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[[File:Perspective misunderstanding of distance ratio japanese.svg|thumb|600px]]
 
この例のように、
 
近い者を見る場合には、視線と被写体上面の高さの差 h の影響が大きくあります。
 
このため、水平方向の距離比 <math> \frac{x_b}{x_a}</math> ではなく、
 
目の位置を中心とした距離比 <math> \frac{r_b}{r_a}</math> で考える必要があります。
 
 
被写体の上面の多く見える構図の場合、右図のように被写体は近くにあるハズです。
 
だとすると、高低差 h の影響が大きいハズです。
 
ならば、(たとい水平方向の距離で考えると被写体前面と被写体後面の距離の変化は大きくとも、)
 
目を中心とした距離の変化率で考えると、(高さの影響のため)長さの変化はあまり大きくないのです。
 
よって、近くの被写体を見るときにパースを強く表現するのは、マチガイなのです。
 
 
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いっぽう、高さ h の影響の弱い場合とはどういう場合を考えると、被写体が遠くにある場合です。
 
よって、冒頭で参考文献とともに紹介したように、
 
側面・上面を圧縮せずに直線を引いて一点透視や二点透視を近似的に描く透視図法は、遠くにあるモノを描く場合でしか使えない<ref>西澤晋『リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座』 (漫画の教科書シリーズ No.03) 、誠文堂新光社、2009年7月31日発行、146ページ</ref>わけです。
 
また、被写体がもし遠くにある場合、距離比で考えると、かならず側面・上面の奥行きは強く圧縮されることになります。
 
 
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:※ 私の高校時代に経験したかぎり、高校2~3年の芸術科目のレベルは、このような、やや専門的な議論のできるレベル(ただし当時は書店で技法書も不足してたので、ここまで技法は整理されてないが)。
:「音楽」科目だが、高校2~3年の選択音楽を履修したグループの人たちは、卒業式で、上級式を見送るためにベートベン第九をドイツ語で歌わされてたもんだ。うちの高校、ドイツ関係の学問の高校だったし。大学付属校の2年以上の選択芸術科目ってのはそういうレベル。