「高等学校工業 機械設計/その他」の版間の差分

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:※ ネットには馬鹿も多く、「いまどきの若いもんは、マニュアルが無ければなにもできない」とか、底辺サラリーマンが公務員や小学校教員などを誹謗して「マニュアル主義」とか言ったりするが、しかし、製造業の場合、マトモな品質管理ではマニュアル(手順書のこと)を作って検査を行うので、ネットの馬鹿を鵜吞みにしてはならない。製造業だけでなく、土木建築の業界でも同様に、品質検査は原則的に手順書(てじゅんしょ)にもとづいて行う<ref>『わかりやすい土木施行管理の実務』、オーム社、速水洋志、平成29年5月20日 第1版 第2刷 発行、200ページ</ref>。
 
== マニュアル類の作り方 ==
 
作業マニュアルや検査マニュアルなどは、どうやって作るべきなのでしょうか。
 
どんな種類のマニュアルを作る場合にも、ポイントとして、安全対策を二重三重にする必要があります。これを、(製造業にかぎらず)一般に「多重防護」(たじゅう ぼうご)と言います。
 
2011年の原発事故に関する安全管理のあり方の議論でも、「多重防護」という用語があったので、ソレと同じような意味です。
 
 
たとえば、工作機械を使って出た切りくずを加工台から床に落とすとき、「小型ホウキを使って切りくずを落とせ」と言うマニュアルがありますよね。
 
ではなぜ、ホウキを使わなければイケナイのでしょうか?
 
よく、「切りくずを、口で息を吹いて落としてはイケナイ。」という、教育がありますよね。
 
息で吹いてはいけない理由は、切りくずが飛び散ったりして目に入ったりすると危ないからです。
 
 
では、もし保護ゴーグルをしていれば、息で吹いてもイイのでしょうか?
 
もちろん、たとい保護ゴーグルをしていても、切りくずを息で吹いてはいけないですね。
 
 
そう、このように、たとい保護ゴーグルをしていても、「切りくずを床に落とすときは、かならず小型ホウキを静かに床に落とす」のを徹底するのが多重防護の例です。
 
 
なぜ、こういう多重防護の考え方でマニュアルを作るべきなのでしょうか?
 
 
理由は特に製造業では明示されてないですが、常識的に考えると、きっと下記のような理由でしょう。
 
まず、多重防護の考えで作られたマニュアルは、いろんな職場に応用できるので、作成するマニュアルの個数が減ります。
 
たとえば、いちいち「保護ゴーグルのある職場の場合」と「保護ゴーグルの無い職場の場合」のように、マニュアル作成時にいちいち場合わけをする必要が無くなり、手作業の旋盤の場合ならどんな職場の場合でも統一的に「切りくずを床に落とすときは、かならず小型ホウキを静かに床に落とす」と説明するだけで、説明が済みます。
 
 
また、複雑な作業になると、マニュアルは、のちに修正や追加などの改訂などが必要になります。そういった改訂のさいにも、改訂者が、いちいち場合わけをしなくて済むので、管理をしやすくなります。
 
 
多重防護の考えをしていれば、自社グループのほかの工場などのマニュアルを作るさいにも、既存のマニュアルをほぼ既存のままで流用しやすくなりますので、他工場用のマニュアル作成時の編集作業の手間が減ります。
 
 
このように、多重防護の考えでマニュアルを作っておけば、いい事づくめ です。
 
 
 
 
さて、世間では、どういうワケか、多重防護の手法を嫌う、なんかアタマのヘンな人が時々います。
 
たとえば、友人などのグループで、お出かけをするとき、たとえば交通費が電車賃で往復で最低900円、したい買い物の予定金額が10000くらいだったら、
 
最低でも持っていくべき必要な金額は 10900円ですが、しかし普通の感覚の人なら、「まあ、念のため○○円は余分にもっていこう」とか思って、
 
たとえば 15000円くらいは用意しておきますよね。
 
 
ところが世間には、なぜか好んでギリギリの10900年しか用意したがらない、なんかアタマのヘンな人がいるのです。
 
 
しかも、こういう感覚の人にかぎって、「自分は合理的である」、「自分はお金の計算が得意だ」とか、なんかヘンな自惚れた(うぬぼれた)勘違いをしることが、よくあります。
 
どうやら、対策すべき優先順位の考えかたが、なんかヘン名人のようです。
 
「けっして、もし手持ちの金額が少なくて、待ち合わせ相手や周囲の人に迷惑をかけてしまうことのないように、大目に金をもっていこう」という配慮をするよりも、「自分は算数が得意なんだ! そうアピールしよう!」という芸人みたいな自己アピールを頼んでもいないのにアピールしたがる発想が脳内で優先しているという、なんかアタマのなかの物事の優先順位のヘンな人が、残念ながら大人でも、ときどきいるのです。
 
 
待ち合わせをする場合などでも、たとえば午後10時00分に待ち合わせなら、普通は最低でも9時30分には現地にもう到着するようにしてから、現地で30分くらいヒマ潰しをするものです。
 
ところがアタマのオカシな人は、なぜか9時50分くらいに現地到着しようとします。ひどい場合は、9時55分に到着したがります。
 
 
年功序列の日本企業では、こういう感覚のオカシイ人がたとい上司でも、なかなかクビになりません。(あるいは、もし他の用事で忙しいなら、あらかじめそう連絡しておくか、あるいは、可能なら予定日を変えてもらう等するのが常識)
 
もし就職先が、そういう感覚のオカシな上司のいる会社なら、さっさと退職届けを出して、逃げ出しましょう。
 
 
 
残念ながら日本では、作業マニュアルなどを作る場合にも、コスト削減のために、ギリギリの安全基準を作るような、ヘンな会社のヘンな人もいます。
 
そういう企業でも、そこそこ大企業だったりもします。
 
 
曲解ですが『トヨタ生産方式』やら『かんばん方式』というのを三流の技術者(あまり「技術者」と呼びたくないですが)は何か曲解して、ギリギリの安全()多重防護でない、しいていうなら「一重防護」)の作業マニュアルなどを作ろうとする人も、残念ながら、そこそこ大きい企業でも、いたりします。
 
 
もしかしたら、もう業界じたいが腐っている場合もありますので、よく観察して、もし業界じたいが腐ってたら、異業種に転職しましょう。