「中学数学2年 三角形と四角形」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
M ゆにこーど がページ「中学校数学 2年生-図形/合同な図形」を「中学校数学/2年生/図形/合同な図形」に移動しました
編集の要約なし
1 行
{{Pathnav|メインページ|小学校・中学校・高等学校の学習|中学校の学習|中学校数学|中学校数学/2年生/図形}}
== 合同 ==
=== 三角形の合同性質 ===
=== 直角三角形 ===
[[File:Congruence triangle.svg|thumb|400px|図のような三角形ABCと三角形DEFは合同である。]]
[[File:Hypotenuse of right triangle japanese.svg|thumb|400px|]]
 
まず、直角三角形の用語を学ぼう。
右図のように、2つの図形が、その図形の位置や向きをかえるだけで、形と大きさをかえずに一致させることができる場合、その2つの図形は <big>合同</big>(ごうどう、英:congruence) である、という。
 
直角三角形で、直角に対する線を '''斜辺'''(しゃへん) という。
三角形GHIも、三角形ABCを左右にひっくり返して位置をズラしただけなので、三角形GHIと三角形ABCは合同である。
[[File:Right triangle 02.png|thumb|250px|直角三角形]]
 
直角三角形の場合、三角形の合同条件に加え、次の条件がある。
 
# 斜辺とそれ以外の辺がそれぞれ等しい
合同な図形には、次の性質があります。
# 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい
 
たったこれだけの情報だけでも、直角三角形が合同だといえる。「斜辺とそれ以外の辺がそれぞれ等しい」については、中学3年で学ぶ「三平方の定理」が利用できる。「斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい」については、三角形の内角の和が180°であることから、もう一つの鋭角がわかり、三角形の合同条件、「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」が利用できる。
<div style="border:solid #999 1px;width:80%;background:#FEE;padding:0.5em;margin:0 auto 1em auto">
;合同な図形の性質
:合同な図形では、対応する線分どうしの長さが等しい。
:合同な図形では、対応する角どうしの角度が等しい。
</div>
 
=== 二等辺三角形 ===
{{-}}
[[File:Definition of terms in each part of isosceles triangle japanese.svg|thumb|]]
=== 四角形以上の合同 ===
 
[[File:Congruence 4-gon.svg|thumb|400px|合同な2つの四角形。]]
中学以上では、二等辺三角形の各部の用語を、右図および下記のように定義する。
 
:* 二等辺三角形では、等しい2辺のつくる角(図では &ang;A )を '''頂角''' (ちょうかく)という。
四角形や五角形といった四角形以上でも同様に、ある図形が「合同である」とは、その図形の位置や向きをかえるだけで、形と大きさをかえずに一致させることができる場合のことである。
:* 頂角に対する(「向かい側」の意味)辺を '''底辺''' (ていへん)という。
:* 底辺の両端の角を '''底角''' (ていかく)という。
 
右の図の例では、
:四角形ABCDと四角形EFGHは合同である。
 
{{-}}
さて、二等辺三角形の重要な性質として、
=== 記法 ===
三角形ABCと三角形DEFが合同の場合に、合同であることをあらわす記号≡を使って、
△ABC ≡ △DEF
のように書くことで、三角形ABCと三角形DEFが合同であることを記述したことになる。
 
{| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0
|style="background:skyblue"|'''二等辺三角形の底角の性質'''
|-
|style="padding:5px"|二等辺三角形の2つの底角は等しい。
|}
という性質があります。
 
では、これから、このことを証明してみましょう。
なお、合同の記号 ≡ を使う時には、対応する頂点が同じ順番になるように書く。
 
;証明
たとえば、 △ABC ≡ △DEF なら、頂点AとDが対応、頂点BとEが対応、頂点CとFが対応、というふうに対応していると主張していることになる。
[[File:Theorem of base angles of isosceles triangles.svg|thumb|]]
 
