなど観念論にすぎない。
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第一のステップとして、日本史がどのような過程をおってきたのかを大雑把でも構わないので、理解することから始めよう。各時代の細かい内容はとりあえず後回しでよい。学校の授業はどうしても、一つ一つの時代を丁寧に扱うため、各時代のつながりがぼやけがちである。
 
元から歴史が比較的得意だったり、好きだったりする場合や、活字に拒否反応が無ければ大手予備校から出版されている講義形式のテキストを読んでもいい。しかし、そうではない場合や、基礎の土台づくりをしておきたいという人は以下の方法を活用してみよう
 
=== 歴史マンガの活用 ===
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*『学習まんが少年少女日本の歴史』(小学館)
**日本史マンガの定番。基本的に小学生を対象としているが、中学受験から大学受験まで使える幅の広さが魅力。
**監修がしっかりしており、作者の力量もあった。そのため、複雑怪奇なことで知られる南北朝の争いを手堅くまとめているなど、コンパクトでありながら良質。人物事典や施設・資料館事典もついている
**古代から江戸時代までが充実している半面、近現代史はやや薄い。なお、現代史にとんでもない捏造があるのだが……それについては各自調べてほしい。
**場合によっては学校図書室や公立図書館にも置かれている可能性があるため、財布にもやさしい。
**作者のあおむら純氏・監修の児玉幸多氏が二人とも亡くなっているため、20巻以前(当初に発売された部分。昭和まで)の修正がほぼ絶望的。
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**ともすれば無味乾燥な歴史の話題に彩りを添えるため、歴史への興味を持ちやすい。
*短所
**面白さを第一としているため、正確さに欠けることが多い。誇張はザラで、場合によっては、誇張や俗説、現在では否定されている古い説や俗説、完全な作り話、独自研究が混ざっている場合も。
**一つの時代や出来事に特化しているため、特定の時代(それも戦国時代や幕末など、人気の高い時代だけ)にかたよっている。
**アラカルト的で、通時的ではないものも多い。例えば、第一回が江戸時代、第二回が鎌倉時代……という具合に。そのため、全体像の把握という点では役に立たないこともある。
 
== 教科書語句傾向対策 ==
=== まとめの手順 ===
 まとめの手順は、教科書の索引で、書く語句の登場するページを知る。そのページおいて、その語句の登場する文章を確認する。あわせて用語集も引く。その書き抜いた文章のなかの、他の固有名詞についても、索引をつかって調べ、また用語集も引く、というものである。
 
 このようにして調べた説明を、ノートや教科書の余白に書き加える。それにより、別々のページに書かれている事柄を、つなげてとらえることもできる。
 
=== まとめの注意点 ===
 まとめの注意点は、教科書の文章を、内容を省いて写さない。しかし、文章は短い方が記憶しやすいため、同じ内容でも、少ない字数でまとめられるように工夫するとよい。
 
工夫としては、たとえば
#修飾フレーズを頭にのせる。
 
 たとえば、青木昆陽(あおき こんよう)の説明を覚えるときには、けっして「蘭学・オランダ語習得をし、その習得は幕府書物方において行った」とはせず、つぎのように「幕府書物方で蘭学・オランダ語習得をした」としたほうが短いので覚えやすいだろう。けっして、その習得は~、と後からつけくわえるのではなく、修飾フレーズを頭にのせた文を覚える。このようにすると、文章の密度が高まり、記憶の負担が減る。
 
# 漢字表現の使用。
 たとえば、「漢訳洋書の輸入制限を緩和した徳川吉宗」ではなく、「漢訳洋書 輸入制限 緩和をした徳川吉宗」と、熟語の間にある「の」「を」を、可能ならば省略し、できるだけ漢字を連ねた表現にする。
 
# 他の出版社の教科書の使用
 より詳細に勉強するには、同じ教科書の索引でしらべるだけでなく、他の出版社の教科書の索引も使う。たとえば、山川出版の『詳説日本史』を学校で使っているなら、実教出版の『日本史B』も買う。そして『日本史B』の索引でもしらべる。他の出版社の教科書の購入方法については、 [[小学校・中学校・高等学校の学習/検定教科書の購入方法|検定教科書の購入方法]] または [[学習全般]] を参照。
 
== 教科書との付き合い方 ==
=== 検定教科書の傾向 ===
じつは、1600年「関ヶ原の戦い」より以降の話題が、検定教科書では、教科書全体の半分(もしくは半分以上)である。つまり江戸時代を含んで江戸以降が、教科書では半分以上である。
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=== 教科書を読む順序 ===
==== 案1 : 古代から順に読む ====
検定教科書の読み片のひとつとして、古代から順番に読むというのも、ひとつのがオーソドックスな方法である。
 
