「高等学校美術I」の版間の差分

こうしてみましたが…
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(こうしてみましたが…)
 
しかし一方写実画では、透視図法は理解しておさえておくのが正確に風景を描くためには重要になります。人間は二つの目で見た二つの光景を、一つの図としてとらえることで外界を見ています。しかも目のレンズのピントがありますから、ある距離の光景がはっきりしている一方、その前後はぼけて見えているはずです。
 
 
== 透視図法 ==
[[File:Compression Depth diagram japanese.svg|thumb|650px|透視図法(一点透視)の正しい使い方<br>※ 『[[中学校技術/材料と加工に関する技術を利用した製作品の設計・製作#キャビネット図|キャビネット図]]』とは、中学校の技術科で習う製図技法のひとつ。(※リンク先はwikibooks中学技術科)]]
 
直線を引いて一点透視や二点透視を近似的に描く透視図法は、遠くにあるモノを描く場合でしか使えません<ref>西澤晋『リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座』 (漫画の教科書シリーズ No.03) 、誠文堂新光社、2009年7月31日発行、146ページ</ref>。
 
もし近くにある小さいものを描くときは、(直線的な透視図法ではなく)右図のキャビネット図のように描くほうが適切です。(キャビネット図とは、中学の技術家庭科の技術分野で習った、図法の一種です。)
 
[[File:立方体のキャビネット図.svg|thumb|300px|left|立方体のキャビネット図]]
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[[File:Cabinet drawing and perspective corresponding japanese.svg|thumb|500px]]
 
キャビネット図も、右図の例のように、遠くに消失点のある透視図を近似的に描いたモノであるとも解釈する事も出来ます。
 
ただし、キャビネット図(上手左の図)そのものの描きかただと、側面・上面の圧縮が強すぎるので、美術用にリアルな絵を書く場合には、側面・上面の長さを右図のように、やや延長(おおむね1.5倍くらいに長さを倍増)して使うほうが自然に見えます。
 
けっして、右図のダメな例のように、近くのものを見る場合には、奥行きを圧縮しない状態では、被写体の近くに消失点が存在することは、ありえないのです。
 
 
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透視図法はこの世界の空間上のある一点を、人間の片目のレンズの中央として、そこから見た光景をその点の前面にある紙、平面に写し取っています。もちろん二つの目を持つ人間は、二つの光景を見たうえで、一つの図だと考えている訳ですが、これによって、遠近を知ることもできます。近似的には、両目のレンズを結ぶ線分の中点に、視点、世界を見る目のレンズの中心があると考えていいと思います。
 
演出的に「アオリ/フカンであり、なおかつ、広角パースを強調する」のような構図にする場合もありますね。
 
== 望遠パース推進と広角パース否定 ==
 
[[File:Compression Depth diagram japanese B.svg|thumb|650px|透視図法(一点透視)奥行き正しい使体を描くなという主張<br>※ 『[[中学校技術/材料と加工に関する技術を利用した製作品の設計・製作#キャビネット図|キャビネット図]]』とは、中学校の技術科で習う製図技法のひとつ。(※リンク先はwikibooks中学技術科)]]
 
世の絵描きの中には、画角の小さい望遠パースだけを採用して、その方針の下、割と教条的に絵画技法をまとめ上げて、実用に供している人たちがいるようで、そういう人たちのルールの一つに、直線を引いて一点透視や二点透視を近似的に描く透視図法は、遠くにあるモノを描く場合でしか使えませんない<ref>西澤晋『リアルなキャラクターを描くためのデッサン講座』 (漫画の教科書シリーズ No.03) 、誠文堂新光社、2009年7月31日発行、146ページ</ref>、というものがあるようです
 
本来1点透視は画面の中央に消失点があるものですし、2点透視の二つの消失点を結ぶ線分は画面の中央点にするようにするのが,見えている光景の真ん中を描くためには重要な条件ですが、描く絵を望遠パースに限るとこの法則はそれほど適用しなくてよくなり、割と自由に1点や2点の消失点を置けるようになります。
 
そしてその場合,1点2点透視を使うのは,遠くにあるものを描くときだけ使えという主張ですね。
 
では近くにあるものを描く場合はどうするか。
 
望遠パースのみを採用する場合、我々が見ている光景を小さな画角で切り取り、絵として描く場合,消失点が画面に含まれている場合と、画面の外に行ってしまって画面内に消失点がない場合がありますね。
 
そこで近くの立方体を描く場合は,消失点が画面内にある場合は奥行きは短く、圧縮しなければいけませんし、画面外に消失点がある場合は、立方体の奥行きは割と長く広く描かれるようになるでしょう。
 
そして画面外に消失点があって立方体の奥行きが長く描かれるときは、いっそキャビネット図にしてしまうという方法があります。
 
キャビネット図とは、中学の技術家庭科の技術分野で習った、図法の一種です。
 
[[File:立方体のキャビネット図.svg|thumb|300px|left|立方体のキャビネット図]]
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[[File:Cabinet drawing and perspective corresponding japanese B.svg|thumb|500px]]
 
キャビネット図も、右図の例のように、遠くに消失点のある透視図を近似的に描いたモノであるとも解釈する事も出来ます。
 
ただし、キャビネット図(上左の図)そのものの描きかただと、側面・上面の圧縮が強すぎるので、美術用にリアルな絵を書く場合には、側面・上面の長さを右図のように、やや延長(おおむね1.5倍くらいに長さを倍増)して使うほうが自然に見えます。
 
ただしこういう教条的な絵画技法は、あくまで画角の小さい望遠パ―スだけを採用する場合に当てはまる事です。
 
画角の広い広角の絵を認めたうえで、リアルな、効果的な絵を描くためには、もう少し一般的な遠近法、透視図法の理解が必要になりますし、逆に教条的、教文的絵画技法は、絵画活動や画法理解の障害になる場合もあります。
 
== メルクマール ==
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