まず、頂角 &ang; A の二等分線を引き、この二等分線と辺BCとの交点をDとする。
 
すると、△ABDと△ACDは合同である。
;四角形や五角形などの場合の記法
四角形ABCDと四角形EFGHが合同の場合に、そのことを表す記法として、
四角形ABCD ≡ 四角形EFGH
のように書く。三角形の場合とちがい、四角形では、四角であることを表す数学記号が無いので、上式のように式中に日本語(「四角形」)を使ってもよい。
 
なぜなら、
四角形以上の場合でも、対応する頂点が同じ順番になるように書く。
:まず、&ang; BAD と &ang; CAD が等しい。
:△ABDの辺ADと△ACDの辺ADは同じ辺ADなので当然に等しい。
:辺ABと辺CDは、△ABCが二等辺三角形であるという仮定より正しい。
 
よって、一つの角度と、その両端の辺の長さが等しいので、三角形の合同条件を満たしているので、
: △ABD ≡ △ACD
である。
 
よって、合同な図形の対応する角どうしは等しく、角Bと角Cについては、頂点Bと頂点Cが 式 △ABD ≡ △ACD の2番目にある文字であることからも分かるように角Bと角Cは合同図形の対応しあう点なので、
五角形以上の場合も同様に、式中に
:&ang; B = &ang; C
五角形ABCDE ≡ 五角形 FGHIJ
である。
のように、日本語を式中に使ってもよい。
 
そして、この角Bと角Cはそもそも底角であったので、よって二等辺三角形の2つの底角どうしは等しい。 (証明 おわり)
=== 合同条件 ===
 
2つの図形が合同であるために、満たすべき条件を '''合同条件'''(ごうどうじょうけん) という。
 
 
上で証明された、「二等辺三角形の2つの底角どうしは等しい」という性質は、数学では、さまざまな図形の性質の証明でも、説明の根拠として、よく利用される。
証明された ことがら のうち、説明の根拠として、よく利用されるものを '''定理''' (ていり, theorem セオレム)という。
 
 
{| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0
|style="background:skyblue"|'''二等辺三角形の底角の性質'''
|-
|style="padding:5px"|'''定理'''  二等辺三角形の底角は等しい。
|}
 
よって、上の2つの性質が示された。
 
;逆
[[File:Proof diagram that triangles with equal base angles are isosceles triangles.svg|thumb|200px|※ イメージ図<br>
「どうせ二等辺三角形だろう」という先入観を防ぐため、このイメージ図では、実際の図とは多少、辺の長さや角度を変えています。]]
 
では、二等辺三角形とはかぎらない ある三角形ABC で、2つの角が等しいとき、その三角形ABCは、はたして二等辺三角形なのでしょうか?
 
このことは、次のような証明で、検証できます。
 
;証明
Aの二等分線をひき、辺BCとの交点をDとする。
 
△ABDと△ACDにおいて、
底角が等しい という仮定から  &ang; B = &ang; C  ・・・ (1)
:&ang; BAD = &ang; CAD   ・・・ (2)
 
三角形の内角の和は180°であるから、 (1), (2)より、
:&ang; ADB = &ang; ADC   ・・・ (3)
 
また、  ADは共通。  ・・・ (4)
 
(2),(3),(4) より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいから、
:△ABD ≡ △ACD
 
合同な図形の対応する辺は等しいので、
:AB=AC ・・・(5)
 
(5)は、三角形ABCが二等辺三角形であることを表している。
そして、そもそもの仮定は「底角が等しい」 という内容の仮定であった。
 
よって、底角が等しいなら二等辺三角形であることが証明できた。(証明 おわり)
 
 
このことから、次の定理が証明できました。
 
{| style="border:2px solid skyblue;width:80%" cellspacing=0
|style="background:skyblue"|'''定理'''
|-
|style="padding:5px"|2つの角が等しいならば二等辺三角形である。
|}
 
 
この定理「2つの角が等しいならば二等辺三角形である」は、一つ前に紹介した定理「二等辺三角形の2つの底角は等しい」の仮定と結論を入れかえたものになっています。
 
文章だと分かりづらいかそいれませんが、式で表すと、定理「二等辺三角形の2つの底角は等しい」は、
:「 AB = AC ならば &ang; B = &ang; C 」
です。
 
