「学習方法/高校日本史」の版間の差分

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== 教科書との付き合い方 ==
=== 検定教科書の傾向が必要な人・必要ではない人 ===
高校日本史は良くも悪くもボリューム満点である。当然、教科書も中学までとは比べ物にならないくらいにキッチリとしているのだが、本当に教科書をやりこむ必要があるかないかを判断するのも重要である。
じつは、1600年「関ヶ原の戦い」より以降の話題が、検定教科書では、教科書全体の半分(もしくは半分以上)である。つまり江戸時代を含んで江戸以降が、教科書では半分以上である。
 
==== 教科書が必要な人 ====
けっして、均等に西暦1年〜1000年が教科書の半分ではない。
以下に該当する人が教科書が必要であり、キッチリとやりこむ必要がある人である。
*国公立大学二次試験で記述式の地歴が出される大学志望。
具体的には、国公立大学の文系学部を受ける場合である。特に、旧帝大や一橋大学などの難関校が典型であるが、これらの大学の歴史科目はただの用語の暗記では全く歯が立たない。これらの大学では記述式が多く、知識を基に思考していくことが求められるのである。そのためには、教科書をやりこんで、物事の因果関係や後世への影響などをどれだけ説明できるかがカギとなる。
 
==== 教科書があまり必要でない人 ====
日本史にかぎらず世界史でも、やや近世や近現代史が教科書では割合多いのだが、特に日本史では、近世・近代史重視の傾向がさらに強い。
以下に該当する人はそこまで教科書を読みこむ必要はない。
*センター試験(大学入学共通テスト)までしか歴史を使わない大学受験生
**すべての国公立大学の理系学部受験生
**地方国立大学など、中堅どころの国公立大学受験生
*私立大学受験生
まず、理系であればすべての国公立大学入試では、地理歴史とはセンター試験(大学入学共通テスト)までの付き合いとなる。中堅の国立大学では文系であっても歴史はセンター(大学入学共通テスト)までというのは意外に少なくない。あるいは、出題されていても用語の穴埋めや記号選択問題がメインである。
 
また、私立大学は多くの受験生をさばく必要があるせいか、採点に時間のかかる記述式は少なく、マークシート、記号・用語穴埋めがほとんどである。
:なお、ことわりなく「近世」(きんせい)という用語を使ったが、日本史では江戸時代のことを(または安土桃山時代を加えて)「近世」という。
 
このように、知識の定着をチェックすることが主な目的の入試では、深く教科書に踏み込む必要はない。教科書は用語集同様に「事典」「辞書」的な使い方にとどめてよい。
:一般に、明治維新から第二次世界大戦あたりまでが「近代」である。第二次世界大戦以降が「現代」史である(しかし「現代」といいつつ、高校教育では、ほぼ戦後昭和史であるが)。近代史と現代史をあわせて「近現代」史という事も多い。
 
:奈良飛鳥時代までが一般に「古代」である。平安時代から室町後期・安土桃山時代あたりまでが「中世」である。
 
どうやら高校日本史の検定教科書でも、この「古代」・「中世」・「近世」・「近現代」の4区分に対応して、それぞれ4分の1ずつを基本としてページ数を割いているものと思われる。
 
さらに「古代」「中世」でも、じつは古代史よりも中世史のほうが、やや量が多い。
 
(おそらく、古代史については、中世と比べて史料が少ない事もあり、高校レベルでは深入りするのが難しいなどの、理由があるのだろう。だとすると将来的にも、今後の高校教育でも、日本史では近世・近現代重視の教育をする傾向が、今後も続くだろうと思われる。)
 
とはいえ、文学部や教育学部の歴史科を志望する場合、可能な限り教科書にもあたってほしいが……。
=== 教科書を読む順序 ===
==== 案1 : 古代から順に読む ====
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=== 資料集も有効活用する ===
山川出版社(以下、山川)の『詳説 日本史』は、語句の多いことで有名なので受験対策として評判が高い。また、大学入試の日本史・世界史は、センター(大学入共通テスト)・国公立二次私立いずれも山川の『詳説 日本史』『新日本史B』がベースとなっているため、これをきっちりやりこむことが基本となる。しかし、じつは掲載語句を多く紹介するために、ひとつひとつの話題の掘り下げが、やや浅くなっている。かといって、別の出版社の教科書を使う必要はない。二冊も教科書を使えばもてあますこと間違いなしである。
 
掘り下げをしたいのであれば、まず学校でも配布される資料集を利用しよう。こちらは図表も豊富であり、ビジュアル面での補足が期待できる。また、教科書では簡単な説明しかできなかったことが念入りに説明されていたりする。
 
=== 検定教科書の傾向 ===
じつは、1600年「関ヶ原の戦い」より以降の話題が、検定教科書では、教科書全体の半分(もしくは半分以上)である。つまり江戸時代を含んで江戸以降が、教科書では半分以上である。
 
けっして、均等に西暦1年〜1000年が教科書の半分ではない。
 
日本史にかぎらず世界史でも、やや近世や近現代史が教科書では割合多いのだが、特に日本史では、近世・近代史重視の傾向がさらに強い。
 
:なお、ことわりなく「近世」(きんせい)という用語を使ったが、日本史では江戸時代のことを(または安土桃山時代を加えて)「近世」という。
 
:一般に、明治維新から第二次世界大戦あたりまでが「近代」である。第二次世界大戦以降が「現代」史である(しかし「現代」といいつつ、高校教育では、ほぼ戦後昭和史であるが)。近代史と現代史をあわせて「近現代」史という事も多い。
 
:奈良飛鳥時代までが一般に「古代」である。平安時代から室町後期・安土桃山時代あたりまでが「中世」である。
 
どうやら高校日本史の検定教科書でも、この「古代」・「中世」・「近世」・「近現代」の4区分に対応して、それぞれ4分の1ずつを基本としてページ数を割いているものと思われる。
 
さらに「古代」「中世」でも、じつは古代史よりも中世史のほうが、やや量が多い。
 
(おそらく、古代史については、中世と比べて史料が少ない事もあり、高校レベルでは深入りするのが難しいなどの、理由があるのだろう。だとすると将来的にも、今後の高校教育でも、日本史では近世・近現代重視の教育をする傾向が、今後も続くだろうと思われる。)
 
== 深入りすべきではないことについて ==