普通の歴史教科書は通史なので、当然ながら、なるべく古代から順番に読んだほうが読者が深い理解をしやすいように、通史の検定教科書は作られている。「戦国時代が好き!」とかの特に強いコダワリがなければ、古代から順番に読むのも良いだろう
 
もし「戦国時代が好き!」とかの特に強いコダワリがなければ、古代から順番に読むのも良いだろう。
 
もし、教科書を読んでて古代から順に読む方法が「自分には合わない」と感じるなら、例えば、次のような順番で読む方法がある。
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おそらく多くの読者の興味は、ドラマ・マンガ・ゲームなどになりやすい戦国時代や幕末、もしくは、服装などが現代に近い明治時代以降に興味があるだろう(明治以降は制度が現代に近い)。
 
また、日本史の検定教科書はある程度、途中から読み始めても内容が理解できるように、時代区分ごとの単元で詳しく説明されている。そもそも、そのように整理されてないと、公教育としての教育的意義が無い
 
興味ある分野からの読み方は、長所として興味を持続しやすいし他科目にも応用しやすいが反面、短所として深い理解には到達しづらいというのがある。理解が深まらないと、興味を広げづらい。また、各時代ごとのつながりをしっかり意識しておかなければ、ぶつ切りの知識にとどまり、役に立たない。戦国時代だけ、幕末だけ妙に詳しくても仕方ないのである。
 
興味と理解とのバランスが重要である。
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ただし、この方法は上級者向けである。記述式が多い国公立大学や一部の私立大学の入試日本史で、理由などを記述させるものの対策には有効であるし、出来事のつながりを深く理解するのにもよい。だが、元々の出来事の流れをある程度理解していないとかえって、混乱のもととなる。
 
=== 資料集も有効活用する ===
山川出版社(以下、山川)の『詳説 日本史』は、語句の多いことで有名なので受験対策として評判が高い。また、大学入試です日本史・世界史は、センター(大学入試共通テスト)・国公立二次、私立いずれも山川ベースとなっているためこれをきっちりやりこむことが基本となる。しかし、じつは掲載語句を多く紹介するために、ひとつひとつの話題の掘り下げが、やや浅くなっている。かといって、別の出版社の教科書を使う必要はない。二冊も教科書を使えばもてあますこと間違いなしである
 
掘り下げをしたいのであれば、まず学校でも配布される資料集を利用しよう。こちらは図表も豊富であり、ビジュアル面での補足が期待できる。また、教科書では簡単な説明しかできなかったことが念入りに説明されていたりする。
 
== 深入りすべきではないことについて ==
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小学校から高校まででならう歴史は、日本史の全体像を時系列にそってとらえていくことが目指されている。これを通史という。そのため、歴史上の人物の人生には深く立ち入らない。基本的に、「誰が」「何をしたか」を整理しておけば十分なのである。歴史上の人物関係は、日本史の大きな流れとかかわりがない限り覚える必要はない。
 
なお、いわゆる偉人伝はそもそも歴史学ではない'''歴史文学'''である。たまに司馬遼太郎などの歴史小説を史実と勘違いする「歴史ファン」がいるが、偉人伝を史実だと思いこむ人もまた同レベルであると言っておこう。無論、歴史になじむために偉人伝や歴史小説を読むのは悪くはない。最初に紹介したように歴史マンガも歴史の学習の一助になる。

だが、それ書くことや読むことが歴史学・歴史研究であると勘違いしてはならない。繰り返すが、これらは文芸・芸術の類である。こういうことを勘違いしたままで文学部や教育学部の歴史科に入ってきて、実際の歴史学・研究においては信長や秀吉といった偉人華々しい活躍とは全く無縁の、ひたすら史料に当たる「地味さ」と緻密さと厳密さに絶望するという悲喜劇をよく目にするので、ここで釘を刺しておく。
 
=== 史料問題 ===
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このような出題になる理由は、古文書などの史料を読み解くには、[[w:史料批判|史料批判]]という分析方法が必要だからだ。しかし、史料批判には専門的な知識が必要であり、一般的な高校で実施される教育([[w:普通教育|普通教育]])の片手間でできるものではない。そのため、入試では「日本国民の一般常識」の範囲内で読める程度の史料しか扱えない。
 