いっぽう、定理「2つの角が等しいならば二等辺三角形である」は、
:「 &ang; B = &ang; C ならば AB = AC 」
です。
 
こうやって数式で見ると、仮定と結論とを入れかえたものになっています。
 
当然、ここでいう「仮定」と「結論」とは、どこの部分かというと、
:「(仮定) ならば (結論)」
の箇所のことです。
 
 
これらの定理のように、ある定理の仮定と結論を入れ替えた定理のことを、定理の '''逆'''(ぎゃく) のように、いいます。
 
 
定理「2つの角が等しいならば二等辺三角形である」の逆は、定理「二等辺三角形の2つの底角は等しい」です。
 
定理「二等辺三角形の2つの底角は等しい」の逆は、定理「2つの角が等しいならば二等辺三角形である」です。
 
 
このように、定理の 逆 があるとき、相手方の定理から見れば、もとの定理のほうが 逆 です。
 
 
 
数学の定理にかぎらず、なにかの主張がある場合に、その逆になる主張も存在しうる。
 
たとえば、「東京は日本の一部である」という主張は、数学的に分解すれば、「ある場所が東京ならば、その場所は日本の一部である」という事なので、
この逆である「ある場所が日本の一部なら、そこは東京である」という主張も存在しうる。
 
 
もちろん、この主張「ある場所が日本の一部なら、そこは東京である」は正しくない。奈良県は日本の一部であるのに、そこは東京ではないからだ。
 
 
このように、逆の元ネタになる主張(さっきの例では「東京は日本の一部である」)が正しくても、その逆が正しくない場合もある。
 
 
 
このような、逆の正しくない例は、なにも地理だけにかぎらず、数学でも、いろいろとある。
 
たとえば、
:「a>0 で b>0 ならば、a+b > 0 である。」
という主張は、もし正しいとしても、
 
逆の「a+b > 0 ならば、a>0 で b>0 である。」は正しくない。
 
 
なぜなら、たとえば a = 100 で b = ー1 とすれば、a+b > 0 なのに a<0 (aが0より小さい)であるからだ。
 
 
また、これらの例(たとえば a = 100 で b = ー1 とする)のように、
 
ある主張(「a+b > 0 ならば、a>0 で b>0 である。」)が成り立たないことを説明する具体例のことを 反例 (はんれい)といいます。
 
 
また、反例は、1つ出せば、数学的には充分です。
 
 
数学で 逆 が正しくない場合があるのは、けっして文字式の分野だけではなく、図形の問題でも、逆が正しくない場合がある。
 
 
たとえば、「△ABCと△DEFが合同なら、対応する角度3つがそれぞれ等しい(つまり &ang;A=&ang;D , &ang;B=&ang;E , &ang;C=&ang;F )。」は正しいが、
 
「△ABCと△DEFの対応する角度3つがそれぞれ等しいなら、その三角形が合同である」は正しくない。
 
なぜなら、たとえば△ABCを2倍の大きさに拡大したものでも、角度3つがそれぞれ、対応するもとの△ABCと等しいからである。
== 四角形 ==
[[File:対辺と対角.svg|thumb|400px|]]
平行四辺形にかぎらず、一般に四角形において、向かい合う角どうしを '''対角'''( たいかく)という。
 
たとえば図の場合、角Aと角Cは対角である。
 
向かい合う辺どうしを '''対辺''' (たいへん)という。
 
==== 三角形 ====
2つの三角形において、つぎの条件のいずれかが成り立つとき、その2つの三角形は合同である。
 
{{-}}
「対辺」という言葉を使うと、平行四辺形は、次のように定義される。
[[File:Triangles unique conditions japanese.svg|thumb|700px|center|]]
{{-}}
 
