「量子力学」の版間の差分

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== 量子力学とは ==
* [[量子力学/量子力学とは]]
 
== 量子力学の発展 ==
* [[量子力学/量子力学の発展]]
 
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行列とそうでない量を区別する。
 
(*注意
行列でかかれる量をq-number,行列でかかれない量をc-numberと呼ぶことがある。)
 
ここまでで位置xと運動量pが行列でかかれることが分かった。
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エネルギーのことをエネルギー準位と呼ぶことがある。
 
== 波動関数の性質 ==
 
上で波動関数を計算する方法を得た。ここでは、波動関数の性質について考える。
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摂動などでよく使われる。詳しくは[[量子力学II]]を参照。
 
== 時間に依存するシュレーディンガー方程式 ==
 
実際の物理的な系は常に時間に依存して変化する。このため、量子的な状態も
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となり、時間に依存しないシュレーディンガー方程式に等しくなる。
 
== 1次元調和振動子 ==
== 水素原子模型でのシュレーディンガー方程式の解法 ==
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このように「量子数」は数学的にシュレーディンガー式から導ける。ただしスピンは、シュレーディンガー式からは導けない。スピンを導くには「ディラックの方程式」が必要になり、入門の範囲を超えるので説明を省略する。
 
θ¢çυ‚== 1次元井戸型ポテンシャル ==
1次元井戸型ポテンシャル
: <math>\begin{cases}
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となり、とびとびの値をとることが分かる。
 
== 1次元階段型ポテンシャル ==
1次元階段型ポテンシャル
: <math>\begin{cases}
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量子論の基礎法則は数学的にはむしろ単純で、線形代数に他ならない。但し、扱う系によりベクトル空間の次元が無限大になったり関数空間になったりするので、そこからくる複雑さが大きい。ここでは有限次元(2次元!)の線形代数で完全に扱うことができる系、「電子のスピン」を例にとりながら、基礎法則を導入する。
 
=== スピン ===
電子は点粒子であり位置という属性を持つが、実はそれだけでなく「自転する棒磁石」が持つような属性も持っている。棒磁石がN極とS極を結ぶ線を軸として自転しているとしよう。そこに磁場をかけると(1)棒磁石はその向きに応じたエネルギーを持ち、また(2)磁場を軸としてコマのようにプリセッション(首振運動)を行う。(1)は磁石であることから起き、(2)は((1)に加えて)角運動量を持つことから起きる。
 
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この向きを単位ベクトル<math>\hat{s}</math>で表し、その成分を<math>(s_x,s_y,s_z)</math>と書く。単位ベクトルなので<math>s_x^2+s_y^2+s_z^2=1</math>。普通に考えるとこの成分(3つの実数、動く範囲はそれぞれ-1から1)を指定すればスピンの状態を記述したことになるはずである。ところがスピンは量子力学の法則に従うのでそうはならない。
 
=== スピンの測定:量子力学的な特徴 ===
スピンの向きの測定方法で代表的なのはStern-Gerlach型実験と呼ばれるもの。空間的な勾配を持つ磁場をかけることでスピンの向きに依存した力が電子にかかるようにする。大雑把に理解するには、棒磁石に磁場をかけることを考えればよい。磁場が一様だとN極とS極にかかる力が正反対かつ同じ大きさになるので全体としてキャンセルしてしまう。そこでz方向に勾配を持つ、つまり上に行くほど強くなる磁場をかけるとしよう。すると磁石の向きがz軸方向の成分をもつ(<math>s_z\ne 0</math>)ならば上側の極により大きな力がかかるので全体にかかる力が残る。適切に磁場を設定することで、近似的にszに比例した力
<math> \vec{F}\approx(0,0,k s_z) </math>
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z方向に勾配を持つ磁場にランダムな向きの磁石をたくさんいれると、たまたまsz=1だったものの軌道は大きく上にそれ、sz=-1だったものは大きく下にそれる。そしてその中間、特にsz=0に近いものでは軌道はほとんどそれない。磁石の出口に磁石がきたことを感知するスクリーンをおけば、そこには上から下までほぼまんべんなく磁石がきた後が残るであろう。
==== 量子力学の特徴1:観測値の離散化(「量子化」) ====
これで舞台は整ったので、磁石の代りに向きがばらばらの電子を通してみる。すると、驚くべきことに磁石の場合とは全く異なる結果になる。スクリーンの一番上(sz=1に対応)と一番下(sz=-1に対応)にしか電子がこないのであるあたかもsz=1の電子とsz=-1の電子しかないかのような結果になってしまう。それではと、今度は装置を90度回して、sxに応じて軌道が変わるようにしてみる。すると今度は(同じ源からきた電子なのに)sx=1とsx=-1のものしかないかのような結果になる。つまり一番右と左にしか電子がこない。
 
これは測定法を変えても成り立つ一般的な結果である。即ち、
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「対応する」の意味は段階的に説明していく。まず重要なのは観測値が取り得る値が決められることである。物理量szを例にとると
 
szの測定値になりえるのは対応する行列Zの固有値のみ。つまりszの測定値が1, -1に限られるのは、対応するZの固有値が1, -1だけだからである。
 
sx, syについても同様。どちらも対応する行列X,Yの固有値が1, -1しかないので測定値としては1, -1しか現れない。
 
一般的に言うと、スピンに限らず物理量はある行列(より一般的には線形演算子)に対応する。つまりその物理量の観測値は対応する行列の固有値に限られる。逆にいうとある物理量がとりうる測定値を知りたいと思ったら、それに対応する行列を求めその固有値を求めればよい、ということである。
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但し基本的な物理量の行列が分かれば、それらの関数になっている物理量の行列は行列代数により得られる。例えば<math>sx+sy</math>という物理量に対応する行列は<math>X+Y</math>になる。その固有値は(普通の線形代数の方法で計算すると)<math>\pm\sqrt2</math> なので<math>sx+sy</math>がとりえる観測値は<math>\pm\sqrt2</math> のどちらかになる。従って扱う系で基本的な物理量(例えば位置xと運動量p)に対応する演算子が分かれば、その系の任意の物理量(基本的な物理量の関数になっている量、例えばエネルギー p^2/(2m)+V(x))が対応する行列は演算子の代数(線形代数)で分かってしまうのである。
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==== スピンの量子力学公理2 物理状態の数学的表現は複素列ベクトル=ケット、確率は固有ベクトルとの内積の絶対値自乗 ====