だから、史料集は、一通りの通読をするぐらいで充分だろう。その上で、大学受験生ならば各大学の出題傾向や赤本・予備校の分析をもとに取り組めばよい。
 
=== 神話 ===
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(このようなことを一々書く必要はないのだが、少し補足する。『古事記』などの神話的な出来事を史実だと思いこんでいる、戦前からの亡霊のような人間が現代にも一定程度いる。そうした人々の中には社会的影響力を持っている人もおり、「神話を歴史の一部としてもっと教えるべきだ」と教育内容にも口出しをすることもある。だが、こうした意見に惑わされてはならない。そのため、蛇足だが説明しておくのである)
 
 
== 国語の古文も読む ==
本屋に行って、参考書コーナーの国語の参考書の場所に、『平家物語』など古典の和訳本が売っています。値段も安いので、シリーズひととおり買って来て、読みましょう。
 
国語科目の成績もアップするし、日本史の記憶力もアップするので、一石二鳥です。
 
『国語総合』科目だけでなく、『古典B』で出てくるような古典も、いっしょに日本語訳を読んでしまいましょう。
 
しかも、入試の日本史で問われやすい古典作品は、「国語」教科でも紹介されやすい作品の場合が多いので、一石二鳥です。
 
文芸の歴史の勉強については、江戸時代までの作品なら、国語の参考書で原作の日本語訳を読んでしまったほうが、てっとり早いです。
 
ただし、入試の日本史には、古典文学の文章は出ませんので、その事には注意してください。
 
== 山川出版だけを読まない ==
山川出版の『詳説 日本史』は、語句の多いことで有名なので受験対策として評判が高いのですが、しかし、じつは掲載語句を多く紹介するために、ひとつひとつの話題の掘り下げが、やや浅くなっています。
 
また、日本の大学受験では、山川出版の教科書が受験日本史の定番となってることを意識してか、受験競争の暗記競走を激化させないためにか、山川の教科書では、あえて説明を省いている話題もあります。
 
なので、実教出版あたりの教科書で、詳細な補足説明を補いましょう。実教出版が、厚めの教科書を出しており、説明も、ややマニアックなことまで、説明していたりします。ただし、マニアックなことまで実教出版の教科書には書いてあるので、それは覚える必要がありません。山川と実教の両方に書いてある話題を中心に勉強しておけば、とりあえず、問題は無いと思います。
 
基本的に「大は小をかねる」ですので、分厚い山川出版や実教出版の教科書をつかっておけば、他社のうすめの教科書は使わずに済むかもしれません。
 
 
== 語句のまとめ ==
=== まとめの手順 ===
 まとめの手順は、教科書の索引で、書く語句の登場するページを知る。そのページおいて、その語句の登場する文章を確認する。あわせて用語集も引く。その書き抜いた文章のなかの、他の固有名詞についても、索引をつかって調べ、また用語集も引く、というものである。
 
 このようにして調べた説明を、ノートや教科書の余白に書き加える。それにより、別々のページに書かれている事柄を、つなげてとらえることもできる。
 
=== まとめの注意点 ===
 まとめの注意点は、教科書の文章を、内容を省いて写さない。しかし、文章は短い方が記憶しやすいため、同じ内容でも、少ない字数でまとめられるように工夫するとよい。
 
工夫としては、たとえば
#修飾フレーズを頭にのせる。
 
 たとえば、青木昆陽(あおき こんよう)の説明を覚えるときには、けっして「蘭学・オランダ語習得をし、その習得は幕府書物方において行った」とはせず、つぎのように「幕府書物方で蘭学・オランダ語習得をした」としたほうが短いので覚えやすいだろう。けっして、その習得は~、と後からつけくわえるのではなく、修飾フレーズを頭にのせた文を覚える。このようにすると、文章の密度が高まり、記憶の負担が減る。
 
# 漢字表現の使用。
 たとえば、「漢訳洋書の輸入制限を緩和した徳川吉宗」ではなく、「漢訳洋書 輸入制限 緩和をした徳川吉宗」と、熟語の間にある「の」「を」を、可能ならば省略し、できるだけ漢字を連ねた表現にする。
 
# 他の出版社の教科書の使用
 より詳細に勉強するには、同じ教科書の索引でしらべるだけでなく、他の出版社の教科書の索引も使う。たとえば、山川出版の『詳説日本史』を学校で使っているなら、実教出版の『日本史B』も買う。そして『日本史B』の索引でもしらべる。他の出版社の教科書の購入方法については、 [[小学校・中学校・高等学校の学習/検定教科書の購入方法|検定教科書の購入方法]] または [[学習全般]] を参照。