[[File:Parallelogram ABCD.svg|thumb|300px|平行四辺形]]
;三角形の合同条件
<div style="border:solid #999 1px;width:80%;background:#FEE;padding:0.5em;margin:0 auto 1em auto">
:2つの三角形は、次の3つの条件のどれかを満たす場合に、合同です。
;平行四辺形の定義
# 3組の辺がそれぞれ等しい場合       
対辺どうしの平行な四角形のことを平行四辺形(へいこう しへんけい)という。
# 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい場合 
</div>
# 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい場合
 
2個の三角形が、上記の3つの条件のいずれかを満たすと、その2個の三角形は合同である。
この3つの条件のことを <big>三角形の合同条件</big>(さんかっけい の ごうどうじょけん) という。
 
対辺という言葉を使わない場合、次のようにして平行四辺形は定義される。
三角形の合同条件はまた、三角形を作図する際に、その三角形の形を1通りにするための条件でもあります。
<div style="border:solid #999 1px;width:80%;background:#FEE;padding:0.5em;margin:0 auto 1em auto">
言い方をかえると、もし、ある三角形について、合同条件を満たせる辺や角度の情報が当たれられたなら、その三角形と合同な三角形を作図できます。
;対辺という言葉を使わない場合の、平行四辺形の定義
四角形ABCDで、AB//DC , AD // BC なら、その四角形ABCDは平行四辺形であるという。
</div>
 
==== 直角三角平行四辺====
平行四辺形の図を見ると、平行四辺形では、対辺どうしの長さが等しいようにみえるが、定義のどこにも対辺が等しいとは書いてないので、では、これを証明してみよう。
[[File:Right triangle 02.png|thumb|250px|直角三角形]]
直角三角形のうち、直角の対辺を斜辺という。
 
;証明
直角三角形の場合、三角形の合同条件に加え、次の条件がある。
[[File:平行四辺形の対辺どうしの長さは等しいことの証明の図.svg|thumb|300px|]]
対角線ACを引く。
 
# 斜辺△ABCそれ以外△CDAで、平行線辺がそれぞれ錯角は等しいので、
:: AB//DC から、 ∠BAC = ∠DCA ・・・(1)
# 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい
:: AD//BC から、 ∠BCA=∠DAC ・・・(2)
 
また、ACは共通だから
たったこれだけの情報だけでも、直角三角形が合同だといえる。「斜辺とそれ以外の辺がそれぞれ等しい」については、中学3年で学ぶ「三平方の定理」が利用できる。「斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい」については、三角形の内角の和が180°であることから、もう一つの鋭角がわかり、三角形の合同条件、「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」が利用できる。
::AC=CA ・・・(3)
{{clear}}
 
(1),(2),(3) より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいから、
=== 図形の性質 ===
::::△ABC ≡ △CDA
==== 二等辺三角形 ====
三角形の辺のうちの2辺の長さが等しいとき、この三角形を 二等辺三角形(にとうへん さんかっけい) と呼ぶ。
 
したがって、 AB=CD ,  AD=BC  (証明 おわり)
二等辺三角形は、つぎの性質を持つ。
# 底角(2つの角)は等しい
# 頂角の二等分線は、底辺を2等分する
 
[[File:Triangle.Isosceles.png|thumb|図の場合、角度α(アルファ)が底角である。]]
ここで、長さが等しい2辺を除いたもう1つの辺のことを 底辺(ていへん) と呼ぶ。
また、底辺のまわりにある2つの角のことを 底角(ていかく) と呼ぶ。さらに、
底角でない角のことを 頂角(ちょうかく) と呼ぶ。
二等辺三角形は次の性質を持っている。
:底角の大きさは等しい。
:頂角から底辺に下ろした垂線は、底辺を2等分する。
 
