「高等学校工業 機械設計/その他」の版間の差分

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このモジュール名称を考えるときに重要な点として、最終的な機能をモジュール名につけることです。けっして、形状や多い部品名をモジュール名にすべきではない、という事です。
残念ながら日本でもコレが出来てない会社が日本の大企業にもあると言われていますが、だとしたら悪い手本なので、マネしないでください。
 
たとえば「クロック同期部」と命名されていますが、設計に慣れてない人だと、ここの命名を「AND部」とか「AND演算部」とかにしてしまいがちです。
 
しかし、AND素子が多いことくらい、見れば学生レベルでも分かるので、「AND演算部」みたいな命名は不要です。
 
 
なんのためにAND演算素子を追加しているのかというと、その理由は「クロック信号がOFFの場合は、けっして入力信号を伝達しない」という目的であるので、そういった目的が分かるようなモジュール名にしなければいけない、というワケです。
 
なので、たとえば「クロック同期部」とか「クロックフィルター部」とか、なんかそんな感じの名前になるハズです。
 
 
こう(「クロック同期部」のように)機能が分かるように命名することで、たとえば、もし将来的に設計変更が必要になったときの、大きなヒントになります。
 
いっぽう、もし「AND演算部」みたいな命名をしても、将来の設計変更の事態には、あまり、(名前が)役には立たない結果になってしまいます。;
 
 
 
同様に、「記憶保持部」も、形状は「たすき掛け」(ラッチ構造)であり、フィードバック配線がありますが、だからといって、けっしてモジュール名称を「ラッチ部」とか「ファードバック部」とかには、しないでおくべきです。
 
 
なんのために、たすき掛けみたいにしたりフィードバックているかというと、記憶を保持するのが目的なので、「記憶保持部」とか「記憶○○部」みたいな感じの名前にすべきです。
 
 
一般企業では、下記の「フロー図 モジュール解説」書類は省略されますが、できれば、さらに、別の書類で
【'''RSラッチ フロー図 モジュール解説'''】
'''対象図面''':『RSラッチ フロー図』
'''クロック同期部''' : 機能はフィルターである。もしクロック信号に同期してない状態では、入力信号をモジュール出力には伝えないようにするためのフィルター。
'''記憶保持部''': 記憶を保持するためのモジュール。
以上。
 
あるいは
 
{| class="wikitable" style=" text-align: center; margin: 2pt;"
|+ RSラッチ フロー図 モジュール解説
|-
! 対象図面
| style="text-align: left;" colspan="3" |RSラッチ フロー図
|-
|-
!
|-
! style="text-align: center;" | ID !! モジュール名 !! 機能の概要 !! 備考       
|-
| 001 || クロック同期部 || 機能は信号フィルターである。<br>もしクロック信号に同期してない状態では、<br>入力信号をモジュール出力には<br>伝えないようにするためのフィルター。 ||
|-
| 002 || 記憶保持部 || 記憶を保持するためのモジュール。 ||
|-
|}
以上.
 
 
 
のように解説書類を作っておけばもう、万全です。
 
残念ながら日本でもコレ上述のようなフロー図や解説書類などの管理が出来てない会社が日本の大企業にもあると言われていますが、だとしたら悪い手本なので、マネしないでください。
 
例として、米国のi-phoneなどの設計をしているアップル・コンピュータが、日本の部品メーカーに要求事項で「このコンデンサはもっと小さくできないか?」と日中韓のメーカーにそれぞれ別々に質問したら、韓国メーカーや中国メーカーからは「これこれの技術的理由があって、出来ないです。」と具体的な説明が返ってくるのに、日本だけ「わからない。」という返答が返ってくる、という報道もされているという風説もあります。
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けっして「フロー図」だの「モジュール」だのと言った単語の意味を暗記することではなく、(フロー図などの)参考図が設計図書に含まれるべき事を理解してください。
 
 
 
 
== 品質管理の書類 ==