「高等学校世界史探究/文明の誕生Ⅰ」の版間の差分

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冗長な暗記法を削除、画像を追加
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用語については[[高等学校世界史B/用語集/人類の出現と進化|用語集]]を参照。
== 先史時代から旧石器時代へ ==
人類が地球上に出現してから文字が発生し、記録が残されるまでには長い時間がかかった。
このあいだの時代を'''先史時代'''(せんしじだい)と呼ぶ。
 
:人類の進化の順は[[w:猿人|猿人]](えんじん)→[[w:原人|原人]](げんじん)→[[w:旧人|旧人]](きゅうじん)→[[w:新人|新人]](しんじん)の順に進化した。
 
この順序は、入試にも問われやすい。では、覚え方を説明しよう。
 
* 暗記法
まず、「猿人が、もっとも古い」ということを覚えよう。生物学でのダーウィンの進化論によれば、人類は猿から進化したのだから、「猿人が、もっとも古い」ということの暗記は、わりと覚えやすいだろう。けっして、まちがえて「原人が、いちばん古い。」(←マチガイ×)とか勘違いしないように。
 
つぎに、新人が、もっとも新しいことを覚えよう。名前のとおり、「新」人が、いちばん新しい。けっして、まちがえて「原人が新しい」(←マチガイ×)とか勘違いしないように。
 
この2点さえ覚えれば、あとは、原人と旧人の順序を覚えれば良いだけである。
 
新人の1つ前が旧人である。「新旧」という熟語どおりの順序なので、覚えやすいだろう。
 
 
じゃあ、原人は?
 
原人は、覚えるしか無い。猿人と、旧人・新人たちの手前である。
 
こうして、猿人→原人→旧人→新人 の順序を覚えては、どうでしょう。
 
 
それでは順を追って見ていく。
 
== 猿人 ==
最初の人類である'''猿人'''(えんじん)は、約700万年前のアフリカに出現した。直立二足歩行を行い、簡単な打製石器(だせいせっき)を用いるものもいた。脳の容積は600ccほどである。代表的なものには'''[[w:アウストラロピテクス|アウストラロピテクス]]'''や[[w:ホモ・ハビリス|ホモ・ハビリス]]がある。最古の猿人は[[w:サヘラントロプス|トゥーマイ猿人(サヘラントロプス)]]とされている。
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File:Australopithecus afarensis.JPG|thumb|190px|猿人の復元像
File:Makavot-even.jpg|thumb|190px|初期の石器
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== 原人 ==
ついで約180万年前に登場した'''原人'''(げんじん)は、'''[[w:ジャワ原人|ジャワ原人]]''''''[[w:北京原人|北京原人]]'''<ref>40体発見されたが、[[w:第二次世界大戦|WWⅡ]]で消失。</ref>が代表であり、ハンドアックスや'''''''''言語'''を用いて狩猟や採集での生活を営んでいた。脳容積は1000cc程度。
 
== 旧人 ==
約20万年前には'''旧人'''(きゅうじん)が出現。代表としてヨーロッパに分布していた'''[[w:ネアンデルタール人|ネアンデルタール人]]'''がいる。剥片石器を新たに用いた
旧人は、現生人類と変わらぬ脳を持ち、'''死者の埋葬'''を始めるなど精神文化において優れていたとされている。脳の容積は1500cc以上で骨格が太かった。
 
== 新人 ==
そして、約20万年前に現生人類に属する'''新人'''(しんじん)が出現する。(例:[[w:クロマニョン人|クロマニョン人]]、[[w:上洞人|上洞人]])彼らは旧人が生み出した剥片石器を発達させ新たに骨角器(こっかくき)も作り上げた。フランスの'''ラスコー'''、スペインの'''アルタミラ'''などに見られる洞穴絵画も新人の残したものである。([[w:ラスコー洞窟|ラスコー洞窟]]、[[w:アルタミラ洞窟|アルタミラ洞窟]])
 
南フランスをはじめヨーロッパ・アフリカ各地で発見された'''[[w:クロマニョン人|クロマニョン人]]'''、中国大陸で発見された'''[[w:周口店上洞人|周口店上洞人]]'''(しゅうこうてん じょうどうじん)、イタリアの地中海沿岸から発見された'''グリマルディ人'''が代表的な新人である。
 
脳容積は1500ccで集団を形成し、文化的生活を営んだ。
 
ここまで人類が打製石器を用いて、狩猟・採集を繰り広げていた時代を'''旧石器時代'''(きゅうせっきじだい)と呼ぶ。
 
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File:Lascaux_painting.jpg|ラスコー洞窟(仏)の壁画
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== 注 ==