[[File:平行四辺形の対辺どうしの長さは等しいことの証明の図.svg|thumb|300px|(再掲)]]
* 導出
また、さきほど導いた右の図からも分かるように、平行四辺形では、対角どうしの角度は等しい。
頂角に対応する点を点Aとし、底角に対応する点をそれぞれB,Cとする。
更に、頂角から底辺に下ろした垂線と底辺が交わる点を点Hと呼ぶ。
ここで、直角三角形ABHとACHに注目すると、
仮定から
:<math>
AB = AC
</math>
であり、更にAHを共有している。
よって、直角三角形の2辺の長さが等しいことから
直角三角形ABHとACHは互いに合同であることが分かる。このことから、
:<math>
\angle B =
\angle C
</math>
となる。更に、
:<math>
BH= CH
</math>
から、頂角から底辺に下ろした垂線が底辺をニ等分することが分かる。
 
よって、上の2つの性質が示された。
 
{{-}}
==== 平行四辺形 ====
# 2組の;対辺はそれぞれどうしの等しい四角形
いくつか前の定理で、平行四辺形では、対辺どうしの長さが等しいことを証明した。
# 2組の対角はそれぞれ等しい
 
# 対角線はそれぞれの中点で交わる
では、逆の問題を考えてみよう。
 
つまり、対辺どうしの等しい四角形は、平行四辺形だろうか?
 
 
(証明)
[[File:Parallelogram ABCD and diagonal BD.svg|thumb|300px|]]
 
証明の方針としては、対角線を引き、錯角が等しいことを利用して辺が平行であることを導きだせばいい。
では、実際に証明にとりかかる。
 
 
まず、対角線BDを引く。
 
すると、△ABDと△CDBは、仮定と合わせると結果的に、3つの辺の長さが等しいから合同であり、記号であらわすと
 
: △ABD ≡ △CBD
である。
 
念のためになぜ三辺が等しいかを述べると、
 
:BDとDBは共通だし、
平行四辺形は2組の向かい合う2辺がどちらも互いに平行である四角形である。
仮定から対辺どうしは等しいので、
このとき、平行線の性質と三角形の合同条件を用いて平行四辺形の性質を
: AB=AD であり
示すことが出来る。平行四辺形の性質は
:BC=DA であるから
である。
 
:向かい合う2辺の長さは等しい。
:向かい合う2つの頂点で辺がなす角度は等しい。
:対角線は互いに他を2等分する。
 
ともかく、三辺が等しいために合同であるのでしたがって、 ∠ADB=∠CBD である。
* 導出
平行四辺形の頂点をある頂点から時計回りにABCDとする。更に、2本の対角線を
取り、その交点をMとする。
:[[画像:平行四辺形.png]]
まず、
:向かい合う2辺の長さは等しい。
を示すため、三角形ADCと三角形ABCに注目し、これらが合同であることを示す。
まず、これらの2つの三角形は共通の辺ACを持つ。
更に、
ABとCDは平行、ADとBCは平行
なので、平行線における錯角の関係から、
:<math>
\angle BAC = \angle ACD
</math>
:<math>
\angle DAC = \angle ACB
</math>
が成り立つ。
よって、三角形ADCと三角形ABCは、1辺とそのまわりの2角が等しいこと
から合同である。
このことから合同な三角形で対応する辺の長さが等しいことから、
:<math>
AD = BC
</math>
:<math>
AB = CD
</math>
となり、平行四辺形の対応する辺の長さが等しいことが分かった。
次に、
:向かい合う2つの頂点で辺がなす角度は等しい。
については、例えば、
:<math>
\angle DAB
</math>
:<math>
\angle BCD
</math>
については、平行線の錯角の関係より
:<math>
\angle DAC =
\angle BCA
</math>
と、
:<math>
\angle CAB =
\angle ACD
</math>
が成り立つことから、
:<math>
\angle DAB= \angle BCD
</math>
が成り立つことがわかる。よって、平行四辺形の向かい合う角は等しい。
更に、
:対角線は互いに他を2等分する。
については、三角形ABEと三角形CDEが合同であることを示す。
まず、上で示したことから
:<math>
AB = CD
</math>
となる。また、平行線の錯角の関係から
:<math>
\angle ABD= \angle BDC
</math>
:<math>
\angle ACD= \angle BAC
</math>
が得られる。よって、1辺とそのまわりの2角が等しいことから、
三角形ABEと三角形CDEが合同となる。よって、対応する辺であることから
:<math>
BE = DE
</math>
:<math>
AE = CE
</math>
が得られる。よって、平行四辺形の対角線は互いに他を2等分することが示された。
 
錯角の角度が等しいので、よって  AD//BC ある。
<!-- ===円周角と中心角===
 
同様にして AB // DC も証明できる。
次に、円についての性質を調べる。円の周状に異なる2点を取り、それらの点と異なった周状の任意の点に引いた2本の線分がなす角を最初に取った2つの点の間の弧に対する[[w:円周角]]と呼ぶ。更に、最初の2点から円の中心にひいた線分が成す角を2つの点の間の弧に対する[[w:中心角]]と呼ぶ。中心角と円周角には次の性質がある。
:ある弧に対する全ての円周角は等しい大きさを持つ。
:ある弧に対する中心角の大きさは、同じ弧に対する円周角の2倍に等しい。
 
そして、対辺どうしが平行の四角形であるので、平行四辺形であることが導ける。 (証明 おわり)
* 導出
中心を点Oとする円を取り、円の周上に適当な長さの弧を取り、更に弧の上にない別の一点を取って先ほど取った弧に対する円周角を作る。このとき弧の左端をA,右端をB,弧以外に取った点をCとする。
:[[画像:中心角.png]]
 
=== ひし形 ===
最初にOが三角形ABCの中に含まれているときのことを考える。(図の左)このとき三角形OACと、OBCについて三角形の外角の大きさが三角形の他の2つの内角の大きさの和に等しいことを用いると、
=== 長方形 ===
:<math>
== 平行線と面積 ==
\angle AOB = (\angle CAO +
\angle ACO) + (\angle OCB +
\angle OBC )
</math>
となる。しかし、三角形OAC、OBCはそれぞれ
:<math>
AO = CO, BO=CO
</math>
を満たす二等辺三角形なので、二等辺三角形の性質より
:<math>
\angle CAO = \angle ACO
</math>
:<math>
\angle OCB = \angle OBC
</math>
がわかる。このことを上の式に代入すると、
:<math>
\angle AOB = (\angle CAO +
\angle ACO) + (\angle OCB +
\angle OBC )
</math>
:<math>
= 2\angle ACB
</math>
となり、確かに弧ABに対する中心角は弧ABに対する円周角の2倍にあたることが分かる。また、この関係は三角形ABCの中にOが含まれている限り常に成り立つので、このとき、弧ABに対応する円周角は一定の大きさを持つことが分かる。
 
次に、点Oが三角形ABCの中に含まれていない場合を考える。(図の右)このとき、このとき三角形OACと、OBCについて三角形の外角の大きさが三角形の他の2つの内角の大きさの和に等しいことを用いると、
:<math>
\angle AOB = (\angle CAO +
\angle ACO) -
(\angle OCB +
\angle OBC )
</math>
となる。しかし、三角形OAC、OBCはそれぞれ
:<math>
AO = CO, BO=CO
</math>
を満たす二等辺三角形なので、二等辺三角形の性質より
:<math>
\angle CAO = \angle ACO
</math>
:<math>
\angle OCB = \angle OBC
</math>
がわかる。このことを上の式に代入すると、
:<math>
\angle AOB = (\angle CAO +
\angle ACO) - (\angle OCB +
\angle OBC )
</math>
:<math>
=2 (\angle ACO -\angle BCO)
=2\angle ACB
</math>
となり、確かに弧ABに対する中心角は弧ABに対する円周角の2倍にあたることが分かる。また、この関係は三角形ABCの中にOが含まれていない時常に成り立つので、弧ABに対応する円周角は常に一定の大きさを持つことが分かる。
 
[[Category:中学校数学|図形]]
点Oが、三角形ABCの中に含まれているときも含まれていないときも上の性質が成り立つことが分かった。このことから、全ての場合について上の性質が成り立つことが分かる。-->
 
[[Category:中学校数学|2ねんせい へいこうとこうとう]]